今月のワニレポ(今月の一冊から)

2019年2月25日 (月)

Vol.238『努力と忍耐、根性。とは別次元の効果的なアプローチ』

この自分では意識できないストレスを緩和する「もっとも簡単な方法」の1つが、
意識できない心(無意識)に働きかける色(カラー)を利用することです。
最近の研究では、人間は色を資格的に認識するだけでなく、皮膚で認識することがわかってきています。青色、緑色、赤色と、それぞれの色の光をとらえる「オプシン」というタンパク質があり、この三つの光をとらえることにより、赤から紫までを脳が皮膚を通じて感じることが出来ると言われています。

<中略>

つまり皮膚は色を認識しているということです。ちなみにタコは、まわりの環境に合わせて皮膚の色を変えると言われていますが、「目」→「脳」→「皮膚」の経路ではなく、皮膚自体がまわりの色を感知して、一瞬で皮膚の色を変えて環境に同化するそうです。
生物は、目ができる以前は皮膚で色や光を感知して生きていたのかもしれません。

<中略>

ピンク色は、幸せ、愛情、優しさ、思いやりなど、幸福を象徴する色です。
愛情や優しさをもっと感じたい方は使うといいでしょう。

(『ぐっすり眠れるピンク色の魔法
橋本陽輔 著
自由国民社 24頁より引用)

問題に直面すると、「努力と忍耐、根性」でなんとか乗り切る。そんな人は多いのではないでしょうか。わたし自身、学生時代に体育会系の厳しいトレーニングや受験勉強などの経験からでしょうか、常に正面突破で立ち向かう癖があります。

それで解決できるうちは、それでもいいのでしょう。ただ、それでは心も体も疲弊して、エネルギーが消耗し、ゴールを諦めたり、病んでしまうこともあるかも知れませんね。

とりわけ、病気や家族の介護、心の病など、ゴールが見えない問題に直面しているケースなどは、正面突破で努力するほど、つらい思いをする人もいるようです。

問題解決において、わたしは3つの視点を持つようにしています。それは、「能力」「行動」「環境」の3つです。そして多くの人は、「能力(どんなスキルを身につければいいか)」か「行動(何をすればいいか)」ばかりを考えがちであることに気がつきました。

その一方で「環境(どんな環境を整えればいいか)」の視点が軽視されがちだな、と。

今回の本の著者は、わたしが10年以上前から親しくさせてもらっている方なのですが、この「ピンク色」の力をはじめて聞いた時は衝撃でした。何しろ、ピンクの衣服やマフラーを身につけるだけで、心や体の問題が解決することがある、というのですから。わたしも仕事が立て込み、エネルギーが下がってきたかな、と感じると、ピンクのマフラーを巻いています。今では何も考えず無意識でやっていますが、それで快適な生活が送れるのなら、言うことなしですよね。ピンときた人は試してみてはいかがでしょうか。


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2019年1月25日 (金)

Vol.237『ひとりで考える時間を強制的に持つには?』

ひとりで考える時間がアイデアを生む。

<中略>

—つまり「インディペンデントデー」は、ひとりで考える日なんですね。

糸井:そうです。だから金曜日には打ち合わせの予定は入れません。みんながどこにいるかも把握しない。会社に来なくたっていい。ただ寝ているだけで終わっちゃう人がいる可能性だってあります。でも、それはいちいち監視するようなことではありませんから。

みんなが「インディペンデンスデー」を持つようになったら、ぼくも意識的にひとりで考える時間をつくろうと思っています。

僕は京都に行っている間、よくひとりで考えているんです。本当はインプットをしようと思って京都を訪れるのだけれど、結局はアウトプットばかりしている。ひとりでいる時間はイ東京にいるとなんとなく時間が分断されてしまいます。やっぱり分断されずに考え続けるには旅先が合っている。とにかく誰にも邪魔されませんから。

(『すいません、ほぼ日の経営。
糸井重里・川島蓉子 著
日経BP社 95頁より引用)

