今月のワニレポ(今月の一冊から)

2024年3月25日 (月)

Vol.299『やりがいを見つける鍵は目の前のことを解像度高くやり切る。』

僕の知るほとんどの人はこの方法で、自分の夢や目標、「これを成し遂げたい」という志を見つけている。その二つ目の方法とは「まずは目の前のことに没頭してみる」ことだ。ちょっとした興味とか、「この人と働きたいな」とか、何のきっかけでもいいけど、「頑張れそうだな」と思うことにとにかく一生懸命向き合うことだ。

向き合い続けることで、そのことに詳しくなり、詳しくなるうちに課題が見つかるようになる。その領域に没頭できれば得意になり、得意になれば必要とされる喜びを知り、そしてもっと好きになる。

<中略>

自分にできることは何かを必死になって考えた結果、「せめて僕は、お客様の悩みやお客様の成果に、お客様以上に本気になることだけは絶対にこだわろう」と決めて仕事をした。

 

(『持たざる者の逆襲
溝口勇児 著
幻冬舎 24頁より引用)

今日は、やりたいことが見出せずにモヤモヤしている人に向けて、わたしが20代の頃に体験したことをお話しします。当時コンサル会社の新規営業の部署に配属されたわたしは、「やりたいのはコンサルでこの会社に入ったのに、なぜ営業をしなければならないのか!?」と、部署の飲み会で不満を先輩に打ち明けたところ、次のように言われました。

「和仁は将来コンサルティングがしたいんだろう?だったら営業力は必要じゃないか。
ましてや独立してやりたいなら、自力でお客さんを作る力が必要だ。そのための経験と思って取り組んだらいいんじゃないか」

その時は内心うまく言いくるめられたような気もしながらも確かに一理あると思い、新規営業に集中することにしました。会社から支給された顧客リストでは全く良い反応が出ないとわかり、自分なりに工夫もし始めます。例えば、「やる気のある元気な会社を見つけたい」ということで、「採用情報誌を買い込み、巻頭カラーで華やかに求人募集をしている会社をリスト化して、個別情報を書き入れたFAXレターを送り、電話フォローでアポを取る」と言うように。また、会社に用意された商品ではなかなか売れないと思った時は、「わたしから契約した場合、和仁主催の経営者の交流会に参加でき、新しい出会いや情報交換を楽しめる」という別の付加価値をつけて売ることもしました。その交流会は後に、日本キャッシュフローコーチ協会をはじめとする自分独自のコミュニティ運営の経験にもなったし、新規営業に集中した3年間の経験は、その後独立系コンサルタントとしての収入の基盤をつくっただけでなく、常に「相手のお困りごと起点に立つ」と言う大切な思考の筋トレにもなりました。初めからやりたいことがはっきり見えているのでなければ、今目の前にあることに集中して徹底的にやり、その成果を最大化すること。それがそう遠くない将来にやりがいを感じる仕事を見つけるための、最大で唯一の方法なのかもしれません。

 

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2024年2月25日 (日)

Vol.298『ワクワクするビジョンづくりのコツはストーリーを描こう。』

プロレスでは、シリーズを通して、あるいは年間を通じて、それぞれの選手たちの戦いのテーマっていうのがある。メインイベンターや主力選手たちの紡ぐストーリーが団体の中心だけど、それ以外にも抗争や因縁、裏切り、友情など、あらゆるストーリーが張り巡らされていて、そのストーリーを追いたくてファンは見続けているわけだ。ストーリーによっては数年、数十年越しの、まさに大河ドラマみたいな物語になることもある。でも、これって実はプロレス業界に限ったことじゃない。どんなビジネスにも「ストーリー」が大事なんだ。

<中略>

提供する商品やサービスが似たり寄ったりの場合、そこにドラマチックな物語をプラスすることで価値が上がる。これが今の時代の売れ筋なんだ。どんな企業も今や”物語”や”ストーリー”に飢えていて、その絶好のヒントがプロレスなんだそうだ。

 

(『肩書がなくなった自分をどう生きるか
蝶野正洋 著
春陽堂書店 38頁より引用)

