« Vol.176『ゼロをプラスにする言葉とは?』 | トップページ | 今月の本棚 【2013年12月】 »

2013年12月25日 (水)

Vol.176『傲慢にならないコツとは?』

世界第一等の人物になろうとする事は、その志たるや決して小さくはない。しかし、自分はそれではまだ小さいとする。現在、社会には人民の数は多いが、その数には限りがある。

よって、世間第一等の人物になろうとすることは、おそらくそう達成しがたい事ではなかろう。しかし、過去においてすでに死亡した人に至っては、その数は今の人の幾万倍もある。その中に聖人、賢人、英雄、豪傑は数えきれないほどいる。

自分は今日まで生きているから、やや人に優れているようだが、明日にも死んでしまえば、故人の仲間に入ってしまう。ここで、自分のなしたところを、古人のそれと比べれば、到底比べものにならない。まことに恥ずかしいことである。

だから、志ある者は、古今第一等の人物たらんことをもって、自ら期すべきである。

(『言志四録(一)言志録 佐藤一斎 著
講談社学術文庫 P.150より引用)

仕事がちょっと調子がよくなってくると、自信が出ます。それ自体は良いことですが、それがややもすると、自己拡大してしまう恐れがあります。つまり、「他人の仕事のレベルの低さが許せず、ぶっきらぼうに完璧を要求」したり、「自分を丁重に扱ってくれない人に対して攻撃」したりすることがあります。それを見て人は、「傲慢だなあ」と感じます。
それが続くと、やがて周りの人は離れていき、孤立し、仕事がうまくいかなくなります。
そうして、調子が悪くなってはじめて内省し、「周りの協力があってこそうまくいっていた」ことに気づき、態度を改めます。

わたし自身も、些細なレベルではありますが、そんなことが何度もありました。
そんな中、傲慢にならないコツは何か、を考えてみたところ、思い至ったことがあります。
それは、「憧れの存在を持つ」ということです。

傲慢になるかどうかは、「自分と何を比較するか」によって決まります。自分より未熟な人と比べれば、「相手になくて自分にあるもの」にフォーカスするので、傲慢になるのでしょう。しかし、「この人みたいな仕事をしたい、生き方をしたい」と思える憧れの存在がある人は、自分とその存在を比べるので、「成長の伸びしろ」にフォーカスがいき、精進するほうに意識が向かいます。その姿が結果的に周りからは「傲慢にならない」ように見えるのではないかと思うのです。

つまり、「傲慢にならない」ためには、「傲慢にならないためには」と考えるのではなく、「憧れの存在を意識する」ことによって、結果的に傲慢にならない、というのが正解ではないかと感じるのですがいかがでしょうか。

|

« Vol.176『ゼロをプラスにする言葉とは?』 | トップページ | 今月の本棚 【2013年12月】 »

今月のワニレポ(今月の一冊から)」カテゴリの記事