Vol.162『生き方の柱を複数化する。』
電話コンサルティングのクライアントから、最近同じテーマで相談を受けることが増えています。それは40代後半から50代の方に多いのですが、次の悩みです。
「ここまで自分なりにがんばって、仕事的にも成功してきました。でも次のビジョンというか、テーマが見えない。何に向かって燃えたらいいのか、自分でよくわからないんです」
● 幼少期の貧乏体験からハングリー精神で起業して
相応の財をなしたが、
家族や社員と向き合わずにきたことに後悔し、
新しい生き方を模索している起業家。
● ドクター1人で診療する歯科医院としては
1億円の大台を超えて、
周りから大型化や分院展開を勧められるが、
いまいち気乗りしない院長。
● 売上や顧客数など
規模の拡大を追求して突っ走ってきたが、
数字以外の質的なビジョンを持ちたいと望みつつ、
それが何かが見えずモヤモヤしているコンサルタント。
こんな悩みは、戦前や戦後の高度成長時代にはなかったのではないでしょうか。
生き方の選択肢があまりにも増えてきた現代だからこその悩みかも知れません。
とりわけ、このような悩みを訴える人には、ある共通点があります。
それは、すでにそれぞれの分野で周りが認めるレベルの成功をおさめている、ということ。
したがって、周りの人にはその人の悩みの深さが理解できません。「十分、うまくいっているじゃないか」「贅沢な悩みだよ」と言われておしまい。それゆえに、その悩みは放置され、解決の糸口が見出せないまま時間ばかりが過ぎていきます。一方、彼らは人生にどん欲なので、明快な道筋が見えないまま時間が過ぎることに焦りを感じているのです。
そんな中で、わたしが大切にしたいと実感したこと。それは、「生き方の柱を複数化する」ということです。柱が1本だと、その頂点にたどり着いた瞬間、周りを見渡しても何もない状態になる。でも、同時並行的に複数の柱を育てていれば、ここはちょっと一休みして、たとえば趣味、スポーツ、家族や友人関係など別の柱の軸足を移すことで多様性を味わえる。
わたし自身も、ワクワク楽しんでいる姿を見た人が「そんな生き方もいいね」とインスピレーションとなるような生き方を創造しながら、人生を楽しみたいと思っています。
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