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2003年9月 1日 (月)

Vol.53 『最近、10分間以上真剣に話を聞いて もらったのは、いつ?』

 ある会社で、コーチング研修をやっていたときのことです。3人1組になって、1人はコーチ役、1人はクライアント役、1人は観察者として、10分程度のロールプレイングを行いました。コーチングは、的確な質問を投げかけて、クライアントの行動を後押しし、目標達成を支援するコミュニケーション技術のことです。そのロープレが終わった後、コーチ役の人に感想を聞くと、ほぼ全員から同様の意見があがりました。

「いや~、質問しないといけないのに、コーチ役の自分がつい、しゃべり過ぎました。」

「これは、聞く練習ですよ」と前置きして行ったロープレでも、これです。真剣に会話を行うほどに、自分の考えを伝えたくなるようです。なぜ、このようなことが起こるのか、考えてみました。そして、2つ気が付いたことがありました。

1) コーチは、相手が言っていることの表面だけを見て、自分の経験と価値観を元に勝手にストーリーをつくり、それをしゃべりたいという誘惑にかられている。
(本当は、相手の中にある核心を引き出すことを目的に話を聞くと、ちゃんと最後まで口を挟まずに聞きに徹することができるのだが)
2) 相手(クライアント役)が聞く姿勢をつくってくれているので、ついしゃべりたくなる。コーチ役の人も、日頃自分の話を真剣に聞いてもらう機会が少ないだけに、余計に。

 この現象の背景には、「周りの人に気にかけてもらったり、真剣に話を聞いてもらう機会が圧倒的に少ないことからくる、我々現代人の“寂しさ”」があるような気がします。

 よく考えてみると、この1週間で誰かに10分以上、ちゃんと聞く姿勢を整えて自分の話を聞いてもらったことがあったでしょうか?意外と少ないことに気づきます。それが12回続くと1年です。そのような1年間を、私達はもうどれだけ積み重ねているのでしょうか。 話を聞いてくれることが、どれだけ嬉しいことか、気づかされた瞬間でした。

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