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2013年11月25日 (月)

Vol.175『仕事の大原則。』

「それはどんな信念なんでしょうか」

「簡単なことさ。正しいことを正しいといえること。世の中の常識と組織の常識を一致させること。ただ、それだけのことだ。ひたむきで誠実に働いた者がきちんと評価される。そんな当たり前のことさえ、いまの組織はできていない。だからダメなんだ」

「原因はなんだとお考えですか」森山はさらにきいた。

「自分のために仕事をしているからだ」半沢の答えは明確だった。

「仕事は客のためにするもんだ。ひいては世の中のためにする。その大原則を忘れたとき、人は自分のためだけに仕事をするようになる。自分のためにした仕事は内向きで、卑屈で、身勝手な都合で醜く歪んでいく。そういう連中が増えれば、当然組織も腐っていく。組織が腐れば、世の中も腐る。わかるか?」

(『ロスジェネの逆襲 池井戸潤 著
ダイヤモンド社 より引用)

仕事に取り組むスタンスが適切か、を立ち止まって確認することは、とても大切だと感じています。というのも、いつの間にか当初の目的から反れた線路をひたすら突っ走っている恐れがあるからです。

わたし自身、以前こんなことがありました。新しいセミナーを次々とつくり出していたときのことです。それまでのコンサルティングの現場経験をもとに新しいコンセプトでセミナーをつくり、それを教材化していました。そして、次々と新しい教材が誕生し、ホームページの販売一覧のページにその教材ラインナップが充実していくことに達成感と充実感を感じていました。

そんなある日、次のセミナーの企画をつくり、テキストも8割完成して、セールスレターを書き出そうとしていたときのこと。なかなか納得のいく原稿が書けずにいると、友人から1つの質問をされました。
「それは具体的にどんな人が求めているんですか?」
その根本的な質問をされたとき、わたしはハッとしました。

そのセミナー企画は、あろうことか「誰がそれを求めているか?」を置き去りにしたまま、「こんなのがあったら面白いだろう」とわたしの勝手な思い込みだけで突っ走っていたのです。そして、「これ絶対に聞きたい!」と言ってくれる人の顔が思い浮かばないまま、企画だけが先行していたことが気がつきました。「ああ、今ぼくは自己満足でセミナーをつくっていたな」と気づかされたのです。それ以来、新しいセミナーや講座を始めるときは、それを必要とする具体的な人物の顔を思い浮かべて、その人に向けて企画をつくり、セールスレターを書くようになり、それは望む結果をもたらしてくれました。

仕事はお客さんのため世の中のためにつくる。その大原則に気づかされた出来事でした。

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