経営者やコンサルタントから「ビジョンの描き方」について相談を受けることが増えてきました。もともと1年後や3年後のビジョンを描くことはしてきた人が、「これ以外にもっとやれることがあるのではないか?」と言う漠然とした思いからの相談です。この時によくあるケースは、「より多くのお客さんを集める」「より大きな売上を作る」等、「規模の拡大」を求める発想です。あるいは、周りの同業者や異分野の人に影響を受けて、本来自分がやりたいと思っていた以外のことに興味が向くこともあります。
このような悩みを抱える人の共通点は、「向上心が高く好奇心旺盛で飽きっぽい」ところです。つまり、自分で掲げたビジョンに自分自身が飽きてしまい「もっとワクワクできるビジョンが他にあるのではないか」と考えるのです。これはわたし自身もそのような体験があるので、気持ちはよくわかります。しかし、冷静に考えれば、他人のビジョンを自分が追いかけても本当の充実感はないし、後で違和感や疑問を感じ始めるのは明らかです。

そこでこのような状況の人に、わたしがお伝えしていることを紹介します。それは「ビジョンの解像度を一段上げる」ことです。物理的な情報量として”文字”は数バイトで、”静止画”は数メガバイト。そして映画などの”動画”なら数ギガバイトになるように、それまでシンプルな文字で表現していたビジョンを動画に仕上げる(=ストーリー化する)ことで、ビジョンの解像度が上がります。つまり、ビジョンをストーリーで語れるように肉付けしてみる。ポイントは、「誰が何をしてどうなるか」と言う出来事に、意味を加えることです。
和仁で言えば、「キャッシュフロー経営でビジョンを実現する経営者が増え、その経営者をサポートする同志が世の中に増える」ことが実現すれば、その意味は「新たな職業の創造」と考えたように。わたしにとって影響力の発揮を「新たな職業の創造」という意味を与えたことで、数十年かけて目指したいビジョンになりました。それを脚本家になったつもりで考えるとワクワクするし、その視点を持っていれば、他人の話も全て自分のビジョンの肉付けとして生かせるはずです。ビジョン作りの参考になれば幸いです。

 

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2024年1月25日 (木)

Vol.297『アウトプットが先、は自然の摂理。』

「呼吸」とはよく言ったもので、息とは吸ってから吐くものではなくて、吐いてから吸うものなのです。「呼」が先です。「吸」はあとから付いてくる。
ラジオ体操なんかで、「はい、息を大きく吸って、大きく吐いて」と言うけれど、あれは逆です。「出船入船」という言葉がありますが、出るほうが先ですよね。お金の「貸し借り」って言うでしょう。貸す方が先です。「出入口」と言うじゃないですか。
全部不思議に、アウトプットする方が先なんですよ。

ですから呼吸も、十分に全身から息を吐ききってしまうと、無理して吸わなくても、息は自然に体に流れ込んでくるという、こういう感覚ですね。

 

(『人生百年時代の歩き方
五木寛之 著
NHK出版 33頁より引用)

わたしがコンサルタント向けの塾でお伝えしていることの1つに、「アウトプットが先、インプットが後」があります。向上心の高く、完璧主義な人によく見受けられるのが、
「インプットが先で、十分に知識量や事前準備が整ったと実感してから、ようやくアウトプットをする」という姿です。これでは、着手は先送りになり、なかなか成果が出ず、学習効果も低い。そこで「新たなチャレンジをする時は、”脱★完璧主義”だ!」と発破をかけて、先にアウトプットを決めてもらいます。

例えば、「営業トークを学ぶ講義の数日後に、あらかじめ営業のアポを入れておく」「セミナーのやり方を学ぶ講義の数日後に、予めセミナーの会場を押さえて集客を前倒しでやっておく」というように。講義を受ける前に、アポをとったり集客を始めるのは、ふつうなら不安で一杯になります。その時点では、その知識やスキルは不十分なわけですから。

