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2009年9月 1日 (火)

Vol.125 『それは、質問?それとも要求?』

中途入社した社員の、ある会社での会話です。入社して2カ月が経過、今年1回目の夏のボーナス支給が終わった頃に、その社員が先輩社員に質問しました。
「僕は、ボーナスはいつからもらえるんでしょうか?」
それが間接的に社長の耳に入ると、社長の顔色は変り、こう不満を口にしました。

「正直、がっかりだ。このところ、仕事の中身よりお金や条件のことばかり聞いてくる面接希望者が多い中で、彼だけはお金のことは一切聞いてこなかったし、ウチの会社で勉強したい、という熱意を感じたから採用したんだ。まだ会社に貢献するどころか、力不足で教えてもらってばかりの立場にも関わらず、もうボーナスの心配をしているようでは、一緒にやっていこうという気持ちになれない」

つまり、社長はこの社員の「ボーナスはいつからもらえるのか?」という質問を「いつになったらもらえるのか?」すなわち「早くボーナスを払ってほしい」と要求しているように受け止めたのです。さて、この社員は本当に「今の自分の立場をわきまえずに、報酬のことばかり考えている」自己都合優先の社員なのでしょうか?

実はわたしがこの社員に直接事情を尋ねてみると、次のことがわかりました。
・面接のときに聞きそびれていて、報酬の仕組みを知らなかった。
・そして、家のローンの返済の予定を家で話し合っていた際に、妻からボーナスについて聞かれて何も答えられなかったので、「一応先輩に聞いてみる」といういきさつだった。

つまり、「まだボーナスはもらえないのか?」という不満や要求ではなく、妻に聞かれて答えられなかったことを、知っておきたかっただけ。ならば、そう一言添えてくれれば、余計な誤解は避けられそうなものですが、社員もそこまで気が回らなかったのでしょう。
本当は性格もよくて潜在能力もある社員なのに、そんな些細な誤解で社長や上司の評価が変わってしまってはお互いに不幸というもの。社員からの質問の意図は、ひとつズレると「会社への不満・要求」ととられがちですが、単に「無知ゆえの質問」ということも多い。それは区別して受け止めることで、余計な「感情のざわめき」は避けられそうです。

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