本書で提唱されているように、「ひとりで考える時間」はとても重要で、特にいくつもの意思決定をする経営者は、絶対に確保した方がいい、とわたしは思います。
ところが現実には、そのような時間を確保している人は極めて少ないのが実態のようです。

その理由は簡単で「いつやってもいい」上に「強制力がない」からです。
まさに、「物事を先送りする3大条件」のうちの2つをカバーしています。

このことを実感したわたしが行っていることは、「外部の専門家のコンサルやコーチングを受ける」ことです。わたし自身が人のコンサルをする立場ですが、わたしの活動においては逆に複数の専門家の力を借りています。仕事では、マーケティング、WEB活用、コミュニティ活性化、身体とビジネスのバランス化、英語など。プライベートでは、ランニング、ウクレレなどです。彼らとのセッションが毎月、決まった日時にあることで、必ず「考える時間」が確保される。それは時にアウトプットだったり、インプットだったりします。
いずれにせよ、セッションの後に「ひとりで考える宿題」が生まれ、それは次のセッションまでにやらざるを得ないため、“健康的な強制力”が働き、先送りを回避できます。

この“健康的な強制力”が発揮される環境づくりが、「ひとりで考える時間」を持つ上で、最大のカギなのではないでしょうか。本書の例のように、毎週決まった曜日をそういう日としてルール化するのもその1つ。ぜひ、試してみませんか。


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2018年12月25日 (火)

Vol.236『戦略的休暇を取るきっかけの作り方とは?』

休息と聞いて、わたしたちが通常思い浮かべるのは、昼寝、カウチに横たわる、テレビでスポーツ番組を見る、テレビの人気シリーズを一気に見る、といった受動的な活動だ。

それも休息の一つの形である。だが、体を動かすことには、予想以上の休息の効果があり、かたや精神の休息は、わたしたちが自覚する以上に、活動的だ。

何週間も部屋にこもりきりで本ばかり読んでいそうな職種の人も含む、驚くほど多くの創造的な人々が、高度かつ困難で、時には生命を脅かしかねないスポーツを、人生に欠かせないものとして実践している。毎日何キロも歩く人もいれば、週末を庭仕事に費やす人もいる。常に次のマラソンに備えてトレーニングする人もいれば、ロッククライミングをする人や高い山に登る人もいる。彼らの休息は、わたしたちがエクササイズと見なすものよりはるかに精力的だ。では、なぜそれらが休息になるのだろう。真剣な運動が、彼らの身体をピークの状態に保ち、精神を鋭敏にし、困難な仕事をこなすエネルギーを湧き上がらせる。

だが、それだけではなく、運動は得も言われぬ心理的恩恵をもたらす。

ストレスを和らげ、精神を明晰にし、さらには自らの過去とつながる道ともなるのだ。

(『シリコンバレー式よい休息
アレックス・スジョン-キム・パン 著
日経BP社 18頁より引用)

わたしは「無意識でいると、仕事を頑張り過ぎる癖がある」ことを30代前半に自覚して以来、仕事と身体、心、家庭やプライベートのバランスに気を向け続けてきました。

それは、健康なときにあえて戦略的な休暇を取ることで、有意義な人生を送りたいからです。

それでもここ数年、とりわけ日本キャッシュフローコーチ協会を設立してからの4年間は、かなりの仕事量とスピード感で駆け抜けてきました。健康にはそれなりに気を配ってきたつもりではありますが、出張も多く平日の帰りも遅い分、家族と一緒に過ごす時間はかなり少ない状態が続いています。娘が高校生となり、あと2年半もすれば独り立ちする可能性もある中、今の環境はいつまでも続く訳ではありません。今しかできないこともある。

そこで決めました! 来年以降は、仕事量を減らしつつも、成果は維持向上するスタイルにシフトする、と。え? どうやってやるのかって? それは、、、これから考えます(笑)。

ただ先日、友人との会話で大切なことを思い出しました。それは「堀貞一郎先生は、毎年8月をオフにしていた」ことです。それは、東京ディズニーランドの総合プロデュースで忙しくしていた40代の頃に、アメリカのエグゼクティブの働き方を見て取り入れた、とのこと。