一方で、少数派ではありますが、「アウトプットが先」の見切り発車ができる人もいます。
彼らは「出したら、必ず必要なものが入ってくる」ことを潜在的にわかっているのでしょう。
「真空の法則」と言って、大自然には「ない(真空)状態を埋めにいく力」が働くようです。
「アウトプットが先」は、それを活用した習慣とも言えます。
そして大切なポイントは、ただ「アウトプットが先」なだけではありません。せっかくの真空状態を、「望まないモノ」で埋めてしまっては、勿体無いですからね。
成果を出す人たちの特徴は、「どんな成果を得たいか」を予めイメージした上でアウトプットしています。それによって、「アウトプットが先」の枯渇感から何かを取り入れようとする「埋める力」を適切に発動させているのです。

新たなワクワクするビジョンをイメージして、「アウトプットが先」で望みたいモノです。

 

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2023年12月25日 (月)

Vol.296『モチベーションが自然と保てている理由。』

心理学の研究によると、人間のモチベーションに対してもっとも効果的なのは「前に進んでいる」という感覚である。小さくても前進しているという手応えがあれば、未来の成功を信じられる。そのまま進みつづけようという力になる。

ハーバード・ビジネス・レビューの有名な記事『モチベーションとは何か』のなかで、心理学者のフレデリック・ハーズバーグは人の意欲を高める2つの主要因が「達成」と「達成が認められること」であると説いた。
もっと最近の研究では、テレサ・アマビルとスティーブン・クレイマーが数百人の数千日間にわたる日記を分析したものがある。人の本音が書かれた膨大な記録をもとに、アマビルとクレイマーは「日々のささやかな進歩」こそがやる気を引き出し、高いパフォーマンスを可能にすると結論づけた。「職場において感情・モチベーション・認知を高める諸要素のなかで、もっとも重要なのは、進歩しているという手応えである」と彼らはいう。

 

(『エッセンシャル思考
グレッグ・マキューン 著
かんき出版 246頁より引用)

わたしが独立して25年間、大きな気分のアップダウン無く、モチベーションを高く保ち続けられていると実感しています。その秘訣は、「1つのチャレンジが終わる前に次のチャレンジを設定して、燃え尽き症候群のようにバーンアウトしないようにしているからだ」と思っていました。確かにそれも一因だとは思いますが、本書を読んで、「達成感」の重要性に気づきました。実際、わたしは日々の小さな達成感を味わう習慣をいくつか持っています。

1日単位においては、
・デイリーシートのアクションリストを完遂した都度、レ点でチェックを入れる
・サクセスダイアリー(1行で成功体験を書く)を書く
・バイオリズムダイアリー(その日の体重や食事内容、仕事の自己評価を記録)を書く
などにより、「やり切った!という実感」を得て、「それが日々蓄積しているのを見える化」しています。また月末には、
・自分に対して提出する目標達成シートや時間の使い方を集計するシートの作成
・キャッシュフロー計画表の振り返り
などによって、1ヵ月単位のお金と時間の使い方、そしてその成果を振り返っています。

これらの作業はそれなりに時間を必要とするので、人に紹介しても続ける人はあまり多くはありません。ただ、その行為は単に「記録をつけて改善する」と言う意味だけではなく、「モチベーションを高く保ち続ける上で重要な習慣」だと言うことです。
だとしたら、より健康的な精神状態を確立して、やりがいある日々を過ごしたい人には、「達成感を味わえることの習慣化」は強くお勧めしたいところです。

 

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2023年11月25日 (土)

Vol.295『仕事の緊急性に振り回されないための備え方。』

私たちの生きる世の中は、どんどん余裕がなくなっている。車間距離を5センチしかとらずに時速100キロで疾走しているようなものだ。前の車が少しでも速度をゆるめたら、たちまち大きな事故になる。一瞬のミスも許されない。そのため、何をするにもストレスがかかり、つねに追い詰められている感じがする。そんな危険な状況を脱け出して、人間らしい余裕を取り戻すために、バッファをつくるコツをいくつか紹介しよう。

スタンフォードの大学院時代に学んだ教訓のひとつは、優秀な成績をとりたかったら徹底的に準備しろということだ。新学期のシラバスを受けとるや否や、私はコピーをとってカレンダーに貼りつけ、1学期分の予定をすべて把握した。最初の授業に出る前から授業で出される課題を検討し、すぐにでも研究を始められるようにしておいた。
こうしたささやかな準備のおかげで、授業のストレスは大幅に軽減された。
もしも急に忙しくなったり、緊急の用で授業を休んだりすることになっても、課題をやりとげるだけの余裕はちゃんとあるからだ。

