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2022年10月25日 (火)

Vol.282『スキル習得のコツは、最小限の知識で即実践すること。』

インナー・ゲームを開発した初期の段階で一番驚いたのは、あるたった1つのレッスンを指示すると、生徒のテニスが急に上達したことだった。その指示は「あなたが『知っている』べきボールの打ち方を全部忘れて、ただ無心にボールを打ってごらんなさい」というものだった。もとより、本当に知っていることは忘れようがない。知っているつもり、つまり頭で覚えているすべてのことを追い出してしまうと、自然で軽やかな動きが現れてくる。けれど、インナー・ゲームはたった1つのレッスンでは勝ち取れない。我々の内側の敵ははるかに巧妙で、我々の心の中に堅固な要塞を築き、容易には王位を譲ろうとしない。

<中略>

テニスのエラーは、メカニカルな技術知識が欠けているために起こるのではなく、プレーヤーの心の内側に原因がある、自己不信や、不安や、集中力の欠如が主たる原因なのだと確信するようになった。それを基に、私は内から外への指導法、つまり生徒のすべての外側の症状を、内側の、メンタルな障害を取り除くことで矯正する手法を取り、非常な効果を上げることが出来た。

 

(『新インナーゴルフ
W.T.ガルウェイ 著
日刊スポーツ出版社 25頁より引用)

本書は元々、知人(ゴルフのレッスンコーチ)から感銘を受けた1冊として紹介されました。
ゴルフをやらないわたしがその本に興味を持ち読んだ理由は、その中心的メッセージが、わたしが提唱するパートナー型コンサルティングと共通すると感じたからです。

わたしがコンサル・メソッドを塾生さんに伝えた時に、成果を出すタイミングには個人差があります。早い人は、6ヶ月間の塾が始まって1ヶ月も経たないうちに「脱★完璧主義」で実践し、成果を出し始めます。ところが成果の出るタイミングが遅い人は、現場で実践する前に入念にインプットを繰り返します。時には、わたしの塾で学ぶ他に「もっと補完する必要がある」と思い込んで他のコーチング講座でも学び、知識のトッピングを積み重ねます。
知識量だけで言えば、前者より後者の方が多いのですが、成果を出すのは決まって前者です。

これは一体、なぜでしょうか?
それは、後者(インプット過多)の人は、インプットを増やすことで「型通りに正確にやる」ことにフォーカスが向かってしまうからです。一方で前者(アウトプット優先)の人は「顧客のお困りごとを解決する」ことにフォーカスが向かっています。そのスタンスは、どちらも相手に伝わります。自分がその顧客だったら、どちらが嬉しいかは言うまでもありません。「スキルを磨くことにフォーカスしているコンサルタント」よりも、「親身になって、自分のお困りごとをいかに解決するかにフォーカスしてくれるコンサルタント」の方が、腹を割って話そうという気になることでしょう。
スキル習得のコツは、最小限の知識で即実践すること。
知識を入れすぎるとかえって遠回りすることがある。気をつけたいことです。

 

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