« 今月の本棚 【2005年5月】 | トップページ | Vol.74 『あなたにとっての「生産的な投入」とは。』 »

2005年6月 1日 (水)

Vol.74 『技をかける前に相手を崩しておく。』

 私は学生時代から少林寺拳法をやっていて、今でも月に1~2回は道場に向かいます。仕事から離れて道場で汗を流していると、「相手との距離感(間合い)を適切に保っているか?」「“どうやってやるか”と自分の動きにばかり意識が向いて、相手の状態を見ていないのではないか?」など日常のコミュニケーションに通じる気づきが得られます。 先日、投げ技を練習していたときにもまた1つ気づきがありました。それは、「技をかける前に相手を崩しておく」ことの大切さについてです。

その日私は、自分より身体の小さい人が相手だと簡単に投げ飛ばすことができたのに、自分よりも身体が一回り以上大きな相手になると、全く技がかからず戸惑っていました。
少林寺拳法は、相手の重心を崩して、抵抗できない状態にした上で技をかける点に特徴があります。よって、正しくやれば筋力がさほど強くなくても相手を投げ飛ばせるはずなのです。

しかし、そのときの私は力任せに相手を投げようとしていました。だから、相手が身体の大きな人だと、力負けして投げることができなかったのです。しばらくその状態が続いた後、先生の技を見ていて、自分の過ちに気づきました。それは、「技のかけ方」ではなく、「技をかける前」に問題があったのです。それは、「崩し」です。本当は相手と組み合った時点で、相手の重心を崩すような姿勢をすでにつくっていなければなりません。それができれば、技をかける前から8割方成功したようなもの。すでに相手はバランスを崩していて、ポンと押せば倒れる姿勢になっています。そのような姿勢を予めつくっておくから、相手を投げるのに力はいらないのです。つまり、何倍もラクに目的を果たせるのです。

ところが力があると、そのような崩しを無視して力まかせに投げようとしてしまうのです。
これはビジネスでも同じで、ある分野で実力がついてくると、事前準備を怠ったりします。
たとえば、大勢の前で新企画のプレゼンをするとき。「事前に崩す」ことを考えるなら、事前に上司達にプレゼンの主旨を伝えて心の準備をしてもらったり、キーマンの賛同を得るためのポイントを予め調査して、「プレゼンをする前から、企画が採用されたも同然」の状態にできるかも知れません。いわゆる「根回し」です。それが自信過剰になると、そういう工夫は忘れてしまうのです。技をかける前に相手を崩すこと、意識していますか?

|

« 今月の本棚 【2005年5月】 | トップページ | Vol.74 『あなたにとっての「生産的な投入」とは。』 »

今月のワニレポ(今月の気づき)」カテゴリの記事