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2021年5月25日 (火)

Vol.265『大量の失敗体験に希望を奪われるのを避けるには?』

人はなぜ選ぶ力を手放してしまうのか。

<中略>

セリグマンとマイヤーは、犬を3つのグループに分けた。最初のグループの犬たちは、逃げられないようにつながれた状態で、電気ショックを与えられた。ただし、あるパネルを踏むと電気ショックが止まるようになっていた。2つめのグループの犬たちにも同じように電気ショックが与えられたが、パネルを踏んでも電気ショックを止めることはできないようになっていた。3つめのグループの犬たちはつながれているだけで、電気ショックは与えられなかった。

さて、肝心なのはそのあとだ。セリグマンとマイヤーは、3つのグループの犬たちをある小部屋に連れてきた。小部屋は低い障壁で2つに仕切られ、一方の床だけ電気ショックが発生するようになっていた。低い障壁を飛び越せば、電気ショックから逃れられる。もともと電気ショックを与えられなかったグループと、電気ショックを止めるパネルがあったグループの犬たちは、すぐに壁を飛び越えて部屋の反対側に逃げることを覚えた。

ところが、電気ショックを止める方法がなかったグループの犬たちは、壁を飛び越えようとしなかった。電気ショックから逃れる方法を、探そうともしなかったのだ。なぜか?なすすべもなく電気ショックを受けていた犬たちは、そこから逃れるという選択肢があることを忘れていた。それまでの経験によって、どうしようもない無力感を身につけてしまったのだ。

 

(『エッセンシャル思考
グレッグ・マキューン 著
かんき出版 54頁より引用)

人は、たとえ目の前の状況が大変でも、その道の先に希望があれば耐えることができます。ところが、「自分には無理。何をやっても無駄だ」と結論づけた途端、希望は無くなり、モチベーションを失ってしまいます。これは人材育成にも当てはまる大切な点で、その人の許容範囲を超えて失敗し続けると「自分には無理。何をやっても無駄だ」と結論づけ、動きが止まってしまうことがある。この時、上司として留意したい点が2つ。1つは「この人は何回の失敗で諦める人か」をつかんでおくこと。もう1つは「(どんなに要領が悪い人でも)何回以上トライすれば成果ができるか」を知り、予め伝えておくことです。

わたしの養成塾の事例を紹介しましょう。「お困りごとリサーチ」という作戦を塾生に授けます。これを一定量トライすることで、新規の契約を獲得できるのですが、元々コミュニケーション力が高い人なら5~10人にトライすれば、1件は契約が決まります。
ところが、コミュニケーション力に自信がない人は20人にトライしてもいっこうに決まる気配がありません。すると、同期が次々と契約獲得しているのを傍目に、自分は成果が出ない現実に自信を失い、大量の失敗体験に希望を奪われ、行動しなくなります。ところがある時から次のことを伝えたら、多くの人があきらめずに挑戦し続けるようになりました。
「要領が良い人は5~10人、一般的な人で30人、どんなに要領が悪い人も量稽古で習熟効果が高まるので50人にトライすれば必ず契約が決まります」
基準を提示することで、人は希望を持てる。そのことを、わたしは強く実感しました。

 

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