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2002年11月 1日 (金)

Vol.43 『オープンにしたら、実はこんなにラクだった。』

なぜその目標達成が必要なのかがわかれば、社員の意識も違ってきます。それには、経営内容をガラス張りにし、みんなが物質的にも精神的にも豊かになるためには、どうしても目標の達成が必要であることをわかってもらうことから始めなければなりません(中略)
そしてそれを達成させるのは社員一人一人の力にかかっていて、その達成が夢の実現につながることをわかってもらわなくてはいけないのです。つまり、組織全体に活力がわいてくるような風土をつくっていかなければいけないのです。人を代えるのでも設備を変えるのでもありません。社員の意識を、目標を達成させるという方向に向けていくのです。

(『自分と未来は変えられる』 高塚猛 著 かんき出版P.134より引用 )

 私のクライアントは、キャッシュフローの全体像や財務状況、目標達成度、会社の理念・ビジョンをガラス張りにし、経営者の考えをスタッフに浸透させ、スタッフ自身に判断材料を与えるようにしています。そのことを、あるセミナーで話したところ、「確かに財務データをオープンにした方が良いとは思うんだけど、なんだか不安なんですよね」との発言が。
「なぜ不安なんですか?」と尋ねると、「いや~、ウチは社員よりも社長の私の方が給料を多く貰っているし、接待費もバカにならないし、何を突っ込まれるか分からないから、二の足を踏んでしまうんですよ。」

彼には、ある歯科医院で聞いた話をお伝えしました。それは、かつては業績が良かったが、今は売上も急激に下がり、借金の返済に追われ、スタッフの給料を支払うために院長自身は給料を受け取らずに、貯蓄を食いつぶしてしのいでいた医院の話です。私はさぞかし、そこのスタッフは院長に恩や義理を感じて頑張っていることだろう、と思ったら、実は全く逆でした。スタッフは医院のお金の流れを知らされると、非常に驚き「院長先生は売上の半分を懐に入れていると思ってました。」と漏らしたのです。つまり、経営者が一人で悩みを抱え込み、苦しんでいる一方で、スタッフには全くその危機的状況が伝わっていなかったのです。このようなケースは非常に多いというのが、私の実感です。

 経営情報を公開しない理由の1つは「漠然とした不安」があるから。そして、それはかつて右肩上がりだった時代には、経営者がトップダウンで指示をしていれば利益が上がり、それを経営者が独り占めできたことの名残だと思います。しかし、今は全スタッフが一致団結して、自律的に考え、スピーディーに動いていかないと会社自体が後退してしまう時代です。
  経営者がなぜ、スタッフより高額の給料をもらえるのか、なぜ接待費が必要なのか、1つ1つきちんと根拠を伝え、スタッフの納得を獲得したら、早くオープンにした方が、実はラクだったということが分かってきました。
 あなたの会社はオープンですか?

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