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2015年9月25日 (金)

Vol.197『2つの異なる課題を同時に解決する道とは?』

インテルのアプローチには、ひとつのまずいアイデアが帝国を滅ぼすという前提があるようだ。それに対してアップルは、アイデアがダメでもいいと考える。なぜなら、広告から創造性を奪うようなプロセスをみずからに課すより、ときに弾丸が届かなくても、星を撃ち落とそうとするほうがいいからだ。両者のプロセスの違いは、ミニマル化の能力だった。

アップルにはそれがあり、インテルにはなかった。

スティーブは、新しい製品でも広告でも、すべてのアイデアを本質まで削っていこうと細部にまでこだわった。そして、フォーカスグループのように複雑さのレイヤーを加えるかもしれない提案には、即座にアレルギー反応を示した。

<中略>

シンプルさを信ずる者は、よいアイデアはそれを傷つけるものから守る必要があると考えている。その最良の方法は、アイデアが通らなければならないプロセスをできるだけ少なくすることだ。

(『Think Simple アップルを生み出す熱狂的哲学 ケン・シーガル 著
NHK出版 P.99より引用)

コンサルティングの仕事に長年関わってきて興味深いと感じることの1つに、「全く異なる分野の複数の課題が、たった1つのアプローチで解決する」ことがあります。
つまり、マーケティング的な課題も、人事労務的な課題も、シンプルなたった1つのアプローチで解決することがあるのです。

ある会社が、「理想の見込み客を集客したい。営業力はあるので、目の前に見込み客を連れてくることさえできれば、あとは上手く行くのに」という、マーケティング上の課題を抱えていました。そして同時に、「向上心が高くて、能力の高い人材を採用したい。勤務条件は他社と比べて遜色ないし、教育プログラムが十分に整っているから、成長欲の高い人にはピッタリだと思うのだが」という、人事労務上の課題も抱えていたのです。

この「理想の見込み客を集める」アプローチと、「優秀な人材を採用する」アプローチは、一見、別の部署による異なる行為に見えがちです。そのため、それぞれに専門のコンサルタントを雇って解決しようとします。ところが仕事量ばかり増えて、成果が出る前に尻切れ状態に終わることもあるようです。

そんなとき、本質的かつシンプルなアプローチが奏功することがあります。
つまり、「自社はどんな存在か=あり方」(ミッション、理念、ビジョン、やること&やらないこと、USPなど)を本質まで追究して言語化し、相手(見込み客、または入社希望者)に「当社とつきあうと、どんな良いことがあるか」を伝えること。

「どうやって伝えるか」も大切ですが、その前に「何を伝えるか」が重要。
そこを見落とさないようにしたいものです。


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