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2009年4月 2日 (木)

Vol.120 『お客さんに罪悪感を持たせない工夫、してる?』

あるイタリアン・レストランでカップルがおいしそうに食事をしながら会話を楽しんでいました。そのときの男性のひと言が、わたしの耳に飛び込んできて、考えさせられるひと言だったんです。

「このくらいの”少なさ”がいいよね」

わたしの発想では、「多ければうれしい」です。なので、「少ないのがいい」という言葉を男性が投げかけ、相手の女性が「そうそう」と共感している風景に、一瞬、違和感を感じたものの、「時代の傾向だな」と、思いなおしました。

「美味しいものをたくさん食べたい」欲求は今も昔もあるけれど、食事と切り離せない関心ごとに、男性はメタボリック、女性はダイエット。それゆえに、美味しいものをいろいろ食べたいけど、1つ1つは少しずつしか食べられない。食べ過ぎると自分を責め、悔いる。そして、エコ志向。食べきれないほど注文して残してしまうことに、後ろめたさを感じる。この店は、そういうお客さんが持つ罪悪感を先取りしているわけですね。

そういえば、わたしがよく行く回転寿司屋さんで、あるときから「シャリ(ご飯)」の量が4分の1ほど減りました。それはわたしにしてみれば、「料金は変わらずシャリを減らして、その分、注文の皿数を増やそうという、店側の魂胆だな」なんて思いましたが、ダイエット意識のある女性には、むしろ好評でした。

「前のシャリの量だと、いろいろ食べたくても食べきれないし、半分くらい残していたけど、それももったいなかったし。このくらいなら一口で食べきれていいわ」その女性はシャリを残すことに対して抱いていた罪悪感から解放される。客も喜び、その分多めに注文をし、売上が増えてお店も喜ぶ。もしこれが「安い値段でおなか一杯にする」ことがウリの店だったら、シャリの量を減らすことは不満を引き起こします。「お客さんが自分の店に何を期待しているのか?」を、ちゃんとつかんでいるからこそできることです。その上で、「何がお客さんに罪悪感を持たせているか?」を考えてみると、そこに改善のヒントがあるかも知れませんよ。

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