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2022年11月25日 (金)

Vol.283『もっとわがままにノーと言う。』

TEDの人気スピーカー、デレク・シヴァーズ。彼は自身のブログで、「もっとわがままにノーを言おう」と主張している。中途半端なイエスをやめて、「絶対やりたい!」か「やらない」の二択にしようと言うのだ。そのためのコツは、基準をとことん厳しくすること。
「やろうかな」程度のことなら却下する。「イエス」と言うのは、絶対やるしかないと確信したときだけだ。ある経営者は、ツイッターでこう言った。
「絶対にイエスだと言いきれないなら、それはすなわちノーである」
まさにエッセンシャル思考らしい発言だ。選択肢を検討するときには、つねにこの基準で考えたほうがいい。

<中略>

第1章で紹介した、クローゼットの話を思い出してほしい。
「いつか着るかもしれない」というゆるい基準を使っていたら、クローゼットはめったに着ない服でいっぱいになってしまう。これを「この服が本当に大好きか?」という基準に変えると、中途半端な服が消えるので、もっといい服を入れるスペースが生まれる。
同じことは、あらゆる決断に当てはまる。どうでもいいことを捨てられずにいると、本当に重要なことをする余裕がなくなってしまうのだ。

 

(『エッセンシャル思考
グレッグ・マキューン 著
かんき出版 132頁より引用)

知人のコンサルタントから、「自分が所属しているコミュニティの知人から相談を持ちかけられ、好意で(無料で)対応していたら、どんどん依存されるようになり困っています」という話を聞きました。専門知識を商品にしているコンサルタントにタダでアドバイスを求めるのは、飲食店で無銭飲食するのと同じようなことなのですが、形がないサービスを扱っている以上はやむを得ない面もあるのでしょう。
見ず知らずの人からの問い合わせなら無視できても、「所属するコミュニティ内で人間関係をこじらせたくない思い」や、元々の「困っている人を放っておけない性格」などが重なり、好意で対応しているうちに、相手の依存度がエスカレートするケースはよく見聞きします。
このような時、どうすれば良いのでしょうか?

ここで思い出しておきたいことは、大前提として「こちらには相手の依頼や相談を受ける権利もあるし、受けない権利もある」ということです。とりわけコンサルタントやカウンセラーは「人の相談に乗るのが仕事」という職種柄、「相談を持ちかけられたら、応えなければならない」との思い込みを持ちがちです。それが家族や大切な友人ならまだしも、そこまで関係性が深くない人からの相談に、忙しい中、自分の睡眠時間を割いてまで、対応する必要が本当にあるのでしょうか。もっと、わがままにノーと言っても良いのではないでしょうか。ただ、無闇に敵を作る必要はないので、伝え方の工夫はあって良いと思います。
人から相談を持ちかけられて迷った時は、まず「イエスかノーか」を決める。次に「それをどう伝えるか」を考える。この順番にしておくと、自分に正直に対応しやすくなります。
本当に大切なことのために、自分の時間を大切に扱いたいものです。

 

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