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2005年4月 1日 (金)

Vol.72 『ふだん使っている言葉の定義を見直してみる。』

思考トレーニングのより効率的な方法としておすすめしたいのは、「よい会話の相手を見つける」ということだ。よい会話の相手というのは、お互いに自分の仮説について考えを戦わせることのできる相手のことである。幸い、私にはけっこういい友人が何人かいる。たとえば、ある友人が私に「この会社の株価が思ったほど下がらない。ボロ会社なのにどうしてなのか。オレはこの会社がこの後減資するからじゃないかと思うんだけど」と訊いてくる。それに対して私は「いや、そうじゃない。こういう事情があるからじゃないか」というようなことを言う。すると、相手もまた「いや、それは違う」というふうに、お互いの仮説をぶつけあうのである。そうすることで自分の仮説についてさらに考えを深めることができるから、こうした友人がいることは論理的思考のトレーニングをするうえで非常に効率的だ。

(『考える技術』  大前研一 著  講談社 P.209より引用)

人と会話をしていると「この人は、よく考えているな~」と私をうならせる人と、「この人は何も考えていないのかな?」と戸惑わせる人がいます。それは、考えるクセがついているかどうかの差であり、考える頻度の差であり、考えをぶつけ合える仲間がいるかどうかの差だと感じます。といっても、きっかけもなく、ただ「考えろ」と言われても困ってしまいますよね。私自身は、もともと深く考えるタイプではなかったのですが、仕事をしていて上手くいかないことがおこるたびに「考えざるを得ない」から、深く考えるようになりました。
そうやって、いろいろ考えているうちに、「ふだん使っている言葉の定義を見直してみると、そこにいろいろな発見がある」ことに気づきました。

たとえば「コミュニケーション力」という言葉の定義を考えてみます。昔の私は、コミュニケーション力とは「いかに自分の伝えたいことを正しく相手に伝えるか」「いかに相手の意図を正しくくみ取るか」について、主に言葉を適切に使う能力だと思っていました。従って、正確で具体的な言葉の使い方、分かりやすい事例の話し方、相手の意図を的確に引き出す質問法、などを磨いてきました。しかし、今の定義は、「相手と望む関係を築く力」、そして「その関係を継続させる力」である、と考えています。これは小手先のテクニックを超えたところにあります。そこで、私は考えました。「コミュニケーション力の定義をそのようにした場合、具体的にはどうやって高めていけば良いのだろうか?」
そして、2つのことをする必要があると気がつきました。1つは、「私は相手とどのような関係を築きたいのか?」を知ること。そして、もう1つは「その関係を築き、継続させるために何をすべきかを考え、実行する」こと。つまり、スタンスの明確化と実行力が大切だということです。そうなると、必然的に行動が変わってきます。言葉の定義を見直すことで、考えが深まり、行動が変わる。考えるトレーニングとして、試してみてはいかがでしょうか。

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