これは半年以上前から決めて準備しておけば、やれるはず。そこで、わたしも来年の8月は予め決まっている個別コンサルと養成塾以外の仕事を入れず、「ほぼオフ月間」にします。それが一体、どんな効果をもたらすのか? 楽しみにしたいと思います。


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2018年11月25日 (日)

Vol.235『コミュニティとの自分サイズの関わり方とは?』

会社勤めをしていたとき、定年まで働いて、その後、同僚たちとは滅多に会わない生活を送る人たちを見た。きっと多くのサラリーマンが、そうだろう。40年近い時間を捧げても、そのコミュニティの外に出てしまうと、絆が切れてしまう。80歳で死ぬときに、周りに何人がいるだろう?僕は、そんな生き方は寂しいと思った。

昔の村社会を想像すると、死ぬとき、周りに村人たちが集まって、見送られて死ぬところを想像できる。家族以外にそんな仲間がどれだけいるか。それが、人生の喜び、幸せを決めるのではなにか。生きる意味とは、まさにそのような状態のことではないか。人は、人と人の間で、生きていくのだ。

僕が起業したのは、勝ちたいからではない。幸せになるためだ。自分の人生に意味をもたせたかったから。そのために必要なのは、インターネット時代に合わせて、コミュニティをアップデートしていくことだ。時代の要請としてコミュニティが必要だということを、小難しく書いたけれど、すごくわかりやすくいうと、僕自身が幸せになるために、安心と自由の両方が確保されたコミュニティが必要なのだ。

(『WE ARE LONELY,BUT NOT ALONE.
佐渡島庸平 著
幻冬社 66頁より引用)

わたしが今、もっとも関心の高いことの1つが、今の時代に合い、わたしや仲間がやりたいことの実現を後押ししてくれるような、コミュニティの運営法です。

4年前に日本キャッシュフローコーチ協会を数十人のメンバーで立ち上げて、現在350人、数ヶ月後に現役塾生が加入すると450人以上になります。

そんな中で、主催者として気になるのは、メンバーの協会活動への「関わり方の濃淡」です。

濃い人だと、facebookグループを1日に何度もチェックし、多くのプロジェクトや行事にも参加して、積極的に仲間と関わり、本業の発展に生かしている人もたくさんいます。

一方で薄い人だと、たまにfacebookグループを見る程度で自ら発信はせず、公式イベントにもほぼ顔を出さない人も一定数います。そして、誤解を恐れずにいうと、「そのような人たちも、居てもらっていい。むしろそれはそれで大歓迎」とわたしは考えています。

それは「自分のライフスタイルに合う、自分サイズの関わり方をして欲しい」のが1つ。

もう1つはタイミングです。人にはそれぞれ、「活動的でありたい時期」と「静かにしていたい(試行錯誤の)時期」があります。そのタイミングによって、関わり方に違いが出るのは当然でしょう。そして、やがて時間が経ち、活動的でありたいときに、いつでもウェルカムでわたしも仲間も迎え入れられる雰囲気、そんな安心安全ポジティブな場をつくっていくことが、長く継続的に発展していく鍵だと信じて、わたしはこれからも試行錯誤します。


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2018年10月25日 (木)

Vol.234『スタッフの存在価値を最大化する秘訣とは?』

トウガラシは辛いです。プリンにのせても合いません。トウガラシは、スイーツ業界では嫌悪されるでしょう。「君の辛さは一体なんだよ!グラニュー糖を見ろよ、大活躍だろう!」というふうに。違うのです。トウガラシはスイーツには合いませんし、お菓子の世界でいい仕事はできないかもしれません。その代わり、和食の世界にいけばどうでしょう。

蕎麦やうどんにかけたら最高です。適材適所なのです。

人間は、単体で評価されるものではありません。そもそも、人に助けられることを前提に作られています。私はワンオペレーション反対派です。「ワンオペ育児」という、親が1人で育児を担う状態を指す言葉が広まっていますが、育児や家事を1人でこなす状況は異常だと考えたほうがいい。いつだって、人は人に力を借りるべし。

