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2005年7月 1日 (金)

Vol.75 『ツール(道具)を使えばラクにできる。』

物事成就の母体は強烈な願望である。あまり科学的とはいえない言葉ですから、これを単なる精神論として退けたがる人もいることでしょう。しかし思いつづけ、考え抜いていると、実際に結末が「見えてくる」ということが起こるものです。つまり、ああなったらいい、こうしたいということを強く思い、さらには強く思うだけでなく、その実現へのプロセスを頭の中で真剣に、こうしてああしてと幾度も考え、シミュレーションをくり返す。将棋の指し手を何万通りも考えるように、何度も何度も達成への過程を模擬演習し、うまくいかない部分は棋譜を描いては消すように、プランをそのつど練り直してみる。

(『生き方』 稲盛和夫 著  サンマーク出版社 P.44より引用 )

夢を強く思い描けば、それは実現できる。よく聞く言葉であり、私もその通りだと信じています。しかし、それは実際にやるとかなり大変なことであることに気づきます。それは、いくつものハードルがあるからです。

まず、1つめに「夢を思いつく」までにハードルがあります。それを飛び越えると、次に「それを具体的に頭の中に描く」までにもハードルが。さらに、「そこにたどり着くまでの道すじをイメージする」「それが実現可能と自分に信じ込ませる」「そこに到達するまでのはじめの一歩を決め、踏み出す」など、いくつものハードルが存在し、それを次々とクリアしてはじめて、夢は実現されるのです。

問題は、これを「頭の中だけで考えようとする」ことです。よっぽどイメージ力の強い人でない限り、頭の中だけでこれらを考えるのは大変な労力とエネルギーのかかることです。
「頭で考えるだけなら、体は使わなくても良いからラクだ」と思ったら大間違いです。頭しか使わずにやろうとするからこそ、大変なのです

私は夢をノートに書くことを提案していますが、ノートを使わなくても夢は描けます。でも、ノートに書いたほうが記憶に残り、忘れませんよね。このように、ツールを使えば、よりラクに欲しい結果を得られることはたくさんあります。仮にそのツールを手に入れるために多少のお金がかかるとしても、その分早く、スムーズに目的を果たせるのであれば、ツールを手に入れたほうが良いでしょう 。

世の中には、ツールを使ったり、他の助けを借りることを良しとしない人がたくさんいます。たとえば「うちの会社は小さいから、税理士にお願いする必要はない。経理作業は自分でやれます」という議論もそうです。しかし、税理士の力を借りることで課題を早くスムーズに解決できるなら、ズルズルと問題を先送りするよりも良いと思うのです。社長は本業に専念できるのですから。あなたは、ツールを使う許可を自分に与えていますか?

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