今月のワニレポ(今月の一冊から)

2018年4月25日 (水)

Vol.228『資質と環境でパフォーマンスが決まる。』

遺伝学の最近の研究では、「良い遺伝子」対「悪い遺伝子」というモデルが覆され、増強装置概念に近い説が導入されつつある。心理学者が差次感受性仮説(感受性差次仮説)と呼ぶもので、問題があるとされる遺伝子が、状況さえ異なれば素晴らしい遺伝子になりえるという考え方だ。一本のナイフで人も刺せれば、家族の食事も作れる。それと同じで、遺伝子の良し悪しも状況次第で変わるという考え方だ。

もっと具体的に話そう。たとえば大多数の人は、正常なドーパミン受容体遺伝子DRD4を持つが、一部の人は突然変異種のDRD4-7Rを持つ。これは、ADHD、アルコール依存症、暴力性と関連がある悪い遺伝子とされている。

しかし、社会心理学の研究者のアリエル・クナフォが子どもを対象に行った実験では、別の可能性が示された。クナフォは、どちらの遺伝子の子どもが、自分から進んでほかの子とキャンディを分け合うかを調査した。通常三歳児は、必要に迫られなければお菓子を諦めたりしない。ところが、キャンディを分け与える傾向がより強かったのは、なんと7R遺伝子を持つ子たちだったのだ。

(『残酷すぎる成功法則
エリック・パーカー 著
飛鳥新社 P.32より引用)

人の能力の良し悪しは、本来は画一的には決まるものではなく、その置かれている環境やタイミングなどによって、コロコロ変わるものだと思います。

最近のわたしの関心事の1つがこれで、「この資質を持つ人は、どんな環境に身をおけば最大限のパフォーマンスを発揮するのか?」という問いです。 かつて、こんなことがありました。

あるアットホームな雰囲気の製造業の会社に、独特な個性を持ち、異彩を放つ伊藤さん(仮名)という社員がいました。かつて小さいながらも会社を経営していたが倒産。その後、その会社に社員として入社した彼は、職場でのダメ出しが多くて、周りに煙たがられてしまいます。「それじゃダメだ!」「もっとこうすべきじゃないか」と改善案を思いついては、すぐに口に出すのですが、言い方がキツくて、特に女性スタッフから不満が噴出。

このような扱いにくい社員をクビにする会社も世の中にはありますが、そこの社長は違いました。伊藤さんの言っている中身は間違っていない。ただ、言い方がキツくて、周りにストレスを与えている点が問題でした。そこで、彼の配属を中国人が多い部署に移します。すると、日本語がよくわからない中国人スタッフにとっては、淡々としゃべる人よりも、表情や声のトーンで緊迫感が伝わる伊藤さんの表現の方がわかりやすい、ということで、仕事がスムーズに行ったのです。資質と環境でパフォーマンスが変わることを実感しました。


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2018年3月25日 (日)

Vol.227『自立性を促す理由とは?』

ビュートゾルフは、「患者がどうしたいのか?」を真剣に考えている。目的は、患者ができるだけ自分の面倒を自分で見られるようにすることだ。

<中略>

ビュートゾルフは、できる限り自分たちが実質的に「余計な存在になれる」よう努力している。「自分の使命を果たす」という職業(Vocation)の本来の意味がここに取り戻される。

<中略>

成果はめざましいものだった。同社が一顧客あたりに必要とした介護の時間はほかの介護組織よりも40%近く少ないことが、2009年にアーンスト・アンド・ヤングが実施した調査で明らかになった。

<中略>

ほかの組織の患者に比べると、ビュートゾルフの患者たちが介護を受ける時間はわずか半分でありながら、病気から早く治り、しっかりと自立するのだ。

(『ティール組織
フレデリック・ラルー 著
英治出版 P.108より引用)

自立性を促すと、その組織の利益は増える。そのことを、わたしは「答えを教えない」パートナー型コンサルティングをクライアントに提供する中で強く実感しています。

独立当時は、「コンサルタントは答えを教える存在でしょ?教えないって意味がわからない」なんて言われたりしました。ところが、今ではこのやり方の方が成果も出るし、コンサル報酬も高くなることがわたし以外の仲間たちも証明してくれています。

わたしがコンサルでやっていることは、「答えを教える」のではなく、質問や事例ストーリーを投げかけて「盲点に気づかせながら自ら考え続ける状況をつくる」こと。すると、縦軸には、1人では到達し得ない深さまで考え抜く力が、横軸には幅広い視点で物事を多面的にとらえる着眼点が身につく。その力が身につけば、コンサルタントと会う月に1日だけじゃなく、残りの29日にもその力は発揮されるので、クライアントの成果は最大化します。