人間が、それぞれ微妙にスペックを変えて単体を存在させているのはなぜか。

協力させるためです。協力したときにこそ、力が発揮されます。

大切なのは、自分はどういう起用のされ方をすれば最も活躍できるか。

それを自覚することなのです。

(『天才の証明
中田敦彦 著
日経BP 138-139頁より引用)

わたしは長年、コンサルタントとして個人プレーの仕事をしてきました。
そして、近年は日本キャッシュフローコーチ協会の運営という、チームプレーの比重が急速に高まっていて、その中でわたし自身が実践の中で鍛えられていることが1つあります。
それは、「その人の存在価値の最大化をいかにするか?」の目利き力です。

協会の仲間と共に、様々な企画を各種プロジェクトを立ち上げたり、全国の各地に会員主催型で100人超の強化研修会を行ったり、後楽園ホールを貸切で4百人規模のMVPコンテストを開催するうちに、「どうすれば人は最大限に輝けるのか」を考える機会がものすごく増えました。つまり、どのような人にどんな役割を与えれば最大限に輝くのかです。

と同時に、逆の目線でこれからわたしがやりたいことがあります。それは、協会メンバー自身から、「自分はどのように活用されたいか」を自己申告してもらうことです。
自分の存在価値を最大化するのは、どんなシチュエーションで、どんな役割を担うことか?
それを一人ひとりが自覚して、能動的に発信できたとしたら、組織運営は今よりもっとスムーズに活性化するのではないか。もっとも、自分のことは自分ではなかなか客観視しにくいものです。なので、現実には周りの仲間に自分の強みや特徴を客観的にフィードバックしてもらう作業は必要でしょう。そのプロセスを通して、意思疎通を図ることにもなります。

そして、その発想は一般企業にも応用できるのではないか。そう考えると、協会活動を通して実践していることは、すべてコンサルティングの現場に応用できることばかりです。


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2018年9月25日 (火)

Vol.233『モチベーションが自然と湧き出す秘訣とは?』

人間という存在の本質は、自分ではない誰か、自分ではない何かとのつながりによって生きる力を得ているところにあります。自分を待っている何か(仕事)、自分を待っている誰かとのつながりを意識した人は、けっしてみずからの生命を断つことはない、とフランクルは言います。フランクルの言葉を少し引きます。

「各個人がもっている、他人によってとりかえられ得ない性質、かけがえないということは、-意識されれば-人間が彼の生活や生き続けることにおいて担っている責任の大きさを明らかにするものなのである。待っている仕事、あるいは待っている愛する人間、に対してもっている責任を意識した人間は、彼の生命を放棄することが決してできないのである。
(『夜と霧』みすず書房186-187頁)

フランクルが求めているものは、「自分の欲望や願望中心の生き方」から、「人生からの呼びかけに応えていく生き方」「意味と使命中心の生き方」への転換です。こうした生き方の転換によってはじめて、私たちは生きる意味を実感しながら生きることができるとフランクルは考えたのです。

(『NHK100分de名著 フランクル 夜と霧
諸富祥彦 著
NHK出版 P.54より引用)

フランクルの「夜と霧」は随分昔に読んだのですが、最近それを解説した本書を読んで、改めて「モチベーションが自然と湧き出す秘訣」を再認識しました。
それは、「自分を必要とする人やコトの存在」を自覚すること。

わたしの場合、「自分を必要とする人」として、家族や友人、クライアント、塾生や協会メンバーなどが思い当たります。なので、彼らから相談されたり、頼られたり、協力している時に、エネルギーが湧き出てきます。また、「自分を必要とするコト」として、コンサルティングや養成塾、協会活動、執筆、講演やセミナーなどがあります。

とりわけ、例えば「これからこんな講座をつくって、◯◯で困っている人たちの力になってあげよう」というように、これからやることの内容と意味が明確になればなるほどに、ワクワクして、やはりエネルギーが湧き出します。つまり、その心の状態こそが、「モチベーションが自然と湧き出ている」姿なのだと思います。

