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2007年1月 1日 (月)

Vol.93 『お客さんとの“理想の関係”は?』

僕らは、インタビュー結果を基に、医者と患者の関係を四つのレベルに分けた。レベル1は、取引の関係。医者は機械工のように、患者の故障している部分だけを直す。(中略)レベル2は、もう少し違った関係が入ってくる。医者は患者の悪い部分だけではなく、それを引き起こした行動に注目する。このレベルでは、医者は患者に対して行動を改めるよう指導するなど、レベル1とは違った内容の話をする。(中略)さらに深いレベル3では、なぜ患者がそのような行動をとるのか、医者は患者と一緒になって考える。このレベルでは、医者はコーチであり、患者が行動の背後にある考え方を検証できる環境をつくる。(中略)そしてごく少数だが、レベル4がある。(中略)この関係は、患者が『私は何者なのか。私の個性は何なのか』を考えることと関係があるように思えた。このレベルで、ほんとうに変わるには、古いアイデンティティを手放し、新しいアイデンティティを確立しなければならない。医者と患者は互いに影響を与え合う関係になり、どちらも自分自身を発見する。(中略)ある医者はこう言った。『効果をあげていると実感する時があります。それは薬を処方したり、患部を治したりする時ではありません。患者と中身の濃い話をし、まったく新しいことや癒しの効果を発見した時に感じられるんです』

( 『出現する未来』 ピーター・センゲ 他 著 講談社 P.132より引用 )

この本では医者と患者の関係を例に出していますが、業種はどうあれ「サービス提供者とお客さんの関係」というものには、いくつかの段階があるように思います。何か問題が起こるとその処理に終始する関係。問題が起こらないよう一方的に指導する(される)関係。共に対応策を考える関係。そして、本質的なあり方を深めることでお互いに気づきを与え合い、ともに成長発展していく高次の関係。これを本書ではレベル4といっています。

コンサルタントの中には、レベル1やレベル2の関係をつくっている人がたくさんいます。しかし、そのような関係性に疑問を感じたわたしは、8年前に独立をし、ここでいうレベル3の関係性を実践してきました。すなわち、コーチとして経営者の本当の望みを引き出し、そこに辿り着くための道筋を一緒に考えていく役割です。

ところが最近になって、付き合いの長いクライアントになると、何気ない会話の中に本質的な価値観を確認しあうような場面がよく出てくることを感じはじめました。場合によっては、クライアントが話している考え方を、別の事例やデータで裏付けてあげることに価値があるように感じることもしばしばです。うなずいて話を聞くだけのことすら少なくありません。そこにはわたしからの新しい提案もなければ、斬新なアイデアも存在しません。ただ、ただ、どのようなものの見方をしているか、それを確認しあう会話です。
そこにお互いに価値を見出せるとしたら、こんなに幸せなことはありません。長年お付きあいいただいているクライアントの皆さんに感謝です。いつもありがとうございます。にしています。

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