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2008年10月 1日 (水)

Vol.114 『初対面の面談で、すぐにラポールを築く方法。』

クライアント先で、数人の社員さんと個別面談をしていたときのこと。その目的は、社員の悩みや会社への要望を引き出して、改善策を立体的に浮き彫りにすることでした。
ひと通り面談が終了し、議事録をまとめていたときのこと。となりで書記をしていたスタッフがわたしに話しかけてきました。「和仁さんって、初対面の社員から上手に本音を引き出しますよね~。ふつうなら、相手も緊張感や警戒心で、無難な会話で終わりそうな気がするんですが。でも今日、その秘訣がわかりましたよ」

わたしは通常、営業も面談も、事前にゴールは決めておくものの、その最中はほとんど成り行きというか流れに乗って無意識でやっているため、どこに工夫しているのか自覚がありませんでした。そこで、その秘訣とは何かを尋ねてみると、彼の意見はこうでした。

相手が発言した内容の正当性を、とても論理的に裏付けてあげているんですよね」
そう言われて、わたしは自分が営業でもコンサルでも、初期段階にはそれを無意識にやっていることに気づきました。その日、ある経理担当者が「数値データを経営に生かせるよう加工しろ、と社長に指示されているのですが、どうまとめていいかわからないんです」と自信なさげに言われた際のこと。わたしは次のように答えました。
「そうですか。でも、Aさんの気持ち、わかりますよ。一般的に、『経理担当者は数字を扱っているから、会社の数字をちゃんとわかっているはずだ』と思いこんでいる人が多いんですよね。でもね、実は全然関係ないんですよ。なぜなら、経理の人は社長と違って経営をしている訳じゃないので、経営においてどんな数字が必要なのか、知りようがないからです。わたしも、サラリーマンのころは同じでした。だから、そこは開き直って、社長に『どんなアウトプットが欲しいですか?』と直接訊いてみてはどうですか?」

その瞬間から、「あぁ、恥ずかしいことじゃなかったんだ」といいう安心感からか彼の表情は一変し、滑らかに話し始めたのです。本人すらうまく説明できないことを、先取りして論拠づけてあげること。その主張が正しいかどうかは別として、論拠づけられるということは、一理ある証拠。相手が正しいかどうかを裁く前に、そのまま受け入れて論拠づけられるかどうか考えてみると、理解しがたい人の思考パターンに気づけるかも知れませんよ。

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