それを、受身的な捉え方で終わらずに、能動的な視点に置き換えることで、使命感を持ってやるミッションや、仲間を巻き込むビジョンが浮かび上がっていくのでしょう。

もし今、やりたいことが漠然としてモヤモヤしているなら、「自分を必要とする人は誰か?コトは何か?」を探してみると、突破口が見つかるかも。

そしてそれは、意外と足元にあるかも知れません。


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2018年8月25日 (土)

Vol.232『奥の深い、立体的な教え方とは?』

私が先に「教えるはすなわち学ぶことである」と言っても、諸君らの多くは、小さな小学校の子どもたちを教えるのに、それほど深く学ぶ必要はあるまいと思うことでしょう。ところが実際に当たってみますと、単に教科書の表面に現れている程度の事柄を教えるだけでも、相当に深い学識を必要とするのであって、このことはやがて諸君らが、教生として教壇に立たれれば、すぐに分かることであります。大の男が、わずか1時間の授業をするのに、3時間、4時間もその準備をしていって、なおかつ授業がしどろもどろになって、汗だくになることによっても分かりましょう。このように、単に教科の内容を教えることだけでも、実に容易ならざる準備と研究とを要するわけですが、さらに眼を転じて、教育の眼目である相手の魂に火をつけて、その全人格を導くということになれば、私達は教師の道が、実に果てしないことに思い至らしめられるのであります。

<中略>

そこで、ではわれわれとして、それに対して一体どうしたらよいか、ということが問題でしょうが、私としては、それに対処し得る道はただ一つあるのみであって、それは何かと言うと、人を教えようとするよりも、まず自ら学ばねばならぬということであります。

(『修身教授録
森信三 著
致知出版 P.35より引用)

養成塾の講師として日々学ぶことがたくさんあります。先日、塾生から質問を受けました。 「和仁さんの教え方は、とてもわかりやすくて、どこから質問しても明快な答えが返ってきます。わたしもセミナー講師をやる機会が今後増える予定なので質問したいのですが、そのようにわかりやすく教える秘訣は何ですか?」

わたしの教え方が上手かどうかは別として、わたしがセミナーや養成塾で「人に教える」経験をする中で、意識していることが1つあります。それは、「実体験から得た気づきややり方を教える」ことです。つまり、人から聞きかじっただけで自分の体験が入っていないことは外し、実際に体験したことを起点に、「そこにどんな気づきや教訓、ノウハウがあるか」を掘り下げて、ストーリーに乗せて伝えるようにしています。

実体験を起点に教えると、話がわかりやすくて、質問にも明快に答えられる。それは、なぜなのでしょうか? それは、本や雑誌、人から聞いた話よりも、体験談の方が情報量が多いからです。2次元(平面)ではなく3次元(立体)です。つまり、2次元の紙なら少し掘ったらすぐに破れて底が見えますが、3次元の立方体なら、掘っても中身が詰まっていて、底が見えない感じに似ています。体験しているから、臨場感のあるリアルで聞き手の共感を得る話ができる。そして、それだけ膨大な情報量が背景にあるので、別の角度から掘り下げれば、必要な情報を引き出すことができる。これをルールにしておくと、教える機会が多いほどに、実体験の機会が必然的に増えます。その結果、教える程に学び、成長できるのでしょう。今後も大いに学び、それを世の中に還元していきたいと思います。


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2018年7月25日 (水)

Vol.231『新たな価値を生む秘訣とは?』

アマゾンは、ECというカテゴリーに収まることなく、レジなし店舗「Amazon Go」やスマートロックで不在時の宅内配送を可能にする「Amazon Key」といったサービスを開始している。「身体の詳細なサイズデータを企業に提供する」「自宅のカギを信頼できる業者が開けられるようにする」こうした利便性は、これまでなら心理的なハードルが高く、なかなか受け入れられなかっただろう。

