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2010年6月 1日 (火)

Vol.134『経営効率の追求は、お坊さんの修行にも通ずる。』

経営者は、どこで経営を学ぶのでしょうか?学校で習うことはほとんどないので、大抵は現場で試行錯誤しながら手にしていくのだと思います。そんな中、わたしの親しい  
あるドクターが、思いがけないアプローチで経営効率を追求されていて、ビックリしました。

わたしが知る多くのドクターは、医療はスペシャリストだが、数字は苦手。たとえば「仕入先の合見積りをしたほうが良いと知っていても、面倒だからやらない」方がほとんどです。医療に専念したほうが、トータルでメリットが大きければそれで良し、といったところです。
  ところがそのドクターは、違いました。
彼が自宅と医院を建築したときのこと。ふつうは設計士に丸投げか、少なくとも設計士に主導権をにぎられているもの。しかし彼は、図面にチェックを入れ、どうすればローコストに抑えられるかを分厚い資料を読みこんで勉強します。電球1つから何を使うかを費用対効果まで調べ上げ、設計士に提案し、ありえない小予算で建物をつくりあげたのです。

いったん建てたら、何十年と使い続けることを考えると、入り口で妥協はできないのでしょう。また、日々の消耗品の仕入れにおいても、仕入業者をリストアップして、「何をどこで仕入れるともっともリーズナブルか」を考えます。それを、医療品質と両立してやれていることが驚きです。彼の目線は、まさに「儲けを出す社長のお金目線」そのものでした。それは具体的には、①時間軸を長くとらえ、②早くモトをとる発想です。
  
しかし日頃、経営を学んだこともなく、まったく商売っ気のないドクターが、なぜそこまで考えつき、そして実行できるのか?そのワケを尋ねたところ、意外な答えが返ってきました。
彼は、かつて出家した経験があり、お坊さんの修行の中に「殺生」という発想があるのだとか。この「せっかくいただいたものは、1mmたりとも無駄にしてはならない」という「もったいない」という気持ちが、「使う以上は、120%モトをとる」という発想につながっていたのです。

それにしても、利益を追求する社長の目線が、お坊さんの修行に通じるとは、ビックリでした。ゴールに到達するための入り口は、思った以上にいろいろあると実感したお話でした。

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