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2011年3月 3日 (木)

Vol.143『意図は伝わっているか?』

人に依頼をするのが上手な人と苦手な人がいます。その違いは、依頼された側の反応に如実に出ます。依頼するのが上手な人だと「はい、わかりました」と打てば響くリアクションが返ってきます。でも、苦手な人だと「え、なぜそんなことをするんですか?」「でも・・・」など、なんとも鈍い反応が。

以前、クライアント先のリーダーの立場の人から相談がありました。
「指示をすると、部下がいちいち文句を言う」「依頼したことを素直に『はい』とやってくれない」「最後は『いいから、とにかくやって』と半ば強引に説き伏せてしまうのですが」とのこと。
私は彼女の口調から、「ちょっと言い方がキツくて、部下から反感を買われているのかな」と思いつつ、部下の男性に直接、話をしてみました。
すると、彼の言い分は意外なものでした。

「いえ、リーダーに対して、全然反論もなにもないです。ただ、なぜそれをするのか、意味がよくわからなかっただけなんです」

部下が上司の指示に対して疑問を口にする理由には、2つあります。
1つは、その指示の内容に不満があるとき。もう1つは、単に「それをやる」「そのようになる」意図・目的がわからないときです。そして、部下の反応が鈍い理由は、わたしの経験上、8割方、後者のようです。ところが、「部下は指示されたら、(つべこべ言わず)『はい』と言ってやるもの」と考えている上司には、反応的にカチンと来てしまうのです。

そこでわたしはそのリーダーに「今度から依頼をする際に、その意図を伝えるようにしてみては?」と提案をしてみました。そして1ヶ月後、彼女に話を聞くと「●●君(部下)の表情がまるっきり変わりました。おかげで、最近はぎこちない感じじゃなくなって、依頼がしやすいです」とのこと。そのときの体験は、わたしに大きな気づきを与えてくれました。
「人はみな、お金のためだけではなく、何か意義あることのために働いている。そして、その意義を感じられる仕事の与え方をすることも、リーダーの大切な役割の1つである」と。
「人間は意味を探す生き物である」ということを、忘れないようにしたいと思います。

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