しかし、テクノロジーによってセキュリティを高め、不正をすればそのエコシステムから排除されるレビューやレーティングシステムが機能することによって、こうしたサービスは一気に心理的、物理的な距離を詰めてくる。これまで常識と思っていたことを人々があっさり捨てたとき、そこにビジネスのフロンティアが生まれる。それを可能にするのは、「今までにない新しいサービス」「自分も使いたい」「こういうのを待っていた」と一瞬で理解させるコンセプトと最小限のメッセージ。そして、「これすげー!」とボタンを押させる熱気だ。

(『熱狂顧客戦略
髙橋遼 著
翔泳社 P.Xより引用)

今、技術の進化によって、様々な新サービスや商品が生まれていますよね。

スマホやタブレット端末、ネット通話サービスのzoom、google翻訳もしかり。これらIT技術が進化したことで、わたしたちの仕事のスタイルは激変しました。場所を問わず遠隔での仕事が当たり前になり、自分で発信媒体を持って自己表現するチャンスが増えたり、外国語の資料を調べる抵抗感が減って情報収集の範囲が広がったり、と。

そしてそれはすべてビジネスを発展させるチャンスになります。かつては「地理的制約が仕事の範囲を決める」という【前提】がありましたが、それが崩れたことで仕事の範囲が広がったわけです。

このことは、「技術の進化を観察し先読みして、【前提】を疑うことの大切さ」を教えてくれています。この、【前提】を疑う大切さは、新たな価値を生む秘訣だと感じます。

例えばコンサルタント業で言えば、かつては「経営コンサルタントは、50代以上のベテランが、豊富な経験をもとに教える仕事」という認識でした。それは「その情報に価値がある」という【前提】があったからであり、「教える先生」というスタンスが当たり前でした。

それが、顧客が情報を持つ情報化社会では、「教える」ことに無理がある。その結果、「盲点に気づかせるパートナー」というスタンスに価値観がシフトするわけです。これは、「答えが簡単に入手できる時代、そもそも”人から上から目線で教えられたくない”社長たちは『教える』先生型コンサルタントは求めない」という【前提】を立てた時に気がつきました。

他にも、「影響力を高めたければ、コンサルタントを社員採用して会社を大きくするしかない」という【前提】を疑うと、新たな市場を創造して同志として協業できる道が開けます。

過去の前提にしばられない自由な【前提】を今後も立てていきたいと思います。


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2018年6月25日 (月)

Vol.230『顧客がなんて言って紹介しているか、に注目する。』

あなたの周りには必ず類友(強いつながりの人)がいる。あなたの価値観の変化によって年々入れ替わっていくが、必ずいる。彼ら彼女らは同類だから話もしやすいし趣味も合う。

だからその言葉には耳を傾ける。類友の体験や意見は、自分にとって役に立つ確率がとても高いからだ。だから、ある商品を類友が「自分の言葉」で(言わされたのではない本音の言葉で)褒めていたら、まったく関心ない商品だとしても「へー、それ良さそうかも」と心を動かされる。自分が顧客になると思っていなかった商品でも、ちょっと気になっていたけど手を伸ばさなかった商品でも、すっとその存在が心に入ってくる。

ボクも、当時の類友がワンピース歌舞伎を「自分の言葉」で激賞していたから、行くつもりもまったくなかったのに「あいつがそこまで言うならさぞかしすごいんだろう」と素直にチケットを購入した。歌舞伎に限らず、身の回りを見渡してみると、自分の判断で買った商品より類友の推奨で買った商品のほうが多いくらいである。そのくらいこの時代に「自分で合う商品」に出会う確率は下がっている。そもそも情報が多すぎて届かない上に、選べないほど商品も多く、わけがわからないからである。その意味において、価値観が近い類友は、テレビやネットを凌ぐ最強メディアと言ってもいいし、類友の実体験による「自分の言葉」はこの過酷な情報環境において、超貴重な情報源なのである。

(『ファンベース —支持され、愛され、長く売れ続けるために
佐藤尚之 著
ちくま新書 P.74より引用)

