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2012年6月10日 (日)

Vol.158『人が正論で動かない本当の理由。』

コンサルタント養成塾で、クライアントの成果を引き出す技術をお伝えしています。
そこには、マーケティング、財務、法務、企業再建とあらゆる分野で活躍する専門家が集まっています。すでにプレイヤーとしては成功していて、周りからも一目置かれている彼らが、なぜこの塾に参加してくださるのか?その理由の1つは、「クライアントが動いて結果を出すための秘訣を知りたい」でした。それはすなわち「正解を教えてもクライアントが動いてくれない本当の理由と、動いてもらう秘訣を知りたい」ということです。

その理由の1つをお話しします。それはわたしが考えるに「思考が一足飛びだから」です。
たとえば、「仕事で忙しいが、妻や子どもとふれあう時間が欲しい」という人に、「家族との予定を先にスケジュールに書き込むといいよ」とアドバイスをしたとします。
優先順位の高いことを先に決めておけば、確実にそれを確保できる。一見、正論です。
だから、本人も「やる」と返事をするのですが、実際にはやらない。なぜでしょうか?

それは、「仕事で忙しいが、妻や子どもとふれあう時間が欲しい」と、「家族との予定を先にスケジュールに書き込むといいよ」の間が一足飛びになっているからです。
たとえば、次のような対話が間にあったとしたら、どうでしょう?(青文字は第三者の声)

「仕事で忙しいが、妻や子どもとふれあう時間が欲しい」

 

 →「ところで、仕事や趣味、家族などいろいろある中で、人生における優先順位は?」
→「まず、家族との親密な関係、そして仕事、趣味はその次でしょうか」
→「なぜ、そう考えるの?」
→「仕事中毒なくらい仕事好きなんだけど、本当のところは家で待っている“家族”を幸せ
  にしたいという思いがあるから、仕事に身が入る。だから、①家族、②仕事、なんです。
  それだけじゃ味気ないから、その次に趣味も大切にしたいです」
→「なるほど、家族との時間はそれだけ優先順位が高いんだね。だったら
  家族との予定を先にスケジュールに書き込むといいよ」

彼は、優先順位が不鮮明になっていました。だから、そこを掘り下げた上で提案をすることで、それをやる動機が格段に高まったのです。この会話は飛ばしても意味は通じるし、彼も反論も思い当たらないので「やる」と答えていたに過ぎない。そこは一足飛びにせず、きちんとおさえておきたいことですね。

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