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2012年9月25日 (火)

Vol.161『何を根拠に語っているか、に注目する。』

十六世紀、ガリレオ・ガリレイという名の青年がピサの斜塔のてっぺんにのぼり、ふたつの砲丸を落下させた。そしてそのふたつの砲丸-重い球と軽い球は、地面に落ちた瞬間、ある考え方に終止符を打ち、人類の運命を永遠に変えた。以来、世界は二度ともとには戻れなくなった。それまでの2000年間、重い物体は軽い物体よりも早く落ちると教えられていた。重さが二倍なら、落ちる早さも二倍になる、と。その根拠となったのは、偉大なるアリストテレスにほかならない。彼がそう言ってからというもの、20世紀にもわたって、あのギョウレツケムシの幼虫のごとく、人類は彼の言葉を鵜呑みにしてきた。だから、ガリレオがふたつの砲丸を落とし、それが同時に地面に着くのを目撃した人類は、ショックを受けたのだ。

アリストテレス流の文明は、このとき終わりのはじまりを告げた。
心理学者のウェンデル・ジョンソンはこう指摘している。

ガリレオが証明したのは、落ちるおもりに関する事実というより、、、、時と威信を根拠とするのではなく、観察と実験を根拠とする新しい問題解決法だった。

(『ユニーク・セリング・プロポジション ロッサー・リーブス 著
海と月社 P.204より引用)

観察と実験を根拠として、新しい問題解決法を見出す。これは、まさに日常のビジネスで大切な視点ですね。わたしたちが誤解することの中には、

1)信頼できる人が言ったことだから、それは正しい
2)理屈上、筋が通っているように聞こえるから、それは正しい

と思いこみ、それ以上踏み込もうとせず、それを前提とみなして、その上に議論を積み上げることがあります。わたしはこのことの怖さを独立当時に味わいました。
かつてわたしが27歳で独立した際に、「社員10人以下の小企業に月額15万円の報酬をいただいたコンサルをする」と宣言したとき、周りの友人・知人は口ぐちに異を唱えました。
「そんな小さな会社に毎月15万円を払える予算があるわけがない」
「ベテランの有名コンサルタントの報酬が月15万円なのに、無名の新人コンサルタントが同額をもらえるわけがない」というのが、異を唱える根拠でした。

一見、正論のように聞こえます。しかし、新規開拓営業時代に接してきた”小企業の社長の頭の上位に位置している悩み”がわかっていたわたしは、「大した貢献もできない新入社員に月20万円払えるなら、その何倍も貢献するわたしに15万円払えないわけがない」と仮説を立てて、実際に営業を始めました。結果、1ヶ月後には目標の受注件数をクリア。
前提が違えば、結果は変わる。観察と実験を根拠とすることの大切さを実感した瞬間でした。

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