 

(『エッセンシャル思考
グレッグ・マキューン 著
かんき出版 224頁より引用)

忙しい人には2種類の人がいます。「時間に追われてストレスを感じながら」不健康に忙しい人と、「先の見通しを立てて余裕を持って」健康的に忙しい人です。当然ながら、後者は仕事の締切を守りクオリティも高いため、信頼が寄せられ、どんどん良い仕事が舞い込んできます。この両者の違いを分ける要因は何でしょうか?
わたしは「着手の早さ」「全工程を見通すプランニング」だと考えます。

時間に追われる人は、必要に迫られてからその仕事に着手し始めます。
例えば新しいセミナーを作るとしたら、2〜3ヶ月前から準備を始めると言うことです。
一方、時間にゆとりがある人は、1年前から準備を始め、まずは12ヶ月間のプランニングを立てます。すると、途中で突発的な仕事が発生しても慌てる必要はありません。
予めバッファがとってあるので、そこで吸収できるからです。そして時間が生まれたら、1ヶ月後に予定していた業務を前倒しで着手するので、まるで”時間を追う”かのようです。

一方、時間に追われる人ははじめからタイトなスケジュールの組み方をしているので、突発業務が2つ3つ重なると、すぐに余裕をなくします。それでも、睡眠時間を削るか、家族との約束をキャンセルすることで何とか帳尻を合わせますが、その歪みは、健康や家族との関係性に及んでしまいます。
時間に追われるのではなく、時間を追う側になるための鍵は、着手を早くし、全工程の見通しを立てること。これを習慣化しているか否かが、仕事の成果やそのプロセスの楽しみ方に大きく影響することを実感しています。

 

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2023年10月25日 (水)

Vol.294『仕事に”輪作の発想”を取り入れて楽しく働く。』

作物に精通する農業従事者は、同種の作物を毎年同じところに同じように栽培しても同じ収穫量は見込めないことを知っている。そんなことをしたら、土壌の養分を枯渇させ、地力が低下し、害虫が発生するリスクが高まる。だから、賢い農業従事者は輪作を行う。

同じ土地に、異なる種類の作物を交互に栽培する方法だ。これにより、1種の作物を育んだ後に回復する時間が土に与えられ、収穫量も多くなる。自然に回復するのを待つよりも、土が肥える。なぜなら、栽培する作物をきちんと選んでさえいれば、ひとつの作物が、次の作物が育つために必要な養分を土に蓄えてくれるからだ。

この方法はとても効果的(かつシンプル)で、古代からずっと行われてきた。少なくとも中東では西暦紀元前600年から行われていたようだ。実存主義の創始者と呼ばれるキルケゴールは、輪作を人の心に当てはめて考えた。

<中略>

ここで、精神の輪作について考えてみよう。キルケゴールは退屈を感じないために、精神的活動やプロジェクトは交代で行うべきだと考えていた。農業従事者が行う輪作のように、精神的栄養素を使い果たしたら、次の作物に移り心を休ませる。

 

(『戦略的休息術タイム・オフ
ジョン・フィッチ マックス・フレンゼル 著
クロスメディアパブリッシング 159頁より引用)

「人が1日に集中して知的な仕事ができるのは4時間まで」と言う説があります。わたしも、本の執筆やセミナーの制作など、クリエイティブな仕事をする際に4時間は1つの目安になると感じるようになりました。先日、本来は仕事をする予定のない土曜日に、どうしても執筆の時間が必要と言うことで4時間限定で机に向かうことがありました。その時、猛烈な集中力で取り組むのですが、4時間やり切ると脳はヘトヘトに。と同時に充実感で満たされました。人が集中して働ける時間に限りがあるなら、「いかに有効に働くか?」「脳の疲労度を最小限に抑えつつ、楽しくできるには?」は大切な問いになります。その時、前述の「輪作の発想」にピンときました。わたしは日頃、1か月スパンで無意識に次の5つのカテゴリーの仕事を常に抱え、それを一定のサイクルで回していることに気づきました。気持ちよく働くカギは、この5つを偏りなく回せているかどうか、だなと。

