« 今月の本棚 【2009年7月】 | トップページ | Vol.124『仮の寿命から逆算して、今を生きる』 »

2009年7月29日 (水)

Vol.124『コスト、品質、納期。どれが一番重要?』

ある製造業の社内ミーティングでのこと。
社長が、「当社にとって、コストと品質と納期。いずれも本当に重要だけど、その中であえて順番をつけるとしたら、今はコストが第一優先だ」という話をしました。そのとき、ある社員が次のように異議を唱えました。
「わたしは品質だと思います。なぜなら、欠陥やミスがあったら、取引先の信用を損ない、次から仕事をまわしてくれなくなるからです。それは会社にとって致命傷と違いますか?」

また、ある社員は次の発言をしました。
「いや~、納期でしょう。いくら良い品質のものをつくったからと言って、納期を遅れてしまったら、取引先がその上のお客さんに対して迷惑をかけてしまう。その責任は当然、ウチにかかってくるから、次から仕事をもらえなくなるでしょう?」
お互いの意見が分裂し、その場に少し、緊張感が走りました。
どの意見も、もっともらしく聞こえます。あなたなら、どれを第一優先と考えますか?

このとき、わたしは全社員にある質問をして、挙手してもらいました。
「コストが第一優先だと思う人?」「では、品質だという人?」「納期だと思う人?」
そのとき、場の空気が思わず笑いにつつまれ、「なるほどなあ」という空気になりました。
なぜなら、経営陣は「コスト」をあげ、製造スタッフは「品質」をあげ、配送スタッフは「納期」をあげ、見事なまでに役割に応じてきれいに分かれたからです。
つまり、それぞれの立場に応じてモノの見方が違い、優先順位が変わってくる。

それを踏まえ、わたしはその場で言いました。
「今、取引先が一番重要視していることは、価格ですよね。どれだけ品質や納期をアピールしても、価格が他社より目立って高いようでは、はじめから戦力外通告されてしまう。だから、まず目の前の仕事をつくるためには価格競争力は不可欠で、そのためにはミスによる廃棄や二度手間で非効率な仕事の仕方による無駄なコストを削減し、価格面で他社に引けをとらない状況をつくる必要がある。その上で、やっと当社の品質の素晴らしさをアピールするチャンスが与えられるんです」
すると、みなさん納得された表情に変わりました。そして、さらに付け加えました。
「でも、これも状況が変われば、また優先順位が違ってくることは、当然ありますよね」と。
いろいろな角度からモノを見る目、そしてその上で「今」の最重要事項を見出す力を持ちたいものです。

|

« 今月の本棚 【2009年7月】 | トップページ | Vol.124『仮の寿命から逆算して、今を生きる』 »

今月のワニレポ(今月の気づき)」カテゴリの記事