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2013年10月25日 (金)

Vol.174『照れず褒めるには?』

(前略)そこに表彰が活用できる。表彰は公式な制度としての承認である。組織やそれを代表する人、もしくは集団のはっきりとした意思表明である。そのため、受賞者本人はそれを誇れるし、ほかの人はそれを受け入れざるをえない。すなわち表彰にはそれだけの権威があるわけである。

もっとも、第Ⅲ部で述べるように表彰にはタイプがあり、そのタイプによって権威の大きさは異なる。また、選考基準や選考のプロセスなどによっても権威は左右される。そして表彰の効果にも自ずと差が出てくる。

いずれにしても、ほめることが嫉妬や人間関係の摩擦といった副作用を生みやすいわが国では、表彰という制度化された承認がとくに必要と考えられる。

また、ほめる文化が希薄なわが国では、言葉としてほめるときには照れたりわざとらしくなたりするので、管理職や上司といえどもほえるのが苦手な人が多い。その点でも表彰のように制度化したほうがやりやすい。

(『会社を変える最強のモチベーション戦略 表彰制度 太田肇 日本表彰研究所 著
東洋経済新報社 P.34より引用)

わたしのクライアントで、月に1回、エクセレント・パーソンを全社員から選出する、という表彰をしている先があります。その会社では当初、社長も褒めるのが苦手で、社員同士も部門をまたぐとあまり気に掛けないところがあったんです。せっかく1フロアに全部署の社員がいて見渡せる環境なのに、遠慮から尋ねればわかることすら声をかけないため、やり直しやミスが多発。
そこで、「もっとお互いのことに関心を持とう」「仲間に感謝する機会を持とう」ということで、毎月1回の全体ミーティングで、1人ずつその月のエクセレント・パーソンを1人選び、その理由をみんなの前で発表する、という簡単な表彰を始めました。

「今月のエクセレント・パーソンは伊藤さんです。理由は、営業の見込み客リストをつくるためにいつも遅くまで頑張って、1000件ものアプローチ先をつくってくれたからです」
という具合に1人1~2分の発表で、15人程度の会社ですから、月1回20分ほど。
そして最初にそれをやった日には、社長がその効果に驚いた表情で言ってくれました。
「これはいいですね!場の空気がやわらかくなって、感謝の気持ちが自然とわいてくる。口下手で、褒めるのが苦手なわたしでも、自然と社員のいいところを探す”きっかけ”ができましたよ」

そう、まさに”きっかけ”。褒めることすら勇気がいります。勇気がいることを継続的にやる最大のコツは、「やらざるを得ない”きっかけ”をつくる」ことです。
そんな最高の”きっかけ”を与えてくれる制度を、いくつもつくれたらいいですね。

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