では、「自立性を促すと、コンサルタントは必要なくなるのか?」と言うとそうでもないようです。なぜなら、月に1日の面談では、コンサルタントが壁打ちの壁役になることで、さらに1人では到達し得ない縦軸と横軸に考えをめぐらせることができて、さらなる高みを目指せる楽しさがあるからではないかと考えています。これからも、クライアントのみなさんに「会うのが楽しみだ」と思っていただけるよう、精進していきます。


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2018年2月25日 (日)

Vol.226『地位財と非地位財のバランスは?』

現在は絶版になっていますが、「目からウロコの幸福学」で紹介されていたのが、ロバート・フランクの「地位財」「非地位財」という考え方でした。

<中略>

●地位財=他人との比較優位によってはじめて価値の生まれるもの。
(例:所得、社会的地位、車、家など)

●非地位財=他人が何を持っているかどうかとは関係なく、それ自体に価値があり喜びを得ることができるもの。
(例:休暇、愛情、健康、自由、自主性、社会への帰属意識、良質な環境など)

フランクは、人がなぜ地位財を追求するかについて、「環境適応をめぐる進化の賜物だ」と説明しています(「目からウロコの幸福学」ダニエル・ネトル著)。われわれの祖先が子孫を残せるかどうかは絶対的な価値である「健康」ではなく、相対的な価値の「地位」に左右されてきました。つまり、自分にそれほど体力がなくても他者がそれより劣れば、食料も配偶者も得られるわけです。

(『幸せとお金の経済学
ロバート・H・フランク 著
フォレスト出版 P.5より引用)

この本を読んで、わたしは気がつきました。世の中の大半の人は「地位財」にフォーカスしている、と。そして本書のとびらに書かれていた「無意識のうちに参戦している不毛な競争的消費から脱出しないかぎり、私たちは誰一人幸せになれない」という1文は、とても言い得た表現だとも感じました。「地位財」重視な人と、「非地位財」重視な人の割合は、何対何くらいなのでしょうか?統計データはないので、あくまでわたしの感覚的な印象ですが、

●「地位財」重視な人:「非地位財」重視な人=9:1

くらい、圧倒的な割合で「地位財」重視な人が多い感じがします。

わたしのクライアントの1人に、「見栄と体裁にとらわれず、生活費における固定費を安易に増やさないようにしよう」と社員や仲間に呼びかける社長がいますが、彼は「非地位財」重視タイプでしょう。ところが、周りにいる人たちは「地位財」重視の人の方が圧倒的に多く、ストレスを感じているようにも見えます。わたしの印象としては、自分のやりたいことや、到達したいビジョンがハッキリしている人は、「非地位財」重視。そして彼らは、「どう見られるか起点」ではなく「やりたいこと起点」で必要なものを買うので、劣等感や優越感から解放されています。そしてお金の使い方も、納得した上で使うので、「後で後悔する買い物」はあまりないようです。

このような、お金の使い方と心理のつながりはとても興味深いテーマなので、引き続き探求していきたいと思います。


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2018年1月25日 (木)

Vol.225『リーダーが身軽になり、仕事の流れが早くなる方法。』

「チーフの皆さんへ。私への報告に関する新しい方針を決めたいと思います。これはほかのすべてのことより優先されています。お客様を喜ばせること。100ドル(8300円)以内で解決する問題ならば、あなたが判断し、解決すること。これは正式な許可であり、また、コストが100ドル以下で済むすべての問題は、私に報告しないで解決するようにという要求であります。私はあなた方の顧客ではありません。私に許可を求めることはありません。あなた方が正しいと思ったことをやってください。問題があったら、やりながら直していきましょう。ありがとう。 ティム」

<中略>

最初の月は、おそらく、細かく管理した場合よりも200ドル以上余計にかかったと思われる。その一方で、1か月で私は自分の時間を100時間以上節約でき、顧客はより早いサービスを受けられ、返品は3%以下になり(この業界の平均返品率は10~15%)、窓口担当者が私への説明に使う時間もかなり減った。そうしたすべてのことが、急速な成長、高収益、関係者全員の幸福をもたらした。人はあなたが思うよりも賢いものだ。

(『週4時間だけ働く
ティモシー・フェリス 著
青志社 P.169より引用)

