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2005年2月

2005年2月 1日 (火)

Vol.70 『逆算で見切るから、余裕が生まれる。』

高三から勉強を始めた。私は塾にも行かなかった。どうやったら効率よく受験勉強をこなせるか、そのオリジナルの勉強方法を思いつき、実践することにした。これは同級生から“美樹の三時間勉強”と呼ばれ、かなり有名な話だった。一日三時間だけ勉強する。なぜ三時間かは、これは逆算して割り出したものだ。私の知人に、現役で早稲田大学政経学部に合格した人がいたので、その人を横浜の書店に行き、何を勉強したかを聞いた。すると、目の前で参考書をピックアップし、ずらっと並べて教えてくれた。<中略>勉強すべき参考書のページ数を一年間で三回繰り返すという計算をして、一年間の計画をビシッとつくった。それが一日三時間、ただしその三時間に関してはものすごく集中して、もうそれだけしかないというくらいひたすらに取り組む、という勉強方法だった。

(『父と子の約束』  渡邉美樹 著  世界文化社 P.71より引用 )

最終のゴールをはっきりさせて、そこから逆算でベストな歩き方を決め、その到達に必要なトータル時間を見積もる。そしてそのプランが決まったら、あとはそれをひたすらコツコツ歩き続ける。この考え方は、スポーツでも、受験勉強でも、ビジネスでも、根本は全く同じだなあと感じます。大前提として、プランがきちんとしていることが重要ですが、そこさえ間違いなければ、あとはやるだけです。それをどれだけの時間をかけて到達するのかを決めて割り算すると、「一日平均で何時間かければゴールに到達するか」は必ず分かり、ペースがつかめます。そして先が見通せるので、心に余裕が生まれます。

先日、私はこの方法で本を執筆しました。ただ漠然と「300ページ以上の本を書く」と考えると、「いつになったら書き終わるのか?」全く見当がつきませんでした。そこで、まず自分の1ページの原稿を書くスピードをタイマーで計測しました。すると、1ページあたり平均30分かかることが分かりました。すると、300ページ書くには単純に考えて、150時間は必要です。さらに、「編集作業にかかる時間は?」「見直しにかかる時間は?」「目次や見出しづくりは?」「イラストの構成案は?」「オビのコメントは?」と、次々に時間を見積もっていきました。そのトータル時間が仮に400時間だとすれば、あとはそれをどう配分すればいいか、を考えてスケジュール帳に入れ込めばプランは出来上がります。
「4ヶ月あるから、月平均100時間は確保しよう。すると、月4週間として、1週間で25時間が必要だ。平日に2時間ずつと、週末に15時間確保すればやれそうだな」
あるいは、「この週は執筆に丸2日確保して、まとめてやってしまおう」というように、具体的にゴールに到達するまでの道筋を書いていきました。そのあとは、それを継続するために自分を励ます工夫も必要です。しかしながら、「予定通りにコツコツやれば期限通りにゴールに到達できる」という当たり前のことが分かっていれば、不可能なことはそれほど多くないような気がします。あなたは前もって、逆算で見切っていますか?

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Vol.70 『そこに、どんな意味を与えるか?』

 「しまった!」そのとき私は東京から名古屋に帰る新幹線の中。充実した1日を過ごし、熟睡していた。そして、深い眠りから覚めて、まばたきをした瞬間、私の目に飛び込んできたもの。それは、名古屋駅の看板であった。「ヤバイ!」と慌ててカバンを手に取り、座席から飛び起きた途端、車両の扉は無情にも「プシュ~」と閉じられた。

新幹線のぞみが次に停まる駅は「京都」。片道約35分間をかけて、むなしく自宅から離れていく。途中下車も出来ず、無意味に過ぎる時間。しかも、35分後に京都に着いたら、再び同じ時間をかけてやっとついさっき降りるはずだった名古屋駅に向かうのである。

私は思った。「不毛だ・・・。」

・・・とまあ、このようなむなしい経験は、誰でも覚えがあることでしょう。そのときに、どんな言葉を自分に投げかけるか、でその経験がむなしさで終わるのか、多少なりとも価値を持つのか、が違ってきます。

私はこのとき、「不毛だ・・・。」と数分、打ちひしがれた気持ちになりながら、ものごとをプラスに転換するマジッククエスチョンを投げかけました。

「僕は、この出来事にどんな意味を与えようか?」

つまり、この不毛に思える名古屋-京都間の往復運動に価値をもたせるためには、どのように考えれば良いか、と考えたのです。そして私は思いました。
「新幹線に乗り越していなかったら、きっとやらなかったであろうことをやろう」と。
それをリストアップしてみました。「今抱えている仕事の棚卸」「英語のヒアリング」「先送りしていた原稿のラフ書き」など。すると出てきたものは、 「緊急性は低いが、いつか必ずやらなければならず、一人で集中してやりたいこと」でした。そのとき気づいたことは、「不毛なことが起きたら帳尻を合わせよう」と考えるとストレスが減る、ということ。これは、一見「ツイてない」ことを「ツイてる」ことに切り替えるコツでもあるなあと感じました。

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今月の本棚 【2005年1月】

1)「プロ論。」
B-ing編集部(編) 徳間書店

各界50名が、それぞれの分野でいかにしてプロとして 成功したかを語っている。意欲を駆り立てたいときに読みたい1冊。

2)「自分の中に毒を持て」
岡本太郎 著/青春文庫

3)「座右のゲーテ」
齋藤孝 著/光文社新書

「最初から最高に触れよ」など、いかにキャリア構築をするかを考えたいときにヒントがたくさんもりこまれている。

4)「「ムテキ」な自分のつくりかた」
町田幸生 著/ゴマブックス

5)「お金の哲学」
中島薫 著/サンマーク出版

6)「Your Best Life Now」
Joel Osteen 著/WARNER Faith

7)「Synchro Destiny」
Deepak Chopra 著/Rider books

8)「考える技術」
大前研一 著/講談社

論理的思考を具体的に磨きたい人がイメージを 描きながら読める1冊。

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