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2018年8月25日 (土)

Vol.232『奥の深い、立体的な教え方とは?』

私が先に「教えるはすなわち学ぶことである」と言っても、諸君らの多くは、小さな小学校の子どもたちを教えるのに、それほど深く学ぶ必要はあるまいと思うことでしょう。ところが実際に当たってみますと、単に教科書の表面に現れている程度の事柄を教えるだけでも、相当に深い学識を必要とするのであって、このことはやがて諸君らが、教生として教壇に立たれれば、すぐに分かることであります。大の男が、わずか1時間の授業をするのに、3時間、4時間もその準備をしていって、なおかつ授業がしどろもどろになって、汗だくになることによっても分かりましょう。このように、単に教科の内容を教えることだけでも、実に容易ならざる準備と研究とを要するわけですが、さらに眼を転じて、教育の眼目である相手の魂に火をつけて、その全人格を導くということになれば、私達は教師の道が、実に果てしないことに思い至らしめられるのであります。

<中略>

そこで、ではわれわれとして、それに対して一体どうしたらよいか、ということが問題でしょうが、私としては、それに対処し得る道はただ一つあるのみであって、それは何かと言うと、人を教えようとするよりも、まず自ら学ばねばならぬということであります。

(『修身教授録
森信三 著
致知出版 P.35より引用)

養成塾の講師として日々学ぶことがたくさんあります。先日、塾生から質問を受けました。 「和仁さんの教え方は、とてもわかりやすくて、どこから質問しても明快な答えが返ってきます。わたしもセミナー講師をやる機会が今後増える予定なので質問したいのですが、そのようにわかりやすく教える秘訣は何ですか?」

わたしの教え方が上手かどうかは別として、わたしがセミナーや養成塾で「人に教える」経験をする中で、意識していることが1つあります。それは、「実体験から得た気づきややり方を教える」ことです。つまり、人から聞きかじっただけで自分の体験が入っていないことは外し、実際に体験したことを起点に、「そこにどんな気づきや教訓、ノウハウがあるか」を掘り下げて、ストーリーに乗せて伝えるようにしています。

実体験を起点に教えると、話がわかりやすくて、質問にも明快に答えられる。それは、なぜなのでしょうか? それは、本や雑誌、人から聞いた話よりも、体験談の方が情報量が多いからです。2次元(平面)ではなく3次元(立体)です。つまり、2次元の紙なら少し掘ったらすぐに破れて底が見えますが、3次元の立方体なら、掘っても中身が詰まっていて、底が見えない感じに似ています。体験しているから、臨場感のあるリアルで聞き手の共感を得る話ができる。そして、それだけ膨大な情報量が背景にあるので、別の角度から掘り下げれば、必要な情報を引き出すことができる。これをルールにしておくと、教える機会が多いほどに、実体験の機会が必然的に増えます。その結果、教える程に学び、成長できるのでしょう。今後も大いに学び、それを世の中に還元していきたいと思います。


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