個人で動くのではなく、チームで動くときに、意思決定の流れをデザインしておくことはとても重要です。トップの1人が判断してGOサインを出すまで、スタッフが待ち状態になっていると、当然スピードは下がるし、トップの負担は増える一方。1日が24時間に限られている以上、やがて限界が来ます。とは言え、社長からただ言葉で「自分で判断して決めなさい」と言われても、社員はどこまでをそうしていいのかわからず、結局は何も変わらない。その点、冒頭のように「金額を明示」して、「それがどんな意味や価値をもたらすのか」を言語化して伝えることで、ずいぶん動きやすくなるでしょう。

わたしにとっては、1年がかりで準備する日本キャッシュフローコーチ協会のMVPコンテストが、これに当てはまります。数十人の優秀なメンバーが関わってくれているのに、トップが逐一指示を出すシステムでは、あまりにもったいない。さすがに、初めて開催した2016年や、場所を後楽園ホールという大会場で初めて行った2017年など、「やってみて初めてわかることばかり」な最初のうちは力技でやらざるを得ないときもあるでしょう。

しかし、次の3回目はいよいよ力技から脱却して、「再現性のあるイベント」に昇華させるタイミング。だからこそ、先日は「各担当者がどんな工夫や実践をしたか」を紙にまとめて発表したプレゼンを動画収録した、マニュアル策定ミーティングも行いました。

そして、わたしは彼らの発表を聞いて、その能力の高さと情熱を再認識しました。そして、次の3回目はプレイングマネージャー的社長の立ち位置を実行委員長に譲り、自身は会社でいうところのオーナーに移行することを決意しました。2018年、「役割」と「決定権の範囲」を具体化して、新たな挑戦に臨みます。応援、よろしくお願いします!


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2017年12月25日 (月)

Vol.224『トラブル時に、早く平穏な心を取り戻すには?』

結局、この二つの避雷針は何を示しているかというと、からだに中心軸を作ると力みが抜けるということです。軸をはっきりと持つことで、その他の部分の無駄な力がどんどん抜けていく。自分の中に、丹田なり、垂直軸なり、足の裏なり、中心だと感じられるものを確立するととてもラクになります。

(『呼吸入門
齋藤孝 著
角川文庫 P.53より引用)

わたしが独立してしばらくは、うっかりミスや言葉足らずによるクレームなどで、後追いの仕事にバタバタすることがありました。しかし、そこから常に教訓を学び、再発防止策に落とし込む習慣が根付いたせいか、あわてるような出来事は徐々に少なくなり、ここ数年間は、せいぜい年に1回あるかないか、くらいに平穏な日々を過ごしていました。

ところがちょっと前に、1カ月の間にそれぞれ別の分野で5つも6つも心ざわめくことが連続してあり、これにはさすがに驚きました。今ではその理由も自分なりに消化できていて、状況はより良い方向に向かっているので良いのですが、その時期は動揺しました。

みなさんは、そんなときにどうしていますか?
わたしがそこでまず意識を向けることは、「呼吸」です。

緊急事態になると、思考が高速回転し始めて、慌てて動いたり、心がネガティブに振れて落ち込んだりしがちです。その流れをいったんストップし、心と身体を落ちつける。
それを実際にやる和仁流の具体策が、
「鼻でゆっくり深呼吸して、全身に気を巡らせ、意識を天に飛ばす」ことです。

この作業によって、目の前の状況から自分をいったん切り離し、負のスパイラルに陥らないようにします。そして、「この状況がどうなれば理想的か?」をイメージして、あとは必要なことを先送りせずに今すぐやる。そして、しばらくしたら、「あれは一体、どういう意味だったのか?」を自分なりに想像して、納得できる意味づけができたら、その一連のことを「失敗から学ぶダイアリー」にメモして、その出来事を忘れます。このように、常に立ち戻るところを決めていると、心の落ち込みを長く引きずらずに、平穏な状態に早く復帰できる。
このような、トラブル時に、早く平穏な心を取り戻す方法を持っておくと、慌てずに済むことを改めて実感しました。

ちなみに、しばらくしてからあの出来事は一体どういう意味だったのか、を考えてみました。それは、「次の新たなステージで活躍するための準備」だったのだと理解しています。
それが正しいのかどうか、これからの生活の中で楽しみに確認しようと思います。


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2017年11月25日 (土)

Vol.223『逆風を追い風にする発想とは?』

ヨットは風を利用して前に進んでいる。追い風の時はもちろん、向かい風であろうと、帆の傾け方次第で前に進むことができる。やっかいなのは「無風状態」の時で、この時ばかりはニッチもサッチもいかず、手漕ぎでエッサホイサしなくちゃいけない。大変な労力だ。

