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2020年1月25日 (土)

Vol.249『ルールとは別次元の価値判断基準を持つ。』

現在、社会における様々な領域で「法律の整備が追いつかない」という問題が発生しています。システムの変化に対してルールが事後的に制定されるような社会において、明文化された法律だけを拠り所にして判断を行うという考え方、いわゆる実定法主義は、結果として大きく倫理を踏み外すことになる恐れがあり、非常に危険です。この危険性をわかりやすい形で示していたのが旧ライブドアや一連のDeNAの不祥事でした。

現在のように変化の早い世界においては、ルールの整備はシステムの変化に引きずられる形で、後追いでなされることになります。そのような世界において、クオリティの高い意思決定を継続的にするためには、明文化されたルールや法律だけを拠り所にするのではなく、内在的に「真・善・美」を判断するための「美意識」が求められることになります。

グーグルは英国の人口知能ベンチャー=ディープマインドを買収した際、社内に人口知能の暴走を食い止めるための倫理委員会を設置したと言われています。人口知能のように進化・変化の激しい領域においては、その活用を律するディシプリンを外部に求めることは大きく倫理に悖るリスクがあると考え、その判断を内部化する決定を下したわけです。

 

(『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?
山口周 著
光文社新書 19頁より引用)

変化が少なく、組織が小さいうちは、メンバーの足並みを揃えることは比較的簡単だったりします。ところが、変化のスピードが早い時代に組織が急速に大きくなると、メンバー全員の足並みを揃えることは途端に難しくなったりします。とりわけ組織の変容進化のスピードが速いと、上記に記載の通りルールづくりが後追いになり、実態に追いつかなくなり得ます。

わたしが代表を務める日本キャッシュフローコーチ協会は、会員の「自立性と主体性の発揮」と「安心安全ポジティブな場づくり」という価値観を共有しているおかげで、全体としては事前の想像以上に健康的に成長させてもらっています。ただ、設立して5年目になり500人を超える規模になったところで、やはり細部においては気になることが起きています。

例えば、ある会員が「ルールには反していないので、◯◯はしてもOKですよね」というスタンスで行うことの中に「確かにルール的にはOKだけど、それってどうなの?」と一部の人に違和感を感じさせる行為があったりするわけです。かと言って、それをルールで制限するのは違う気がします。それだと細かなルールが乱立して、わずらわしくなると同時に、そもそも「安心安全ポジティブな場づくり」に逆行しそうだからです。

そこで、2020年からわたしが追求し、仲間たちに問いかけていこうと思っていることは、「かっこよさの追求」という軸です。その具体的な判断は人それぞれ異なるにせよ、方向性として「損か得か」「正しいか間違っているか」という左脳的な軸だけでなく、「かっこいいかかっこ悪いか」という右脳的な軸を持つことで、さらに魅力的な組織になると思います。

 

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