1・人の相談に乗ること(コンサルティングなど)
2・実践から得た知恵を整理し、体系化すること(セミナーの制作や本の執筆)
3・人に話をすること(セミナーや養成塾)
4・ビジョンを策定し、プランに落とし込むこと(定期的な1人合宿やブレインとの面談)
5・人とお金のマネジメントに関すること(スタッフとの定例ミーティングや計画の見直し)

このカテゴリーの分け方は人それぞれですが、それを自覚して輪作のように一定時間毎にまわしていけば、バラエティに富んだ働き方を楽しめるのではないかと思います。

 

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2023年9月25日 (月)

Vol.293『ポジティブ転換の瞬発力を高めて、心を健康に保つ。』

もう1つ、小さな厄介事に対処するためのコツもある。厄介事が起こると、私の一部は瞬間的にネガティブに反応する。でもそこで、「この状況のポジティブな面は何だろう?」と考えることを学んだんだ。たとえば、「おや、渋滞で会議に遅れそうだ。でも私にとってのメリットは何だろう?しばらくの間のんびりして鳥を眺めていられる。退屈な会議で過ごす時間が減った」なんて考える。ほぼどんなときでも何かしらポジティブなことが見つかるよ。

ポジティブなことを思いつかなくても、こう言えばいい。

「宇宙がこれから何かを教えてくれる。耳を傾けて学ぼう」

ごく簡単な例を挙げよう。前に何かのイベントに出たとき、あとからメールの受信箱に写真が大量に送られてきた。すると、頭の中でケチをつける声が聞こえた。「おいおい、一番いい写真だけ選んで送れなかったのか?100枚も送ってくるなよ」。

でもすぐに、「このことのいい点は何だろう?」と考え直した。いい点は、好きな5枚を選べるということだ。自分の判断で。ここ1年このコツを練習してきたおかげで、前はポジティブな面を考えるのに2秒ほどかかっていたのが、今は脳がほぼ瞬時に反応する。

これは訓練で身につけられる習慣だよ。

 

(『シリコンバレー最重要思想家ナヴァル・ラヴィカント』
エリック・ジョーゲンソン 著
サンマーク出版 209頁より引用)

わたしが20から30代前半の頃に意識して鍛えたことの一つは、「一見、ネガティブに思える出来事に直面したら、ポジティブな側面を積極的に見つけること」でした。
例えば、家族の記念日にお店でイラッとくる対応を受けた場合は「ワニレポやセミナーでしゃべるネタができた」と考えるように。また、体調を崩して数日寝込んだ時は「周りも自分もゆっくり静養することを勧めてくれる機会はこの10年以上なかったんだから、ここは”立ち止まる”機会として心身の疲れをしっかり癒そう」というように。
このポジティブ転換はいつの間にか習慣になり、いつの間にか意識しなくなりました。習慣化すると、自動的にそれができてラクという良い面もあるのですが、ちょっと経験のない角度からネガティブな出来事があると、それが発動する前に気持ちがズーンと重くなることがありました。無意識にやっていたので、イレギュラーがあると発動しなかったのです。

その時に気づいたのは2つでした。1つは「ポジティブ転換を改めて意識してやる機会だな」ということ。もう1つは「過去に一番大変だった出来事を10点としたら、これは何点か?」という問いが効果的だということです。すると、「あの出来事に比べれば、6くらい。思いわずらう程ではないな」と思えます。
しかも経験を重ねる程に、過去の大変だった出来事が物差しの基準となり、たいていのことは「たいしたことではない」と気づき、心が軽くなります。ポジティブ転換の瞬発力を高めて心を健康に保つこと。しばらく意識して、暑い夏を乗り切りたいと思います。

 

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2023年8月25日 (金)

Vol.292『行動させる秘訣は、”必要な労力を最小化”すること。』

最小努力の法則がイノベーションに与える影響は極めて大きい。この法則によれば、人々が新しいアイデアや機会について検討するとき、最初に考えるのはそのアイデアがもたらすメリットでも価値でもない。いちばんの関心事は行動に要するコストだ。