これを自分の人生や企画に置き換えてみた時に、ヨットというのは自分自身で、風は、その時の状況だ。追い風は「背が高い」「頭が良い」「運動神経が良い」「お金持ち」といった才能であり、向かい風は「背が低い」「頭が悪い」「運動音痴」「貧乏」とか・・・まあ、ザックリ言ってしまえば、「嫌なこと」だね。多くの人は、この「嫌なこと」を消そうとする。

理由は「だって嫌だから」。気持ちはすご〜く分かるんだけど、どっこい、ヨットの理論で考えると、その「嫌なこと」は向かい風で、やはりこれも前に進む力となる。感情に任せて「嫌なこと」を消した先に何が待っているかというと、「無風状態」で、実は、その状態が一番やっかいだ。何の後押しもなく、手漕ぎでエッサホイサといかないといけなくなるから。

(『魔法のコンパス
西野亮廣 著
主婦と生活社 P.59より引用)

先日、新刊「コンサルタントの経営数字の教科書」を出版したときのことです。

この本はAmazonで購入してくださる人が多く、発売直後から読者のレビュー(感想文)がAmazonの購入サイトに投稿されました。そして数日後、編集者から「和仁さん、否定的なコメントがついていますよ」と連絡が入り、さっそくチェック。すると、税務の専門家らしき人から「本書に書かれていることが不適切である」ことがつづられていました。

よく読むと、その人の頭の中で勝手に前提条件を設定し、それを元にした論理展開がなされていました。それだけなら放置しておいてもいいのですが、それがきっかけとなって、Amazonランキングも徐々に低下しつつある、とのこと。

わたしとしては、本書の考え方をよく理解する塾生たちにAmazonレビューをお願いするのも一案でしたが、情報操作みたいなことはしたくありません。しかし、放置しておくと、せっかく1年越しで書き続けてきた本書が、間違った認識で過小評価されてしまう。

そんな話を仲間としていたときに、その中の1人が何気なくこうつぶやきました。

「この否定的なレビューをした人のコメントは、ある角度から見れば一理あるのかも知れない。でも、そもそも本書が伝えたい論旨からズレたところで論理展開しているのが気になります。こんなに中身が濃くて成果の出るノウハウを大公開しているのだから、本書の論旨を正しく伝えたいですよね」 この一言がきっかけで、わたしの本心が言語化できました。つまり、「これから本書を手にする人に本書の論旨を正しく知っていただくため、率直な感想をfacebookやブログなどに広く投稿してもらおう」と。漠然と「本書を紹介してね」と言うよりも、上記のように依頼した方が、受け手も共感し、協力しやすいのではないでしょうか。否定的な意見を活かして肯定的な考えが見つかることを再認識しました。


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2017年10月25日 (水)

Vol.222『面倒な仕事をやっておくことの意味とは?』

今までみてきたように、少しだけの間は、大きなリスクを背負ったり、またきつい仕事をしながら生活する必要があるだろう。これにより、多くのことを勉強し、会社というものを知り、ビジネスの仕組みを学び、また人の気持ちがわかるようになる。

これはとても大切なことである。大きなお金を稼ぎながらも、人間性を失ってはならない。
人にいろいろなことをやってもらうとき、心からの感謝ができるのは、自分も同じような経験をしているからである。だから働く間、辛いことを含めて大きく楽しもう。
同僚と一生涯続くような良い関係も築こう。

(『寝ながら稼ぐ
ジェームス・スキナー 著
KADOKAWA P.50より引用)

自分がやってきたからこそ、わかること、共感できることってありますね。
独立前のわたしは営業マンとして、社長を集めて飲み会の幹事を担当して交流の場をつくってきました。幹事をやったことがある人はわかると思いますが、結構手間がかかります。

まず、会場選びに悩みます。10人以上の会になると、個室であって欲しいし、ドリンクは飲み放題がいい。料理も「甲殻類は苦手」とか「肉はNG」なんて人がいると、選択肢が極端に少なくなります。そして、なんとかお店が決まってメンバーに参加を呼びかけても、すぐには参加表明の返事をしてくれなかったりもします。また、参加者がドタキャンで欠席になったり。連携がうまくいかずお店からキャンセル代を請求されました。それを本人に請求できずに、自腹で払ったりしたこともありました。ドタキャンした人は「お店がキャンセル対応してくれたんだろう」と思っていたのでしょう。「キャンセル代、支払うので言ってください」という申し出はありませんでした。わたしもその人に請求すれば良かったのですが、「まあ、また次に来てくれればいいか」と思い、妙な遠慮があったんですね。

