« Vol.162『生き方の柱を複数化する。』 | トップページ | 今月の本棚 【2012年10月】 »

2012年10月25日 (木)

Vol.162『ある分野の第一人者になる秘訣。』

そのなかでも、特に印象に残っている言葉がありました。それは、今も「やずや」さんの文化のようになっている言葉でした。
「西野くん、会社の規模が小さく、人材も育っていないときは一所懸命一つのことを掘って、掘って、掘り下げること。そうすれば、自然と穴の直径は大きくなっていくんだよ」

当時から、「やずや」さんでは「一生懸命」ではなく、「一所懸命」という言葉を使い、とにかく一つのことを深く掘ることを一種の哲学として実践していたそうです。
西野さんの借金の事情をまったく知らずに語った、矢頭社長の言葉が西野さんの胸に突き刺さりました。事業を広げていくことばかりに夢中になり、足元がおぼつかなくなっていた西野さんにとって、その言葉はまさに今の自分に向けられたように感じたのです。

(『失敗バンザイ! 橋本陽輔 著
マガジンハウス P.33より引用)

社会人になりたての頃、経営や経済についてまったく知識がなかったわたしは、とにかく「必要最低限の知識や常識を学ばなくては」と必死でした。一時期、中小企業診断士やFPの資格勉強をしたのも、「お客さんと対等に話せるためには、浅くとも広い知識を身につける必要がある」と考えたからでした。もちろん、会話がかみ合うためには一定レベルの知識は必要です。しかし、ややもすると、そのパターンが習慣になってしまう恐れがあります。
つまり1つのことを掘り下げることをせず、「ちょっとわかると次へ」という慣性の力が働いて、考えを深める機会をうばってしまうのです。
これではいつまで経っても深い見識が得られず、取替可能な平凡な存在になってしまう。

この落とし穴に気づいて以来、わたしはノウハウの深堀りを習慣化することにしました。
最近で言えば、人の相談に乗る際の「質問の仕方」についてです。仲間に「質問の仕方」を伝授するにしても、自分としては感覚的にやれているので、(今思えば)レベル3ぐらいのところを伝えておしまい、となりがちです。でも、それではセンスのいい人はやれるけど、その他の多くの人にはできない。実はそこからが、ノウハウを深堀りしてレベル10まで進化させるチャンスだったのです。そこで、相手に気づきをもたらす効果的な質問をする条件を探し始めました。「どこに着眼して聞くのか?」「どんな順番で?」「話を聞く前に確立しておくべき状は?」「うまくいく人とうまくいかない人の違いは?」「その違いがもたらされる理由や背景は?」「効果をアップするツールは?」「聞く力の上達レベルと信頼構築の関係は?」など等。それを繰り返すうちに、同業者からもアドバイスを求められることに。

ある分野の第一人者になる道は、世の中に必要とされるニッチで独自なテーマを見つけ、その一つのことを多面的に深く掘り下げることにあると確信しました。

|

« Vol.162『生き方の柱を複数化する。』 | トップページ | 今月の本棚 【2012年10月】 »

今月のワニレポ(今月の一冊から)」カテゴリの記事