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2012年2月10日 (金)

Vol.154『社員が会社に求めていたことは、実は・・・』

ある製造加工業の会社で、リーダー会議をおこなったときのこと。そこでは、各部署ごとに問題と感じる最重要事項を1つずつ発表することになっていました。そして、リーダーの1人が、ここ数カ月の度重なる新規案件に対応が追い付かず、慢性的な納期遅れでお客様に迷惑をかけている上に、人の補充がなかなか進まない事態を強い口調で指摘。
「リーダーはじめ、現場のスタッフは連日の残業と休日を返上して、ぎりぎりの状態をなんとか乗り切っている状況なんです。いったい、いつになったら変わるんですか!?」

もちろん、その会社もすべき手は打っています。限られた人員と設備の配置を工夫して、最大のパフォーマンスが出るようにしているし、採用活動もしています。しかし、肉体的にハードな業種柄、若い人が入っても、数週間で退職する始末。リーダーに指摘されるまでもなく、誰よりも、経営陣が一番そのことに頭を悩ましていることは明らか。

こんなとき、経営陣がつい「そんなことはわかっているし、やるべきことはやっている!」と感情的に反応してしまうことはよくあることです。しかし、そのときは違いました。
リーダーの次の一言に、その場にいたメンバーの視点がガラッと切り替わったのです。

「わたしは、何も解決策を聞かせてほしいわけじゃないんです。ただ、会社が今どんな手を打っていて、今後どうなりそうなのか、を知りたいんです。希望を持ちたいんです」

その瞬間、経営陣一同、ハッとした表情をしました。

「希望を持ちたい」
この本音の声は、わたしにも大きな気づきを与えてくれました。ビジネスでは、すぐに解決策を探そうとしがち。そして、それが見いだせた時には情報を開示するが、そうでなければ、「かえって混乱させるのも何だから」と、途中経過はクローズドにしがち。経営者としては、良かれと思ってそうしているのです。
しかし、先の見通しがわかることで、希望を持てて、精神的負担が軽くなる。
社員の立場からするとそんなこともある、ということを知っておきたいものです。

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