このような体験を通して、わたしは「どこまでみんなの要望を受け入れるか?」「先に伝えておくことでスムーズにいくことは何か?」「そもそもどんな人に参加してほしいのか?」
などを考えるようになりました。

この当時の幹事体験が、実は今、日本キャッシュフローコーチ協会の運営にものすごく生きています。協会では10数個のプロジェクトが同時並行で動いていて、それぞれのリーダーがメンバーをまとめてくれています。メンバーは社員ではないので、強制力のない中でまとめていく必要があります。その負荷がありありとイメージできるので、「代表理事としてわたしがどうリーダー達をサポートしてあげればいいか?」がわかるし、何より心から感謝できるのです。小さな規模で面倒な仕事をやっておくことは、後で大きな規模のやりがいのある仕事を任されたときの仕込みになることを実感しました。


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2017年9月25日 (月)

Vol.221『知識を得ること以外の、本を読む価値とは?』

人々の能力をはぐくむことを大切に考えるなら、日々の仕事のなかで成長を目指す活動に、メンバー全員がどっぷり浸かれるような組織文化を設計しよう。

そして、組織から切り離された特別なプログラムを実施するのではなく、組織そのものを能力開発の場にしよう。また、個人の発達を組織の大目標と位置づけよう。つまり、組織文化がほかのビジネス上の目標(収益性や品質など)を後押ししているかだけでなく、文化が人々の成長を-メンバーがみずからの限界と死角を克服し、複雑さを増す仕事に対する習熟度を高めることを-後押しできているかを問い、それを目指そう。

<中略>

さらに、安心感をもてる環境をつくり、人々が自分の弱さを見せることを許し、それを促そう。それにより同僚同士が弱点の克服を支援し合うようにすることが目的だ。そしてもう1つ、メンバーのエネルギーすべてが組織のミッションの達成に注がれるようにしよう。

(『なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか
ロバート・キーガン&リサ・ラスコウ・レイヒー 著 中土井僚 監訳
英治出版 P.20より引用)

本書は、わたしが日本キャッシュフローコーチ協会で取り組んでいることを裏付けされている気がして、1ページ読むたびに赤ペンのメモを書き込むため、なかなか読み進めることができない良書です。たとえば、上記のくだりについて、2つ、次のようにひも付きました。

1)人々の能力をはぐくむことを大切に考えるなら、日々の仕事のなかで成長を目指す活動に、メンバー全員がどっぷり浸かれるような組織文化を設計しよう。

⇒「安心安全ポジティブな場づくり」「自立性と主体性」「アウトプットが先・インプットが後」「1アクション3ゴール」など独自の共通言語を実践し、組織文化になりつつある。

2)組織から切り離された特別なプログラムを実施するのではなく、組織そのものを能力開発の場にしよう。

⇒協会の中に様々なプロジェクトがあり、その役割を果たすことを通して、「上手な仲間への依頼の仕方」「人が動きたくなるレター作成力」「アクションプランの作成と進捗管理スキル」「クイックレスポンス力」が高まり、それがそのまま本業にも活かされる。

本を読むことの価値は、単に知識を学ぶことだけではありません。今すでに自分がやっていることの正当性を裏付けるネタを得たり、考えを体系化する着眼点を得て、仲間に伝えやすくすることにもあります。

本書をさらに読み進めて、仲間にわたしの思いや狙いを伝える一助にしたいと思います。


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2017年8月25日 (金)

Vol.220『100歳生きるとしたら、どんな人生をつくるのか?』

人生70年なら一生涯は61万3000時間だが、人生100年なら一生涯は87年6000時間になる。この膨大な時間をどのように使うのか?その時間になにをするのか?

ウィークデイと週末の区分け、夏や冬の休暇、祝日や休日、そして3ステージの人生モデルなど、時間の組み立て方と順序は、基本的にその時代の社会の産物だ。長寿社会になれば、それが変わり、新しい時間の概念が生まれるだろう。

<中略>

よい人生を送りたければ、よく考えて計画を立て、金銭的要素と非金銭的要素、経済的要素と心理的要素、理想的要素と感情的要素のバランスを取ることが必要とされる。100年ライフでは、お金の問題に適切に対処することが不可欠だが、お金が最も重要な資源だと誤解してはならない。家族、友人関係、精神の健康、幸福などもきわめて重要な要素とされる。

(『LIFE SHIFT100年時代の人生戦略 リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット 著
東洋経済新報社 P.22より引用)

平均寿命が年々長期化し、健康寿命を引き上げることに注目される中、いま現役バリバリの ビジネスパーソンは、何歳まで仕事をするのが一般的になるのでしょうか?