映画、テレビ、音楽といった創造物の楽しみ方が時代とともにどのように変化してきたかを見てみよう。まずは音楽だ。私たちの親の世代は私たちよりも良い音楽−少なくとも音質という点では−を聴いていた。現在は、ほとんどの人がスマートフォンでストリーミング再生した音楽を安物のワイヤレス・イヤホンで聴く。この方法のほうが、かつての音楽プラットフォームよりはるかに簡単に音楽を聴くことができるからだ。スマートフォンを使えば、これまでに録音されたほぼすべての曲をすぐに聴くことができる。だが、この便利さは音質の犠牲の上に成り立っている。というのも、ファイル・サイズを小さくするために、どのストリーミング・サービスでも音声圧縮を使用しているからだ。そのため、アーティストがリスナーに聴かせたいと思った音楽の一部は文字どおり切り捨てられているのである。

 

(『「変化を嫌う人」を動かす』
ノレン・ノードグレン+デイヴィッド・ションタル 著
草思社 114頁より引用)

わたしがコンサルタントとして、クライアントや塾生の成果を願って、「◯◯をしましょう」と提案をした時に、行動してくれる場合とそうでない場合とがあります。

相手が行動すれば成果が出るので、コンサルタントとして貢献できた実感を味わい、行動しなければその逆となる。よって、コンサルタントは「どうすれば人が動いてくれるのか」を常に考える職業です。そこで陥りがちなのは「その行動をすればどんな良いことがあるか(逆に、その行動をしなければどんな悪いことがあるか)」を強調して説得することです。

例えば、ドンブリ経営で会社の数字を知らない社長に対して、「経営数字を見て納得の経営判断ができると、こんなに良いことがあります。だから決算書を読めるようになりましょう」と説得したとします。理屈で言えば、その方が失敗も防げるし、より安心して経営ができるとわかる。でも、動かない。なぜなら、その社長は「決算書を読めるようになるための労力が大き過ぎる(と思い込んでいる)から」です。

そこでわたしが考えたのは、「”お金のブロックパズル”という図解を使えば、経営数字におけるたった2割の知識で、8割以上の経営判断に対応できる」という切り口でした。

厳密に言えば多少の正確さは損なわれるけど、「社長が経営判断に使う目的であれば、そのほとんどをカバーできる」という効率さは、まさにスマホで音楽を聴くのと同じ効果があったように思います。完璧主義を目指すと、そもそも動かない。そうであれば、多少のレベルダウンは受け入れて、動いた方が成果は出る。新たな挑戦においては”脱★完璧主義”の発想が大切なんだ、と感じました。

 

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2023年7月25日 (火)

Vol.291『「無理、でもやりたい」ことは、分解して時間軸を伸ばす。』

心理療法家のM・スコット・ペックは、著書「愛すること、生きること」の中で、現実のペースに身を委ねることのすばらしさを語っている。彼によると忍耐とは、単に心の平穏をもたらすものではなく、実生活に役立つスキルである。37歳になるまで、ペックは自分のことを機械オンチだと思っていた。家電や自動車、自転車などの修理は、まったく意味のわからない難題に思えた。そんなある日、隣人が芝刈り機を修理しているところに出くわした。

「すごいですね」とペックは言った。「そんなものを修理するなんて、僕には絶対に無理ですよ」すると、隣人はこう答えた。「そりゃ、あんたが時間をかけてないからでしょう」その言葉は、ペックの心にもやもやと留まっていた。

数週間後、自動車のパーキングブレーキが壊れたとき、まず頭に浮かんだのがその言葉だった。「いつもなら、意味がわからないままワイヤーを2本ほど引っ張ってみて、『やっぱり無理だ!』と音を上げていたと思う」とペックは振り返る。でも今回は違った。

<中略>

たったそれだけの動作、指先で軽く押しただけで、問題は解決した。

私はついに機械を制覇したのだ!

