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2005年5月 1日 (日)

Vol.73 『あなたの最高の意欲を引き出す条件を知る。』

これに関して、ハーバード大学の心理学者、デビッド・マクルランド博士が興味ある実験をしている。それは「成功予想テスト」と呼ばれるものである。実験はいたって単純なものである。輪投げを、標的に向かって一人当たり五回投げるというもの。ただし、標的までの距離は、輪投げをする人が自由に決めてよい。博士は、それぞれの人の表情や意気込みをこと細かに観察した。その結果、もっとも意欲的に輪投げゲームに取り組んだのは、入る可能性が五回のうち三回入る距離に挑戦したときで、それよりも距離が長くなっても距離が短くなっても、意欲は低いものだったという。つまり、最高の努力をしてなんとかやり遂げられるレベルこそ、最高の意欲を生み出す条件なのである。宣之さんはそのことをよく心得ていて、イチローの意欲が最大限になる練習条件をしっかりと設定していた。

(『イチローに学ぶ「天才」と言われる人間の共通点』  児玉光雄 著
  河出書房新社 P.39より引用)

これまでの経験したことがないような途方も無く大きな目標に挑戦するとき、現時点と最終ゴール地点しか分からずにスタートするのは、恐怖感がありますよね。途中で集中力が途切れ、諦めてしまうかも知れません。そこで、私たちは「中間ゴール」を設定し、それを1つ1つクリアして達成感を味わいながら、着実に最終ゴールに向かって進みます。これは、ビジネスでもスポーツでも受験勉強でも共通していることでしょう。この場合の「中間ゴール」こそが、上記でいうところの「最も意欲的に輪投げに取り組める距離」に相当します。ここに、楽しみながら挑戦できる目標設定のコツがあるように思うのです。

たとえば今、あなたが目標に向かって挑戦しているとして、それが「苦しい」と感じるとします。それはひょっとすると、「5回のうち1回入るかどうかわからない距離の輪投げ」をしているのかもしれません。ならば、もう少し短い距離をクリアしてから距離を伸ばしたほうが良い、ということになります。そこで、楽しみながら挑戦できる目標を設定するために、次の質問を自分に投げかけてみるとどうなるでしょうか?

「この最終ゴールを達成するために、私にとって最高の意欲を引き出すレベルの中間ゴールを設定するとしたら、それはどのようなものだろうか?」

私は、資格試験を受けたとき、初めて大勢の前で講演会を行なったとき、本を執筆したとき、英語でセミナーを行なったとき、その他様々な挑戦する場面において、無意識のうちにこの問いかけをしてきたように思います。決してラクではないけど、頑張れば達成できそうなレベル。それをいかに客観的に見極め、最終ゴールまでの道すじをつくるか。それが、途方もなく高い目標に到達するための秘訣なのではないでしょうか。

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