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2010年11月 2日 (火)

Vol.139『本能を目覚めさせる。』

どうして年をとると能力が低下するという通説が世間にあるのか。私は次のように考える。
年とともにお金がたまる。不動産もできて家族の数も増えて、世間的な名声もできて、地位が安定する。地位が安定するということは、自分を檻の中に入れているわけだから、
ジャングルの中にいる猛獣と違ってカンが鈍る。カンが鈍るということは判断力がなくなることである。つまり中高年は年齢の故に能力が落ちるのではない。年齢の上にあぐらをかくから、生活が安定するから、性能が低下すると思うのである。私は死ぬ瞬間まで能力を低下させない方針であるから、それで十年に1度ずつ商売を変えるわけである。
面白がって変えるのではない。十年に1度ずつ職業を変えると、一年から一年半失業する。専門を変えると収入はゼロになる。月給をもらいながらやるのと、収入がゼロになってからやる勉強とでは桁が違う。六ヶ月ぐらいの食いぶちは稼いでおくのであるが、一年半となるとあとの1年は必死になって、何かで食べていかなければならない。餌をどうやって見付けるかとなると、すごい本能が働いてくる。世の中はどちらに動くか、こんどは何をやろうかという時に、すごいカンが働いてくるのである。

(『新逆転の発想糸川英夫 著
PHP文庫 P.167より引用)

安全領域にずっと浸っていると、ラクだけど鍛えられることはありません。「火事場のバカ力」という言葉があるように、人は窮地に追い込まれると、本気モードにスイッチオンして、本能が目覚め、眠っていた力が発揮される。そのきっかけはピンチだったりします。
お金に限らず、時間の使い方でも同じことが言えます。

たとえば私は、セミナーの企画や本の執筆など、仕事をするときはかなり前倒しで計画を立て準備する習慣があります。それは、後になってバタバタと慌てることを避けたいからです。一見、「常に前もって計画的に準備してスバラシイですね」と良い評価が与えられそうですが、最近このやり方に疑問を感じ始めました。なぜなら、かえって効率が悪いように思えてきたからです。
切羽詰まっていない段階では、アイデアに無理矢理っぽさが出て、使えないことが多い。
また、心の中で「まだ先だから、まあこの程度でいいか」という油断があるので、かえって余計な時間をかけてしまう。つまり、本気モードになりにくいのです。

しかし、締め切りが近づいて、「さすがにそろそろ手をつけなくては」と思い始めたときには、お尻に火がついて本気モードになっているので、脳が活性化して、気持ちも前のめりになっています。また、若手時代と違って、今は最悪でもなんとか帳尻をあわせるだけの実力も備わっているので、多少はピンチな状況を作り出したほうが良いのです。ピンチを自らデザインする。スリリングですが、日常に緊張感を取り戻したい方はお試しください。

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