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2021年4月25日 (日)

Vol.264『大切な決断は着眼点を網羅してリーダー1人で決める。』

いったいどうすれば、売れる商品を作れるのか?おそらく、多くの商品開発者が悩んでいる問題ではないかと思う。実は、この時に、担当者が陥ってしまいがちな勘違いが1つある。それは、みんなの意見を持ち寄れば、より良い商品、売れる商品ができるのではないかという考え方だ。みんなの意見を持ち寄れば、より良い商品、売れる商品ができる。はたして本当だろうか?僕が数多くの本を作る中で得た教訓。それは、「みんなの意見を集めて作った商品は、結果として、誰も欲しがらない商品になってしまう」ということだ。どういうことか説明しよう。

<中略>

僕が所属していた会社の場合、編集部と営業部の計6名で話し合い、それらを決定するプロセスを採用していたが、6人の感性が一致することはほとんどない。仮に5人が一致しても、残り1人が「このメッセージはどこかピンと来ない」とか「ここの配色が気に入らない」などと言うたびに、修正を加えていくことになる。

こうした過程で、いくつかの問題が起こる。最大の問題点は、修正を加えていくたびに、元々の企画コンセプトとは異なる本が出来上がってしまうことだ。

 

(『常識の1ミリ先を考える。
長倉顕太 著
横浜タイガ出版 103頁より引用)

独立系コンサルタントとして、自分一人ですべてを決めて動いていた頃と違って、ここ数年は日本キャッシュフローコーチ協会の仲間たちと相談しながら決めるプロセスが増えてきました。その中でも例年、後楽園ホールに500人以上を集めて行うMVPコンテストは30人の実行委員メンバーと1年越しで話し合いを重ねて準備をして本番を迎えています。

従来、その運営については実行委員の判断に任せて進めてきました。が、2020年と2021年のコロナ禍における開催の有無はさすがに悩みました。自分たちの能力や努力とは関係のないところで、外部環境によって判断基準が毎週のように変化する。会えるのか否か、移動できるのか否か、集めて良いのか否か、その答えが週単位で違ってくる。

そんな中で「根本的な運営スタンスを実行委員メンバーの多数決で決める」のは何か違う、とわたしは考えました。そこで2020年は実行委員長とメンバーの意見を一通り聞いた上で、最後は主催責任者のわたしが「MVPコンテストはやらずに、オンラインによる特別イベントを行う」と決めました。20年以上続けると宣言していた手前、苦渋の決断でした。

そして2021年はやはりコロナ禍の影響がしばらく続くことを理解した上で「後楽園ホールでのMVPコンテストを復活させる」と決めました。経済的・非経済的リスクも承知の上です。これは、見方によっては和仁が独断で決めたように見えるかも知れません。議論の中には決定事項と異なる意見もありました。では、それらの意見は無意味だったのか?いえ、大いに意味があります。なぜなら、最終的な決断をする前に、わたし一人では気がつかない着眼点を多面的に得られ、それによって納得の決断ができたからです。大切な決断は最終決定者が1人で決める。ただし、そのプロセスで多面的な着眼点を集めて、盲点を未然に防ぐ。そうして、決断した責任感というプレッシャーを利用して、後で「あの決断は正しかった」と言われるよう、全力で考え動く。それが、納得の結果をもたらす決め方だと考えています。

 

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