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2006年3月

2006年3月 1日 (水)

Vol.83 『所有か?借りるか?』

それから、私の家では、衣服などについて、いつも「つもり」買いの「つもり」貯金というのをやった。すなわち、呉服屋のショウ・ウィンドウを外から眺めさせて、気に入った柄、気に入った物はいつでも望み通り買うことに賛成した。賛成はするが、それを即座に持ち帰るのではない。ただ買ったつもり(気分)にさせるだけだ。そうして、品物はそのまま店に預けておくことにし、ぜひその品物がなくてはならなくなるまで、別にその代金同額を銀行に預けさせておくのである。すると、いつしか欲しいと思ったものも欲しくなくなり、必要なものも必要でなくなって、貯金だけがチャンとあとに残るという仕組みなのである。

( 『私の生活流儀』 本多静六 著 実業之日本社P.91より引用)

何か欲しいモノがみつかったとき、あなたは所有するか、借りるか、どちらですか?

「借りる」とは、所有するよりも使用することに価値をおく行為です。

かつてのモノ不足の時代には、家であれ美術品であれ「所有することが素晴らしい」という価値観が幅を利かせていました。しかし、モノ余りの現代では、所有することの価値観もかなり見直され、「所有して使用したほうが良いモノ」と「所有せずに、借りて使用するほうが良いモノ」があることに気づきます。例として、私の考え方を少しご紹介しましょう。

あなたの基準はいかがですか?

  • 別荘→所有よりも借りて使用する。

    リゾート地にセカンドハウス(別荘)を持つことに、かつては憧れていました。しかし、実際には不在時のメンテナンスに加え、滞在時の食事や掃除、洗濯などやる仕事が増えます。その上、買った以上「使わにゃ損」と、休暇が取れるとそこばかりに行くようになり、ほかの温泉やホテルに行くという選択肢が狭められます。そのため、今では行動半径を広げることを優先すべく、別荘を持つ魅力をあまり感じていません。(リタイアしたら別でしょうが)

  • 本→借りるよりも所有する。

    「本を図書館や人から借りて読む」習慣の人がいますが、私は断然、本は買って(所有して)読みます。私は読みながらペンでアイデアを書き込むからです。人から借りたものをそのようにはできないので、本は所有することを優先します。

  • 映画のDVD→借りて、何度も観たいものだけ買う

    レンタルで借りて、観る。そして何十本かに1本、「これは何度も観たい」と思える素晴らしい作品に出会うので、それはDVDで買って、その気分を味わいたいときに自由に楽しみます。返却の時期を心配する必要もないので、人に貸してあげることもできます。

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Vol.83 『制約の中に自由を見出すと、楽しい』

 レポートや本の執筆をする際に、自分の考えを自由に書くときと、誰かの質問に答える形で文章を書くときとがあります。私は以前は「自由に書くほうがラクで楽しい」と思っていましたが、最近「そうでもないかな~」と感じるようになりました。

誰かの質問に答える形で文章を書く。そのとき、文章内容はその質問によってある程度、制約されます。その質問と全く関係のないことを書くわけにはいきませんから、自由度が減るのです。しかし、実はむしろそのほうが創造性を発揮しやすいことに気づきました。これは、なぜでしょうか?

そういえば、日常生活でこんなことがありました。

◆大雪や台風で「外出がムリ」となったとき、かえって部屋の中での時間を存分に楽しめた。

もし外が快晴なら、部屋の中にいることが勿体無いと感じてしまいます。ところが、天候が悪くて「外出する」という選択肢が消された途端、部屋の中でのんびり過ごすことが楽しく思えるのです。これは、一体なぜでしょうか?

人は、あまりに自由だらけで何ひとつ制約がないと、かえって苦しくなります。ある程度の制約がある中で、試行錯誤する中に楽しさが見出せるようです。それは、制約が脳に刺激を与え、やる気にさせてくれるからです。

仕事において「制約」とは何でしょうか?それは、「期限が決まっている」「使える予算が決まっている」「人材が決まっている」などが制約と言えます。それらが条件としてあることで、「さあ、どうやって攻略しようか!?」と挑戦心が湧いてくるのです。

もし、その仕事が無期限で、資金も人材も無条件にベストな条件が揃っていたら、誰がやっても同じような結果になるでしょう。それでは、やりがいがなくなってしまうのではないでしょうか。そして、そうした制約を1つ1つクリアしていった先に、きっと本当の意味での自由があり、その自由を手持ち無沙汰を感じずに味わえる自分がいるのだと思います。

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今月の本棚 【2006年2月】

1)「神の肉体 清水宏保」
吉井妙子 著/新潮社

2)「私の生活流儀」 
本多静六 著/実業之日本社

「つもり買いのつもり貯金」は良いアイデアだ。

3)「私の財産告白」
本多静六 著/実業之日本社

4)「本多静六自伝 体験八十五年」
本多静六 著/実業之日本社

5)「子どもの話にどんな返事をしてますか?」
ハイム・G・ギノット 著/草思社

礼儀正しさは礼儀正しく教える。言われてみれば、そうだなあ。

6)「日露戦争物語 6~11巻」
江川達也 著/小学館

7)「男前経営論」
野口美佳 著/東洋経済新報社

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