Vol.293『脱★完璧主義のコツは、3段階のゴール設定。』
人は「目標達成できない」と悟った時に、一気に気力が萎えてしまい、本来の実力すら発揮できずに終わることがあります。例えばマラソンでサブ4(4時間切り)を目指していたランナーが、30km経過地点で3時間を越えてしまい、「あと10km以上あるのに、この疲労度とダメージからすると、1時間未満でゴールするのは不可能だ」と知った瞬間に、モチベーションが激減して気力がプツッと切れて、完走すらできなくなってしまうように。
わたしも初めてフルマラソンにトライした時、まさにその状況に陥りかけました。しかし、コーチから事前に「3段階のゴールを用意しておきましょう」とアドバイスを受けていたおかげで、それを乗り切ることができました。3段階のゴールとは、「100点満点のゴールは”サブ4”、80点のゴールは”サブ5”、そして70点のゴールは”完走”」というものです。それを予め決めていたため、「サブ4が無理」と知った30km地点で、ゴールをサブ5に切り替え、ペース配分を軌道修正してギリギリ4時間59分でフィニッシュしました。冷静に考えれば、「初めてのフルマラソンで完走」でも決して悪くはないし、ましてや「5時間以内で完走」は十分に良い結果です。ところが、チャレンジの渦中にいると冷静さを失い、「ゼロか100か」思考になりがちなのが、完璧主義の落とし穴です。
わたしはその体験から、「3段階のゴール設定を予め用意して、ギアチェンジする柔軟性を持つ」ことの大切さを学びました。「ゼロか100か」の硬直化した発想ではなく、ゼロよりは50、70、80のほうがいい。これを「脱★完璧主義」という表現で仲間に伝えています。この発想をどのように応用するかを紹介しましょう。
日頃はオンラインでやりとりしているMVPコンテスト実行委員会で、リアル・ミーティングをする際の例です。今年はこれまで交流のないメンバーで構成されています。そこで、100点満点は「イベントが盛り上がり、満員御礼になるアイデアを生むこと」、80点は「決めたい議題をすべて決めること」、70点は「メンバーの以後のホウレンソウがスムーズになるよう、仲良くなること」というように、段階的なゴールを決めました。つまり、70点ゴールは確実に到達する。そして80点ゴールも狙いつつ、肩の力を抜いて100点満点を目指す、というものです。このように、段階的なゴール設定をしておくと、リラックスしてプロセスも楽しみながら取り組めるので、結果としてパフォーマンスが最大化するようです。
3段階のゴール設定による、脱★完璧主義の実践、お勧めします。
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