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2022年6月25日 (土)

Vol.278『失敗や残念な気持ちを、速やかにポジティブに転換する方法。』

誰かに故のない(と少なくとも僕には思える)非難を受けたとき、あるいは当然受け入れてもらえると期待していた誰かに受け入れてもらえなかったようなとき、僕はいつもより少しだけ長い距離を走ることにしている。いつもより長い距離を走ることによって、そのぶん自分を肉体的に消耗させる。そして自分が能力的に限りのある、弱い人間だということをあらためて認識する。いちばん底の部分でフィジカルに認識する。そしていつもより長い距離を走ったぶん、結果的には自分の肉体を、ほんのわずかではあるけれど強化したことになる。腹が立ったらそのぶん自分にあたればいい。悔しい思いをしたらそのぶん自分を磨けばいい。そう考えて生きてきた。黙って呑み込めるものは、そっくりそのまま自分の中に呑み込み、それを(できるだけ姿かたちを大きく変えて)小説という容物の中に、物語の一部として放出するようにつとめてきた。

 

(『走ることについて語るときに僕の語ること
村上春樹 著
文春文庫 39頁より引用)

悔しいことや残念なこと、腹立たしいことに直面したり、誰かを傷つけて悔やんだ時に、どうやって気持ちの切り替えをするか?これは重要な課題だと思います。
前述の著者の村上さんは、その出来事や感情を物語に落とし込み、小説で表現することで自分の中に溜め込むことなく発散し、消化できるようで、この話、とてもわかる気がします。わたしも悔しいことや残念なこと、腹が立ったり悔やんだことは「転んでもタダでは起きない!」の精神で、自分のアウトプット先に落とし込むようにしてきました。
具体的には、コンサルティングや養成塾、セミナーやメルマガ、本の中で扱う事例ストーリーに形を変えて投入します。すると、インプット時は自分にとってネガティブな出来事だったとしても、やがて他者の役に立つアウトプットに変わる。経験した数と質がそのまま自分の資産価値となり、世の中に生かされる。つまりネガティブな感情がポジティブな形に転換されて自分に返ってくる循環になるのです。

例えば以前、ある案件でわたしの情報伝達のミスによって人に不快な思いをさせたことがありました。相手の方は自分に声をかけてもらえなかったと言う寂しさや怒り、そして業務上の不要な手間をかけさせてしまうなどのことがありました。わたしとしても、平常時なら起こさないミスだっただけに、なぜそのようなことが起きたのか、そして再発しないためにどうすれば良いかを考えました。「何を、誰に、どの順番で伝えるのがベストだったのか」を書き記すことで、同じミスを二度としないこと、そして同様のミスをわたしの周りの人たちがしないように、これを事例ストーリーとして語れるようにすることで、その出来事が今後の教訓として生かされます。迷惑をかけたのなら、まずその相手にお詫びをする。その上で、再発防止策を言語化して、そこからの学びや事例ストーリーを活かすアウトプット先はどこか、までを一筆書きにする。それが健康な気持ちを早く取り戻す秘訣です。

 

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