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2018年2月25日 (日)

Vol.226『地位財と非地位財のバランスは?』

現在は絶版になっていますが、「目からウロコの幸福学」で紹介されていたのが、ロバート・フランクの「地位財」「非地位財」という考え方でした。

<中略>

●地位財=他人との比較優位によってはじめて価値の生まれるもの。
(例:所得、社会的地位、車、家など)

●非地位財=他人が何を持っているかどうかとは関係なく、それ自体に価値があり喜びを得ることができるもの。
(例:休暇、愛情、健康、自由、自主性、社会への帰属意識、良質な環境など)

フランクは、人がなぜ地位財を追求するかについて、「環境適応をめぐる進化の賜物だ」と説明しています(「目からウロコの幸福学」ダニエル・ネトル著)。われわれの祖先が子孫を残せるかどうかは絶対的な価値である「健康」ではなく、相対的な価値の「地位」に左右されてきました。つまり、自分にそれほど体力がなくても他者がそれより劣れば、食料も配偶者も得られるわけです。

(『幸せとお金の経済学
ロバート・H・フランク 著
フォレスト出版 P.5より引用)

この本を読んで、わたしは気がつきました。世の中の大半の人は「地位財」にフォーカスしている、と。そして本書のとびらに書かれていた「無意識のうちに参戦している不毛な競争的消費から脱出しないかぎり、私たちは誰一人幸せになれない」という1文は、とても言い得た表現だとも感じました。「地位財」重視な人と、「非地位財」重視な人の割合は、何対何くらいなのでしょうか?統計データはないので、あくまでわたしの感覚的な印象ですが、

●「地位財」重視な人:「非地位財」重視な人=9:1

くらい、圧倒的な割合で「地位財」重視な人が多い感じがします。

わたしのクライアントの1人に、「見栄と体裁にとらわれず、生活費における固定費を安易に増やさないようにしよう」と社員や仲間に呼びかける社長がいますが、彼は「非地位財」重視タイプでしょう。ところが、周りにいる人たちは「地位財」重視の人の方が圧倒的に多く、ストレスを感じているようにも見えます。わたしの印象としては、自分のやりたいことや、到達したいビジョンがハッキリしている人は、「非地位財」重視。そして彼らは、「どう見られるか起点」ではなく「やりたいこと起点」で必要なものを買うので、劣等感や優越感から解放されています。そしてお金の使い方も、納得した上で使うので、「後で後悔する買い物」はあまりないようです。

このような、お金の使い方と心理のつながりはとても興味深いテーマなので、引き続き探求していきたいと思います。


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