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2012年7月25日 (水)

Vol.159『見込み客の頭の中にあるものは?』

セブンアップは、消費者の頭の中に既に確立されているコーラに自社商品を関連づけた。 「コーラではない飲み物」というポジショニングで、「コーラに代わり得る飲み物」として認知されたのだ。人々の頭の中のコーラのはしごは、最上段がコカ・コーラ、二段目がペプシ、そして三段目がセブンアップになった。このアイデアは、コカ・コーラとペプシが消費者の頭の中に巨大なシェアを確立していたからこそ価値があった。なにしろ、全米で消費されるソフトドリンクの三分の二はコーラなのだ。

<中略>

このような独自ポジションを見つけるには、既成の論理を無視するのがコツだ。既成の論理は、「何らかのコンセプトを見つけるには、自分の内面や商品の内容をとことん見つめよ」と言うが、それは真実ではない。あなたが見つめるべきは、消費者の頭の中だ。

セブンアップをいくら眺めても「コーラではない」という発想は出てこない。
コーラを飲む人々の頭の中をのぞいて初めて、この発想が出てくるのだ。

(『ポジショニング戦略(新版) アル・ライズ、ジャック・トラウト 著
海と月社 P.45より引用)

まったく市場に認知されていない段階で、商品を投入するとき「見込み客の頭の中にあるものは何か?」という問いかけはとても大切です。 わたしが独立して2年目のとき、歯科業界のコンサルティングに参入する機会がありました。そしてその2年後には歯科専門出版社から処女作「ドクターをお金の悩みから解放するキャッシュフロー経営って?」を出版し、さらに1年後には、全国の歯科医院を対象にした1年間のマネジメント・コースを東京で開催、その後も教材やニュースレターを定期的に配信するなど、今ではワニマネジメントの大きな柱となりました。

その本は全国の歯科医院10件に1件が保有するロングセラーとなり、パートナーやクライアントに恵まれ、ありがたいことに、歯科業界向けのコンサル事業はとてもスムーズに立ち上がったわけですが、その成功要因の1つは、今思い返してみると、「ある重要な問いかけ」がカギだったな、と感じています。それは、「見込み客である歯科院長の頭の中を常に占領している、“言葉にならない”悩みトップ3は何か?」という問いかけです。歯科医院の個別コンサルを行いながら、常にそれを考え続けていました。その答えの1つが「医療マインドの高いドクターは皆、お金の悩みから解放されて本業(=医療)に専念したい」というものでした。決して「歯科で儲けたい」ではなかったのです。もしここに気づいていなかったら、わたしの処女作は「ドクターを儲けさせるキャッシュフロー経営って?」になっていたかも知れません!これでは歯科院長の共感が得られず、むしろ反感を買っていたことでしょう。飲食店オーナーなら儲けを生むことがウリになるのかも知れませんけどね。見込み客の頭の中を占めている悩みトップ3は何か? 常に問いかけ続けたいことです。

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