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2017年11月25日 (土)

Vol.223『逆風を追い風にする発想とは?』

ヨットは風を利用して前に進んでいる。追い風の時はもちろん、向かい風であろうと、帆の傾け方次第で前に進むことができる。やっかいなのは「無風状態」の時で、この時ばかりはニッチもサッチもいかず、手漕ぎでエッサホイサしなくちゃいけない。大変な労力だ。

これを自分の人生や企画に置き換えてみた時に、ヨットというのは自分自身で、風は、その時の状況だ。追い風は「背が高い」「頭が良い」「運動神経が良い」「お金持ち」といった才能であり、向かい風は「背が低い」「頭が悪い」「運動音痴」「貧乏」とか・・・まあ、ザックリ言ってしまえば、「嫌なこと」だね。多くの人は、この「嫌なこと」を消そうとする。

理由は「だって嫌だから」。気持ちはすご〜く分かるんだけど、どっこい、ヨットの理論で考えると、その「嫌なこと」は向かい風で、やはりこれも前に進む力となる。感情に任せて「嫌なこと」を消した先に何が待っているかというと、「無風状態」で、実は、その状態が一番やっかいだ。何の後押しもなく、手漕ぎでエッサホイサといかないといけなくなるから。

(『魔法のコンパス
西野亮廣 著
主婦と生活社 P.59より引用)

先日、新刊「コンサルタントの経営数字の教科書」を出版したときのことです。

この本はAmazonで購入してくださる人が多く、発売直後から読者のレビュー(感想文)がAmazonの購入サイトに投稿されました。そして数日後、編集者から「和仁さん、否定的なコメントがついていますよ」と連絡が入り、さっそくチェック。すると、税務の専門家らしき人から「本書に書かれていることが不適切である」ことがつづられていました。

よく読むと、その人の頭の中で勝手に前提条件を設定し、それを元にした論理展開がなされていました。それだけなら放置しておいてもいいのですが、それがきっかけとなって、Amazonランキングも徐々に低下しつつある、とのこと。

わたしとしては、本書の考え方をよく理解する塾生たちにAmazonレビューをお願いするのも一案でしたが、情報操作みたいなことはしたくありません。しかし、放置しておくと、せっかく1年越しで書き続けてきた本書が、間違った認識で過小評価されてしまう。

そんな話を仲間としていたときに、その中の1人が何気なくこうつぶやきました。

「この否定的なレビューをした人のコメントは、ある角度から見れば一理あるのかも知れない。でも、そもそも本書が伝えたい論旨からズレたところで論理展開しているのが気になります。こんなに中身が濃くて成果の出るノウハウを大公開しているのだから、本書の論旨を正しく伝えたいですよね」 この一言がきっかけで、わたしの本心が言語化できました。つまり、「これから本書を手にする人に本書の論旨を正しく知っていただくため、率直な感想をfacebookやブログなどに広く投稿してもらおう」と。漠然と「本書を紹介してね」と言うよりも、上記のように依頼した方が、受け手も共感し、協力しやすいのではないでしょうか。否定的な意見を活かして肯定的な考えが見つかることを再認識しました。


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