自分の商品やサービスを、「顧客が知人になんて言って紹介しているか」知っていますか?
わたしは独立当初、思いがけないシーンに遭遇しました。それは、わたしのコンサルティングのクライアントが、知人の経営者にわたしを紹介してくださったときのことです。

そもそも、一緒に同伴して「和仁のコンサルを受けたほうがいい」と言っていただけること自体、本当にありがたいことです。そしてわたしは、そのときのクライアントがわたしのコンサルティングを何て言って紹介するのか、に注目していました。

何しろ当時は、「キャッシュフロー経営」と言っても、「大企業の企業価値を高めるための手法」みたいなイメージだったし、「コンサルタントって、現場を知らない癖に、上から目線で物を言ってくる人でしょ?」と、毛嫌いする社長も少なくない時代でした。
それでクライアントの紹介は単純明快でした。

「和仁さんに聞かれて、やりたいことをしゃべると、カタチにしてくれるんです」

もう、思わず唸っちゃいました。こうして10数年経っても思い出せるくらい、インパクトがあった出来事でした。今一度、顧客の言葉に注目してみると、きっと発見がありますよ。


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2018年5月25日 (金)

Vol.229『ゲームのルールが変化していないか?』

かつて日本は、それまでの考え方にとらわれていたために世界に太刀打ちできず敗者となる、という苦い経験をしています。日本は大平洋戦争時に、史上最大級の戦艦大和と武蔵を造りました。「モノづくりの力」にこだわり、磨き上げ、日本が持つ技術力を結集して莫大な労力と費用をかけて、世界に類を見ない巨大な戦艦を造ったのです。当時すでに、航空母艦や戦闘機、爆撃機など、航空戦力が勝敗の鍵を握る時代になっていたにもかかわらず、日本の造船会社は高度な技術を持っていたため、それまでの延長線上で”いいモノ”を造ったのですが、その結果はご存知の通りです。

実際、大和も武蔵も素晴らしい戦艦でしたが、米国の航空母艦と戦闘・爆撃機に徹底的にやられて、大和は表舞台に出る前に、武蔵はフィリピンまで到達してあえなく沈没してしまいました。何を言いたいのかというと、今の日本企業もいつまでも20世紀の発想、やり方にとらわれ、それを磨いていくことだけに気をとられていると、かつての大和や武蔵のように簡単に撃沈されてしまうだろう、ということです。

(『勝ち組企業の「ビジネスモデル」大全
大前研一 著
KADOKAWA P.10より引用)

まじめにコツコツと自社の強みに磨きをかける。それ自体はビジネスの発展において大切なことですが、その一方で同等以上に重要なのが、「環境の変化」に適応することです。

本書で取り上げられているようなことは戦争だけでなく、例えば「インターネットの普及」という環境の変化に乗って、ビジネスシーンにおいていくつも顕在化しています。

そして、この「環境の変化」の流れは今後も通信回線の進化やAIの普及、人口減少などによって、さらに加速していくのでしょう。それは今後10~20年のコンサル・ビジネスも同様です。たとえば、

  • 訪問型ではなく、携帯端末越しのネット面談による、場所の制約を受けないセッションがスタンダード化。
  • さらに同時翻訳の進化により、マーケットが国境を超えることが普通の光景に。
  • DVD教材の販売形式は消え、定額の会員制オンライン受講形式へ移行。
  • 多能工化が進み、お笑いやスポーツ界など異分野からのコンサル・ビジネス参入が加速。

他にも多々ありますが、このように環境が変化すると、ゲームのルールは確実に変わります。コンサル・ビジネスで言えば、今までのような「なんとなく、相性が合うから」みたいな漠然とした理由では顧客に選ばれなくなり、より一層「コンサルタント自身の価値の言語化・可視化、および表現力」が重要になるでしょう。そして、自身や世の中の動きを俯瞰で捉える力や、それをサポートするプロデューサー的な役割もさらに必要となっていくと思います。目の前のことに没頭し過ぎて、この環境の変化を見落とすことがないよう、一定のゆとりを持つようにしたい。そんな気持ちが強い今日この頃です。


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