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2006年11月 1日 (水)

Vol.91 『わたしは何を提供したいのか?』

完璧な顧客とそうでない顧客に応対したときのことを思い出してみてほしい。彼らの唯一の違いは、あなたのビジネスのやり方を気に入ったか、そうでなかったかということだけだ。どちらの顧客も、取引を始める前は、あなたが提供する商品やサービスにある程度の期待を寄せていたはずである。完璧な顧客の場合は、あなたが提供したかったものとその顧客の期待していたものが、ぴったりと一致したのだ。しかし、もう一方の顧客は、あなたの提供したかったもの、意図していたものとは違ったものを期待していたのである。完璧な顧客は、あなたが提供したいと思っているものを求めている。もはや、顧客が欲しがっているものを自分は提供しているだろうかと悩む必要はない。あなたが提供したいと思っているものが、常に完璧な顧客の期待するものなのだ。必要なことは、自分は何を提供したいのかを明確にすることである。つまり、顧客の要望に合わせて提供するものを決めるのではなく、まず、あなたが何を提供したいかを決めて、それが欲しいと思う完璧な顧客を引き寄せればよいのだ。

( 『顧客は追いかけるな!』 ジャン・ストリンガー&ステーシー・ホール 著 

                    ダイヤモンド社 P.132より引用)

 本やセミナーなどで経営の勉強をしていると、「作り手の発想を市場に押し付ける(プロダクト・アウト)のではなく、市場が求めているものをくみ取って、そこからサービスを開発することが大切だ」というマーケットインの思考を持つよう促されます。これは、確かにもっともらしいので、「じゃあ、お客さんの声を調べよう」と市場調査にばかりエネルギーを費やすと、求めることが多岐にわたりすぎて収集がつかず、結局は平均的で面白みのないところに落ち着いた、なんて話を聞いたこともあります。
コンサルタント志望者にも、「クライアントとなる経営者が求めるノウハウは何だろう?」といろいろなセミナーをはしごする割には、提供したいサービスを定めることができず、フラフラと探し求め続けている人は少なくありません。そういう意味では、発想を逆転して、「わたしは何を提供したいのか?」から入ることも時に大切。

わたしが独立した頃に行ったのがまさに「自分にとっての完璧な顧客はどういう人か」を紙に書き出す作業でした。独立当時のプランを読み返すと、次のように書いてありました。「前向きで、一生懸命で、思いやりのある経営者の『経営理念の実現化』を支援する」「お客様が『パッと見てわかる』『一回聞いて理解できる』くらいわかりやすい研修・資料づくりを行う」 表現は今とは少し違いますが、結果的にその後その通りのクライアントを引き寄せ、そのようなセールスポイントで仕事をしていきました。新しい事業展開を考えていて行き詰まったときは、ちょっと一休みして、「当社にとって完璧な顧客の条件は何か?その人(会社)に何を提供したいか?」を考えてみると、新しい発見があるかも知れませんよ。

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