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2005年11月 1日 (火)

Vol.79 『その「選択の結果」をちょっと想像してみよう。』

たとえば、ある朝、子どもが学校に行きたくない、と言ったとしましょう。特別な理由はありません。ただ行く気にならないというだけのことです。そして、その子は母親に向かって、連絡帳に「病気なので学校を休ませます」と書いてくれとせがみます。こういう場合、この子に、責任を取るとはどういうことかを教えてやらなければなりません。こういう時、母親は、連絡帳に、「この子は学校をサボりたいと言っていますので休ませます」と書かなければなりません。こう書けば、きっと子どもはふくれるでしょう。その時はこう答えればよいのです。「あなたが休むことに決めたのでしょう?だったらお母さんが嘘をつく必要はないわ。お母さんは嘘を書くと嫌な気持ちになるから、嘘は書きません。自分が決めたことなのだから、その結果は潔く自分で引き受けなさい」

( 『<からだ>の声を聞きなさい』 リズ・ブルボー 著
 ハート出版 P.38より引用 )

今回の引用は、母親が正直に学校に報告することで、自分の【選択】が適切でないことを子どもに気づかせる一例です。子育てにも、部下の育成にも、はたまたコンサルティングにも共通すると私が感じることは、「自分の【選択】に責任を持つ」ことで成長が促される、ということです。それは1つには、真剣にならざるを得なくなり、その【選択】の結果を想像する力が鍛えられるからです。私たちは何かを【選択】するとき、意識的にも無意識的にも、「メリットとデメリット」を考え、比較しています。ただ、問題なのは、ときにメリットばかり(あるいはデメリットばかり)を思い浮かべてしまうことです。

たとえば、ダイエット中の人が毎食後にケーキを注文するという【選択】をしたとします。
「美味しいケーキを味わい、至福のひとときを楽しめる」メリットと「太る」デメリットがアタマに浮かびますが、そのときメリットがクローズアップされていれば、ケーキを食べることを【選択】するでしょう。しかし同時にデメリットとして「糖尿病の傾向があるので、日常生活を脅かされる」「これ以上太ると、今着ている服が着られなくなる」など、本人が深刻になるに足る理由をイメージしたなら、そこで【選択】が変わるかも知れません。

しかし実際には、私たちは普段、いちいち考えて【選択】をしていません。なぜなら、その【選択】に伴うメリットとデメリットを全て考えるのは、とっても面倒くさいからです。だから最近は居酒屋でも、「とりあえず」というメニューがあるほどです。そのような中、親として上司としてコンサルタントとしてできることは何か?それは、本人にとってベストな【選択】ができるよう、その結果(つまりメリットとデメリット)を想像するサポートをしてあげることだと思うのです。そう考えると、相手の人生を背負いこむ必要はなくなり、相手も成長が促される良い循環ができるのではないでしょうか。

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