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2012年4月10日 (火)

Vol.156『価値を上げること以上に大切なこと。』

ビジネスのステージがある段階になったら、「価値を上げる」から、「価値を伝える」に、エネルギーの比重を移すことが大切ということを最近、実感します。
セミナーなどでお会いする経営者には、心意気があって「本当によいものを提供したい」こだわりのある職人的な経営者がたくさんいらっしゃいます。そんな人ほど、「価値を上げる」ことにばかり注力しています。しかし、素人であるお客さんにはその価値が伝わっておらず、結果的に低い価格で販売して、そのため彼らは苦しい経営を強いられています。

たとえば、本当によい治療をしてあげようと高度な機械を導入し、技術を磨いている歯科医。ところがその治療は全額患者負担の自費治療になってしまうため、説明もろくに聞かずに「(3割負担で済む)保険治療でいいですから」と言われてしまう。その治療が患者さんにもたらす価値をうまく伝えられないが故に、せっかくの技術が宝の持ち腐れになっています。

一方で、あるドクターが、「自分の口の中の歯の資産価値は、1本30数万円のインプラントで置き換えたら全部で1000万円以上にもなる」という表現で、自分の歯がいかに貴重かを患者に伝えていました。何でも経済価値で伝えればいい訳ではありませんが、そのような言い方をしたほうが伝わる人もいるのであれば、それも「価値を伝える工夫」です。

価値あるものだからこそ、その価値を必要とする人に知っていただくことも、大切な経営努力。ところが、いざ「価値を伝えよう」としたときに、ブレーキになることがあります。それば「価値を言葉にする難しさ」です。 1つには、提供側の中では当たり前すぎて、それが価値とは気づけないこともあります。 たとえば、わたしは連載中のある雑誌出版社から、「和仁さんは期日前にきちんと原稿を送ってくれて、またチェック依頼にも即答してくださるので本当に助かります。他の著者もそうだったら編集者の仕事は大きく変わるのに」と言われました。そんな当たり前のことを多くの著者がやっていないのか、と驚きましたが、「相手の負担を半減させる仕事の仕方」というのも、1つの価値になります。お客さんや取引先にとって、何が価値になるのか。それを知るには、相手に教えてもらうのが一番確実。あなたの商品の価値、最近お客さんに聞いてみたことはありますか?

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