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2022年2月10日 (木)

Vol.274『安心安全ポジティブと厳しい指摘は両立するか?』

我々キャッシュフローコーチが提唱する、コミュニティを健康的に発展させる大切な概念に「安心安全ポジティブな場づくり(=AAP)」があります。これを会議のファシリテーター(司会者)が意識し過ぎて、本人も周りも違和感を感じた事例を紹介します。

ある会社の会議でのこと。ファシリテーターである事業部長は、社員の知識不足によるマト外れな発言があっても、否定せず「そういう考えもあるよね」的に場の雰囲気を壊さないように話を進めました。そして会議後に、他の社員から「明らかに間違っているのに、なぜもう少し厳しく注意しないんですか」と言われたとのこと。確かに「場の雰囲気とは違う発言や明らかに誤った発言があった場合には、厳しく注意した方が(役員という立場的なことも含め)場の空気が締まって良い」との見方もできる。「こんな時、どう考えれば良いか」と相談を受けた時の和仁の答えを共有します。ポイントは二つ。

一つはファシリテーターの立ち位置が「当事者(社内の人)」か「第三者(社外のコンサル)」かによって、対応の表現方法は少し異なります。ちなみに今回のケースは当事者で、その時に留意したいのは、遠慮して踏み込まない行為は、「遠慮からくる逃げ」と周りに映ることで、それを踏まえた表現方法が必要になります。

二つ目は、当事者であれ第三者であれ、明らかに間違った(見当違いな)発言があった時に、わたしが行うことは、その発言そのものの正誤のジャッジの前に、「そう発言した背景や理由を尋ねる」ことです。それによって、わざわざこちらがダメ出しするまでもなく、その場の力で不適切な答えは却下され、適切な答えがあぶり出されるからです。例をあげると、

  • それは「◯◯の知識不足」から出た答えだね→前提が違う→今回は却下
  • それは「過剰な不安」から出た答えだね→冷静に考えればそのリスクは低い→今回は却下
  • それは「短期的なメリット」優先の答えだね→長期的にはデメリットが大きい→今回は却下

というように、なぜその答えは却下されるのか、を本人にも周りにも共有するプロセスを丁寧に進めていくことは、決してAAPを壊すことにはならないと思います。意見を交わすことなく穏便に済ませることは、AAPではなく、単なる「遠慮からくる逃げ」です。質の高いAAPは、「なぜ、その考えを至ったのかをきちんと言語化して共有し、周りもそれに耳を傾けること」という姿勢によってもたらされます。そんなことを意識して会議のファシリテーターに臨むと、また違った景色が見えるのではないでしょうか。

 

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