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2020年7月25日 (土)

Vol.255『望む成果を出したければ、出口からの逆算で入口を決める。』

入口系というのは、外部から入ってくる基礎的な情報をどのように仕分けするか、識別するかという話だ。対象は音声であり、画像であり、言葉といったものだ。異常検出系などは基本的にここに含まれる。出口系というのはヘルスケア、住宅、教育、金融などといった実際の産業での用途、もしくはその構成要素としての調達、製造、マーケティング、人事といった機能側の話だ。

確かに1章で触れた通り不連続的なAIの発展が今起きていることは事実ではあるが、現在の変化は、ほとんどが入口側のテクノロジーの変化である。実際に僕らの身の回りでデータ×AI化している部分は、もともと取り扱う対象がデジタル情報であるデジタルマーケティング分野か決済領域に集中している。

ただ、産業は、それが生み出す付加価値から見てわかるとおり、9割方出口側に存在している。ここが一気にデジタル化、スマート化しようとしているのが我々の置かれている局面だ。応用のフェーズはこれから始まる。

 

(『シン・ニホン
安宅和人 著
NEWS PICKS PUBLISHING 118頁より引用)

本書ではAIに関して入口と出口のそれぞれの進化の過程を述べていますが、これを読みながら、「コンサルタントとしての入口と出口の捉え方」の大切さに思い至りました。

先日、若手コンサルタントからこんな相談を受けました。

「これから医科や歯科のクリニックのコンサルに関わりたいのですが、どんなインプットをすべきでしょうか?例えば医師法なども勉強しておくべきでしょうか?」

つまり、クライアントの本業について、どこまで理解する必要があるか、という相談でした。もし時間が無限にあるのなら、医師法を学ぶことは院長の本業への理解が深まり、また「そこまで勉強してくれたんですか!?」とこちらの本気が伝わる、など一定の意味はあるかも知れません。しかし、ここで大切な問いは「クライアントが望む成果を出す上で、コンサルタントが知っておくべきことは何か?」でしょう。時間が限られた中で、コンサルタントが医師法を学ぶ必要があるか、というと不要だと考えます。クライアントの方が詳しいことをコンサルタントが重複して学んでも、報酬に見合った成果は発揮できないからです。

わたしの思考のフレームに「抽象度と具体度のレバー」がありますが、この「医師法を学ぶ」は具体度が高めのアプローチです。そこで、もう少し抽象度を高めて発想すると「医療機関のコンサルをする上で知っておくべきことは何か?」となります。それは例えば「飲食店や通販のような“利益追及的側面”を表に出しやすい仕事と違い、医療機関は“人の命や健康を扱う福祉的側面”が大きい」仕事であることへの理解です。それを踏まえた対応をしないと、院長やスタッフに違和感を与える物言いをして、関係性を壊してしまいます。従って、そのような「関わり方の勘所や、コンサルをする上での他の業種との明らかな違いは何か?」を追及することの方が先です。インプットはアウトプットから逆算して決めたいものです。

 

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