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2004年5月

2004年5月 1日 (土)

Vol.61 『弱さを知っているからこそ、先を読む。』

西武全盛期、森監督の話を聞いて、ひじょうに勉強になったことがあった。(中略)バッティング・ケージの中で、ポンポンいい当たりを飛ばしている清原選手を見ながら、森さんはこういった。「島村さん、いま清原、調子いいだろう」「とってもよさそうですね」「うん、まだいい。だけどね、あと三週間ぐらいすると、落ちてくるかもしれないよ。そのときどうするかを、うちはいまから考えておかないといけないんだ。それからほかの選手も、何人かはきっと調子が落ちてくる。皆さんはわからないだろうけど、僕にはこのチームに金属疲労がきているのがわかるんだ」「へえ、それってどんなところでわかるんです?」
「いや、ちょっとしたところなんだ。皆さんにはわからないはずだが、安心や慢心、危機感がなくなるのを見抜くのも監督の仕事のひとつだから」

(『星野仙一 決断のリーダー論』 島村俊治 著  ゴマブックス P.64より引用 )

私は手帳をにらめっこをする頻度が多いほうだと思います。移動時間や電車待ちのとき、あるいはちょっとした空き時間があると、手帳に目を向けています。それを見た周りの人が私の手帳を覗き込み、「うわ~、和仁さん、マメですねえ」と感嘆の声をあげたりします。私が頻繁に手帳を見るのには、訳があります。私は自分が記憶力が悪く、不器用なことを自覚しています。つまり、自分の弱さを自覚しているので、それを補うために先を読むことを真剣に行うのです。自分が強いと思っていれば、もっと横着すると思います。

たとえば人との会話の中で依頼事が発生したとします。そのときに相手が「ああ、いいですよ。わかりました」と言った後、ちゃんとメモをするかどうか、私はいつも見ています。私は人の記憶力はあてにしていません。「今のように時間の流れるスピードが速い時代に、ちょっとした口約束をいちいち覚えてなんかいられないだろう」と思っています。だからこそ、私はいつも胸ポケットにペンとポストイットを入れておき、すぐにメモをする習慣を持ちました。そのため私の目の前でメモをしない人には「よかったら忘れないようにメモされますか?」とポストイットを差し出すこともあります。そうしないと、あとで約束を破られることが目に浮かぶからです。

また私は自分の体調管理には非常に気を使います。私は子供のころから根性で頑張るタイプでした。しかし中学生時代、お腹が痛いのを我慢して学校で授業を受けていたときのこと。どうしても我慢できなくなり、救急車で運ばれました。盲腸が破裂し腹膜炎と診断され、もう少しで命も危ないところでした。それ以来、自分の体がそれほど強くないと知りました。私は休みを戦略的に取るようにしているのですが、それはムリが続くと身体を壊し、結果的に生産性が落ちることを自覚しているからです。そのような目で自分の動き、人の動きを見るようになると、大抵のことは問題が起こる前に気がつけるようになりました。

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Vol.61 『本当の原因は、違うところにある。』

プランをつくる。あなたもその経験はあることでしょう。経営者であれば事業プラン、営業マンであれば営業プラン、主婦であれば家計簿のプラン。新しいことに取り組むときには、前もって先を見通しておくことは、それを成功させるための鉄則ですよね。
先日、あるクライアント先のスタッフに「自分の仕事について、今年1年間の行動プランをつくってみよう」という課題を出しました。プランづくりのノウハウは私がすでに伝授しているので、彼らはどうやれば良いか、知識としては知っています。あとは実践あるのみです。

それで、「うまく作れなければ、私が何度も添削をするので相談するように」と伝えました。数日後、あるスタッフが自力で書いたプランを持ち、自信なさそうな顔でやってきました。彼の部門は営業、制作、開発、他あらゆる部門との連携が多く、重要な役割を担っています。
「和仁さん、一応作ってみたのですが、内容が薄い気がしています。いまいちイメージが湧かないのです。やはり私にはプランづくりは向かないんですよ」
彼のプランに目を向けると、内容がスカスカで、先を見通せているとは言い難いものでした。彼は言いました。「すいません。もう一度、プランの作り方を教えてもらえますか?」