 

(『限りある時間の使い方
オリバー・バークマン 著
幻冬舎 207頁より引用)

第一印象で、「これは自分には無理無理!」と思うことがあります。
例えばわたしで言えば、「社会人になりたてで、先輩の鮮やかなコンサルを目の当たりにした時」や「ランニングを習慣化する前に、フルマラソンに誘われた時」などです。
当時、「いったい、何がどうなれば、そんな動きができるのか?」さっぱりわかりませんでした。でも、今ならもう少し冷静に受け止められます。それは「物事を適切に分解して相応の時間をかけて取り組めば、大抵のことは不可能ではない」と知っているからです。

最近それを感じたのは、クイーンの名曲「ボヘミアン・ラプソディ」をウクレレ・ソロで弾くチャレンジです。着手は3年半前でした。ウクレレ自体は10年前から細~く長く続けていて、次の課題曲を選ぶ際に、映画の影響もあり、あの名曲を弾きたいと決めました。
ところがYoutubeでプロのウクレレ奏者の演奏を観ると、なぜそんな手の動きができるのか、さっぱりわかりません。6分超の長さで、転調も多く、曲としての難易度がかなり高い。その時点では「いつになったら、弾けるのか?(というか、本当に自分に弾けるのか?)」と半信半疑でした。しかし、それを細かく分解して、パート(部分)練習を重ねていきました。もちろん、一人ではサボることは明らかなので、月に3回のレッスンが健康的な強制力の場となっていたのも重要なポイントです。その結果、2年目に楽譜を見ずになんとか弾けるようになり、3年目には人前で披露する機会を活かしてアウトプットし、なんとか最後まで弾けるようになりました。ただ、5~6か所の難易度の高いパートはミスが多いので、これから半年かけて練習し、言い訳無しに人前で弾けるレベルを目指します。難しいと感じたことも、分解して時間軸を伸ばせば実現できる。継続は力、を実感しました。

 

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2023年6月25日 (日)

Vol.290『完璧主義ゆえのオーバースペックを予防するには?』

大切なのは、「見返りがある場所に、キミの資源を正しく投資すること」だ。さっきの話で言うと、「60点」のラーメンを「80点」にする作業には資源を投資した方がいい。
ラーメンの値段が「200円」も上がるから。言ってしまえば、これは「実りある努力」だ。
ただ、「97点」のラーメンを「98点」にする作業に、キミの限りある資源を投資するべきではない。そのプラス1点に「1000万円」や「1年」を費やしたところで、お客さんは「97点」と「98点」の違いが分からない。

<中略>

満足ラインを超えた技術(パフォーマンス)の名は「オーバースペック」と呼ぶ。
「オーバースペック」は自己満足であり、お客さんの満足度にはカウントされない。
もうとっくにお客さんの「満足ライン」を超えているのに、職人は(日本人は)自分の限りある資源を、「お客さんが判断できない技術(旨み)の向上」に投資してしまう。
なぜ、こんなおとが起きてしまうのだろう?

 

(『夢と金
西野亮廣  著
幻冬舎 105頁より引用)

お客さんの満足度を超えるオーバースペックを起こす理由は少なくとも3つあるな、とわたしは考えています。それは次の3つです。

1)「この程度か」と過小評価されることへの不安
2)ベストを尽くしたい、専門家として探究心や向上心、完璧主義
3)「それがお客さんの満足度にどうつながっているのか」のイメージ力不足

このうち1)と2)は感情が影響しているため、すぐに変えるのは難しいかもしれません。
ならば、まずは3)にフォーカスしてはどうでしょうか。「それがお客さんの満足度にどうつながっているのか?」をイメージすることは、工夫と努力でできるからです。

わたしのささやかな事例を紹介します。
毎年行う連続講座のテキストに、以前は表紙に何期生や西暦を入れたり、本文にもキャリアの年数などを入れていました。それを入れた理由は、その方が丁寧だと思ったし、より正確に表現しよう、という思いからでしょう。すると、翌年には「その数字を修正する業務」が発生します。つまり、わざわざ毎年発生する単純作業(=コスト)を自ら作り出していたのです。それに気づき、それらは全て外しましたが、講座のクオリティーには一切、影響ありませんでした。
今の自分の努力は、お客さんの満足度を上げるものか、それともオーバースペックなのか、一度検討してみてはどうでしょうか。

 

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