わたしも、今後何歳まで仕事をしたいのか、時々思いを巡らせます。そしてこれは医療の発展など外部環境の要素も大きいため、自分のリタイアの時期はまだ決めてはいません。

ただ、今の感覚として、仕事とプライベート(趣味や旅行など)の時間配分として想定していることをお伝えしますので、みなさんが生涯設計を考えるきっかけになれば幸いです。

45歳の今、仕事:プライベートの比率は9:1です。気力も体力も最も充実しているタイミングなので、この比率には自分的にも納得感があります。

これを10歳刻みで考えていくとこうなります。
仕事:プライベートの比率は、55歳で8:2、65歳で7:3、75歳で6:4、80歳で5:5という具合です。

要するに「生涯現役」を目指します。ただ、その仕事の「質」と「量」は歳を重ねるごとに、変えていきますけどね。

今、わたしの仕事には大きく2種類あります。1つは、個別コンサルやセミナー、講演、執筆などのコンサルティング。もう1つは、日本キャッシュフローコーチ協会の代表理事としてのコミュニティの舵取りです。後者はある年齢に達したときに引退し、後任に継承します。ただ、前者はプレイヤーとして世の中に価値を生み出し続けられる限り、生涯現役でいきます。その一方で、プライベートを楽しむためには、気力充実の55歳までに新たな趣味の候補を数多く体験しておきたい。そうやって種を巻いておけば、アンテナが立ち、余暇の時間が増えたときに、いつでも再開できるからです。今から100年人生をどう彩るか、イメージしておきたいと思います。

 


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2017年7月25日 (火)

Vol.219『他者の力を借りて、より大きな仕事をするには?』

私の言う新しい考え方とは、協力を求め、他者のリソースを投資してもらうことにより、ビジネスを最適化するということです。他者をプロセスに招き入れることこそ、会社の利益、資産価値、達成感、喜び、そして自由を最大化する早道なのです。あなたはもう十分身を粉にして働いています。

その働きという投資に見合う最適のリターンを得ないでどうするのでしょう?

何か小さなことを、きちんとしたいなら、自分でやりなさい。 何かを成し遂げて世の中に大きなインパクトを与えたいなら、 権限移譲することを学びなさい。

- ジョン・C・マックスウェル

(『マネー・コネクション ジェイ・エイブラハム 著
角川書店 P.220より引用)

コンサルタントのような専門職が、個人技でやれるレベルを超えて、大きく影響力を発揮したい場合、いかに他者の力を借りて協業するか、がカギとなります。

わたしは元々、完璧主義的なところがあり、本の執筆にせよセミナーや講座の制作にせよ、納得がいくまで突き詰めていく傾向があります。顧客に最大の価値を届けるべく商品のレベルを高めることなので、それはそれでアリなのでしょう。

ところが、仲間に仕事を任せる場面では、この完璧主義が壁になります。そのことを最も考え抜いている自分の期待レベルに至らないことがストレスになり、結局自分で抱え込んでしまうからです。それは、その人の力量が劣るから、という理由だけではありません。

逆に依頼者よりも能力が高い人であっても、依頼の仕方が下手で意図やゴールを共有できていないと、遅々として進まないことがあります。そのような経験を数多くしたわたしは、今チームで仕事をするとき、意識していることが3つあります。これを意識し始めてから、他者の力を借りるのが以前よりずいぶんスムーズになった感じがします。それは次の3つです。

①それをやる意味づけやゴール、やり方を丁寧に伝える
脱★完璧主義の発想でやる
③チームで取り組むプロセス自体に「関わる者同士の関係性構築」の意味を持たせる

とりわけ、最近わたしが意識しているのは③です。日本キャッシュフローコーチ協会で各種プロジェクトが立ちあがり、協同作業で進めることが増えてきました。そんな今、そのプロセスでメンバー同士が対話を重ね、協力し合う体験。それ自体に、このコミュニティの一体感や安心安全ポジティブな場の雰囲気を醸成する意味があります。このように、その仕事の成果物だけでなく、プロセスにも価値があることに気がつくと、脱★完璧主義にもなれます。 どこにフォーカスするかで、捉え方が変わり、行動や成果が変わることを実感します。


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