しかし、私は彼がプランを作れない原因は、「作り方が分からないから」ではないと思いました。彼は日頃から会議でもあまり発言をせず、人との交流を持たず、マイペースで仕事をしているように私の目には映っていました。そこで、次の質問を投げかけました。
「あなたは、ふだん他部門の人たちと、どれぐらい会話をしていますか?」彼は答えました。
「ほとんどしゃべりません」「社長と会話をすることは?」「ここ数ヶ月、ありません」
ここに彼がプランを作れない真の原因があったのです。彼はいくつもの部門との連携が必要でした。それにも関わらず、彼は他部門がどんな取り組みをし、今後どのような動きをしようとしているか、全く聞いていませんでした。しかも、社長のビジョンを直接聞く機会も少なかったので、自部門のビジョンがイメージできなかったのです。ビジョンが描けないのに、それを実現する行動プランをつくることは不可能です。行き先が見えていないのに、交通手段を決めるようなものです。そこで彼に「まずは他部門の人と意見交換をしたら?」と勧めました。そしてその数日後、見違えるほど具体的なプランが私の手元に届いたのでした。
本当の原因は、違うところにあったのです。

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今月の本棚 【2004年3月&4月】

1)「FROM 0 to 130 Properties In 3.5 Years」
Steve McKnight/Wrightbooks

この本の内容はよく理解していないが、本作りにおいて、この構造が非常に参考になった

2)「1冊の手帳で夢は必ずかなう」
熊谷正寿 著/かんき出版

私の手帳活用術と通じる部分が多く、興味深く読めた。また、思考のチェックリストは良いヒントであった。

3)「経済再生は「現場」から始まる」
山口義行 著/中公新書

4)「星野仙一 決断のリーダー論」
和田秀樹 著/海竜社

再読。成果を出すリーダーがどのような考え方や行動をするかイメージを持ちたいときに参考になる。

5)「クラシック音楽を楽しもう!」
大町陽一郎 著/角川書店

クラシック音楽を生活に少しずつ取り入れるきっかけを与えてくれる良書。本質を知る人だからこその解説書である。

6)「コーチングのプロが教える決断の法則「これをやる!」」
鈴木義幸 著/講談社

コーチとは約束をしてもらうことを仕事にした人。なるほど。

7)「ビジョナリーカンパニー2飛躍の法則」
ジェームズ・C・コリンズ 著/日経BP

再読。人を見抜く力の大切さを認識させられる。

8)「急がない!ひとりの時間を持ちなさい」
デイヴィッド・クンツ 著/主婦の友社

再読。心のバランスを取り戻したいときに読む薬のような本。

9)「遠くに行くには近きより高きに登るには低きより」
斯波最誠 著/ゴマブックス

10「現場の変革、最強の経営ムダとり」)
山田日登志 著/幻冬舎

11)「トヨタのキャッシュフロー戦略」
円山弘昭 著/中経出版

再読。企業家とマネージャーと職人のアイデンティティのバランスをいかに保つか。拡大思考のスモールビジネス実践者は読みたい1冊。

12)「The Ultimate Marketing Plan」
Dan S.Kennedy 著/ADAMSMEDIA

13)「本当の学問は作文で劇的に伸びる」
芦永奈雄 著/大和出版

再読。文書を書く機会の直前に一読しておきたい一冊。

14)「ビジネス・シンク」
デイヴ・マーカム ほか著/日本経済新聞社

15)「超文章力」
野口悠紀雄 著/中公新書

16)「ハリウッド・ハルク・ホーガン」
ハリウッド・ハルク・ホーガン 著/エンターブレイン

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