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2008年6月

2008年6月 1日 (日)

Vol.110 『考えごとは、“上書き更新”するために書く。』

考えが堂々巡りしてしまって、なかなか解決策がみつけられないとき、どうしたらいいでしょうか?」
セミナーで参加者からそう尋ねられたとき、わたしは次のように答えました。

「その堂々巡りしている考えを紙に書いてみてください」
「書いているうちに、俯瞰して今の状況を眺められ、妙案が浮かぶこともあるから」

でも、彼らがそれを実際にやるかと言うと、ほとんどの人は再び頭の中だけでグルグル考えているようです。わたしにはそれが不思議で仕方がありませんでした。
そこであるとき、同じ状況から抜け出せずにいる人に尋ねてみました。
「なぜ、紙に書こうとしないんですか?」 すると、彼は答えました。
「何を書いていいか、わからないから」

もう少し踏み込んで聴いていくと、彼の本当の答えは、こうでした。
「悩みの答えを書こうとして、それが思い浮かばず、手がとまったままだった」

そのときわたしはハッと気づきました。紙に書くということの定義がこの人とわたしとは違うのだと。彼の発想は、「答えを探して、それを紙に書く」でした。
これでは「紙に書く」ことが「手段」にはならない。この発想を変える必要があります。

わたしの発想は、「紙に何かを書きながら、答えを探す」です。はじめから一発で正解を探し当てようと思うから、はじめの一歩が踏み出せないのです。

あとで何度も「上書き更新」する前提で、今の考えをとりあえず書く。
3日経つと、その3日間の経験を蓄積した自分が「3日前の考え」に対して修正したくなるところが出てくる。そこを上書き更新していく。「あとで上書き更新する」ことを前提にすれば、いくらか肩の力も抜けて、気軽に書き始められるようです。これは、ビジョン設定やプランづくりでも同じことだと思いました。これからは、書きながら考えましょう。

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Vol.110 『自立タイプの依存と、依存タイプの依存の違い。』

開発援助を受けることと経済開発を成功させることは、逆の相関関係にあった。開発援助を多く受けた国では、経済はほとんど発展しなかったか、かえって悪化した。ちょうど国内の福祉と同じように、開発援助という名の福祉の受給国は、援助されるほど発展できなくなった。

(『歴史の哲学』 P.F.ドラッカー 著 ダイヤモンド社 P.182より引用)

先日仲間とのミーティングで、「自立型のクライアントと依存型のクライアント」の定義について話し合ったときのこと。

我々ユメオカやワニマネジメントは、「自立型クライアントが多い」と認識しています。
それは、我々のコンサル・スタイルは、クライアント自身のビジョンを起点にして形作っていくため、「これをやりたい!」という意志を持つクライアントでないと機能しないからです。逆に受け身で「売上がラクにつくれる秘策を教えてもらいたい」という人はわたしたちのサービスには向いていません。

ところが先日、この「自立と依存」の定義の解釈が、仲間内でも微妙に違っていることに気がつきました。

「自立型とは、どこまで自立している人をさすのか?」
「依存することは、本当にNGなのか?」
「でも本当に自立している人なら、そもそもコンサルタントは必要ないのではないか?」
と、「自立型クライアント」って何なのか、訳がわからなくなりそうです。

わたしはその会話を聞きながら、あらためて定義が明確になった気がしました。
わたしたち専門家を有効に活用される「自立型クライアント」とは、

・最終的には自分で決断できる。よって、精神的には自立している。
・ただ、すべてに万能ではなく、社員との関係づくりやお金の流れの把握など、苦手なところはある。よって、そこを「専門家の力を活用する」ことで、役割としては依存している。

つまり、ひと言で言うと「常に主導権を握っている人」が自立的な人であり、他人の協力を借りることがあっても、それは依存ではなく活用と表現したほうがしっくりきます。
なんだか禅問答みたいになってしまいましたが、ときに日ごろ頻繁に使っている言葉の定義を見直すことって、大切だなと思いました。

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今月の本棚 【2008年5月】

1)SAMURAI佐藤可士和のつくり方
佐藤悦子 著/誠文堂新光社

2)セルフトークマネジメントのすすめ
鈴木義幸 著/日本実業出版社

3)私が絶望しない理由
河合薫 著/プレジデント社

人生いろいろ、第一線で活躍する著名人の波瀾万丈の人生を
垣間見える一冊。各人ごとについてくる自己評価が興味深い。

4)夜回り先生 
水谷修 著/サンクチュアリ出版

普段、接することがない世界を垣間見た思いがした。

5)藤巻健史の5年後にお金持ちになる資産運用入門 ★
藤巻健史 著/光文社知恵の森文庫

女子高生を相手に授業をすると、大人ではすっとばして
しまいそうな素朴な、でも鋭い質問をされるようだ。
いずれ、わたしもそんな機会を持ちたいと思った。

6)がんと向き合って ★
上野創 著/朝日文庫

20代にしてがん宣告、抗ガン剤投与を体験してきた
著者ならではの迫力が、とてもリアルに描写されている1冊。
人生の大切さを忘れかけているかな、と思ったときにお勧め。

7)なぜハーレーだけが売れるのか ★
水口健次 著/日経ビジネス人文庫

商品そのものだけを見るのではなく、それを取り巻く全体の
世界観をいかにつくりあげるか。モチベーションメイキングの
ヒントがここにある。

8)私塾のすすめ
梅田望夫 齊藤孝 著/筑摩書房

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