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2004年5月 1日 (土)

Vol.61 『本当の原因は、違うところにある。』

プランをつくる。あなたもその経験はあることでしょう。経営者であれば事業プラン、営業マンであれば営業プラン、主婦であれば家計簿のプラン。新しいことに取り組むときには、前もって先を見通しておくことは、それを成功させるための鉄則ですよね。
先日、あるクライアント先のスタッフに「自分の仕事について、今年1年間の行動プランをつくってみよう」という課題を出しました。プランづくりのノウハウは私がすでに伝授しているので、彼らはどうやれば良いか、知識としては知っています。あとは実践あるのみです。

それで、「うまく作れなければ、私が何度も添削をするので相談するように」と伝えました。数日後、あるスタッフが自力で書いたプランを持ち、自信なさそうな顔でやってきました。彼の部門は営業、制作、開発、他あらゆる部門との連携が多く、重要な役割を担っています。
「和仁さん、一応作ってみたのですが、内容が薄い気がしています。いまいちイメージが湧かないのです。やはり私にはプランづくりは向かないんですよ」
彼のプランに目を向けると、内容がスカスカで、先を見通せているとは言い難いものでした。彼は言いました。「すいません。もう一度、プランの作り方を教えてもらえますか?」

しかし、私は彼がプランを作れない原因は、「作り方が分からないから」ではないと思いました。彼は日頃から会議でもあまり発言をせず、人との交流を持たず、マイペースで仕事をしているように私の目には映っていました。そこで、次の質問を投げかけました。
「あなたは、ふだん他部門の人たちと、どれぐらい会話をしていますか?」彼は答えました。
「ほとんどしゃべりません」「社長と会話をすることは?」「ここ数ヶ月、ありません」
ここに彼がプランを作れない真の原因があったのです。彼はいくつもの部門との連携が必要でした。それにも関わらず、彼は他部門がどんな取り組みをし、今後どのような動きをしようとしているか、全く聞いていませんでした。しかも、社長のビジョンを直接聞く機会も少なかったので、自部門のビジョンがイメージできなかったのです。ビジョンが描けないのに、それを実現する行動プランをつくることは不可能です。行き先が見えていないのに、交通手段を決めるようなものです。そこで彼に「まずは他部門の人と意見交換をしたら?」と勧めました。そしてその数日後、見違えるほど具体的なプランが私の手元に届いたのでした。
本当の原因は、違うところにあったのです。

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