« 今月の本棚 【2005年6月】 | トップページ | Vol.75 『ツール(道具)を使えばラクにできる。』 »

2005年7月 1日 (金)

Vol.75 『人は“自分でわかる部分”でのみ判断する。』

 あなたの提案を受ける人と断る人。何を提案しても、相手の反応は2通りに分かれます。その違いは何がもたらすのでしょうか?私自身も独立して間もないころ、コンサルティングの仕事を受注するために、仕事内容をいろんな人に話してきました。しかし、コンサルティングの仕事は形がないので、目で見て確認することはできません。また、いくら丁寧に説明しても、完璧に理解することは困難です。もし完璧に理解できるようなら、そもそも私に依頼せず、自分でやってしまうでしょう 。

ということは、大前提としてその人は私がやっていることを100%理解して仕事を発注するわけではありません。当然ですよね。そんなことをしようと思ったら、私が何年にも渡り経験したコンサル活動のすべてをほんの数時間でお話しせねばならず、それは物理的に不可能です。それなのに、なぜ決して安くはない報酬を支払う決意ができるのでしょうか?
この答えは、逆の立場になったときに気がつきました 。

先日、ある知人に証券投資について話を聞きました。私は金融商品については素人なので、購入にあたっての判断基準がありません。それでも話を聞いて30分もしないうちに、「とりあえず口座を開設します」と彼に言いました。それはなぜでしょう?彼は、証券の内容についてはほとんど説明しませんでした。ただ、「なぜその事業を行なっているのか」「それによってクライアントにどんな価値を提供したいのか」「彼自身は、どのように証券とつきあっているのか」を話してくれたのです。それを聞いた私は、その考え方に共感し、口座を開く気になったのです。

つまり、もちろん採算は考えるものの、最終的には商品の内容がどうかではなく、相手のスタンスで決めたことになります。思い返せば、私が決断するときは大体そのパターンです。そもそも、その商品・サービスの内容を正確に把握しようと思ったら、買って使ってみなければわかるわけがありません。私が買う前に考えることは「買ったことを後悔したくない」という思いです。そのためには、私は“自分でわかる部分”の情報で判断するしかありません。言い換えれば、お客さんが理解できることをきっちりお伝えすることで、理解できないところまで信じてもらえるぐらいの信頼感を勝ち取ることが大切だと思いました。

|

« 今月の本棚 【2005年6月】 | トップページ | Vol.75 『ツール(道具)を使えばラクにできる。』 »

今月のワニレポ(今月の気づき)」カテゴリの記事