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2000年8月

2000年8月 1日 (火)

Vol.16 『理念が指針となり、組織に活力を与えているか。』

つまり、フィリップ・モリスの理念を好ましいと感じたり同意するかどうかは、フィリップ・モリスの社員でないかぎり、重要ではない。社外の人間がメルクやマリオット、モトローラ、ディズニー、HPの理念に同意するかどうかも重要ではない。結論を言うと、重要な問題は、企業が「正しい」基本理念や「好ましい」基本理念を持っているかどうかではなく、企業が、好ましいにせよ、好ましくないにせよ、基本理念を持っており、社員の指針となり、活力を与えているかどうかである。

(『ビジョナリーカンパニー』 ジェームズ・C・コリンズ/ジェリー・I・ポラス 山岡洋一 訳
日経BP出版センター p.115 より引用)

 「言っていることとやっていることが一致している人」というのは、多くの人から尊敬されますよね。これは実はとても大変なことで、人は調子が良いときはそれが出来ても、調子が悪いときは、つい楽な方に流れがちです。また、甘い話があれば、目先の密を吸いにいきたくもなります。私も同様で、もともとはその時々の精神状況でブレやすい性格です。ただ、経営者やコンサルタントの仕事は、信頼関係が大切ですので、あまりブレが大きいと従業員や取引先に不信感を与えますし、気づいたら誤った方向に進んでしまっていた、という恐さもあります。
 そこで、私は常に平静を保ち自分を見失わないようにしようと、数年前から自分自身の理念を紙に書き、自分の潜在意識に植え付けるようにしてきました。初めは頭(理屈)で考えているせいか回りくどい表現で、腹に落ちきっていませんでした。しかし、意識し続け経験を重ねることで、徐々に自分の中に入っていったような気がします。

 そして、自分が独立し、1人で仕事を始めていく過程で、理念の大切さを改めて実感しました。これがあるおかげで、自分のクライアントに対するスタンスや仕事へのこだわり、優先順位づけなどがはっきりしました。もし、理念が曖昧なままであったら、特長のない「なんでも屋」になっていただろうと思います。頭で考えていた理念が、経験を通して心にスっと入ってくるまでには、いろいろ試行錯誤はありました。それでも、おそらく最短コースで目標に近づく一助になっていると感じます。ちなみに私の経営理念は、「ワクワク感動できるコンサルティング」です。クライアントはもちろん私自身もワクワクしたいです。

 表記の本でも語られているように、理念の中身がどうか、よりも、「それにこだわり実践し、周りに浸透させるパワーがあるかどうか」がとても大きなポイントだというのも、よく分かるような気がします。

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Vol.16 『良いと思ったら、まずやってみる。』

 コンサルティングは頭を使う仕事です。ある現象を論理的に考えて、解決策を導き出すお手伝いをします。そのため、自ずと理論でモノを考えがちになります。これは、大切なことでもあり、一方で恐いことでもあります。

 「やって失敗する」ことを恐れ、考えに考え抜いて、なかな先に進めない人をよく見かけます。私もどちらかといえば、そのタイプでした。もともと慎重な性格ですので、思い切った冒険はなかなかできないのです。しかし、自分の意図に関係なく周りの環境変化や人の影響などで結果的にそちらに進まざるを得なくなって、後手で結果的にそれを行うということもよくありました。その時思ったことは、「なんだ、結局やることになるなら、初めにやろうと思ったときにやっていればよかった。」です。

 ただ、何も考えずに、ただ動くよりは、「こう動けば、きっとこうなるだろう」という仮説や目標を立てた上で動いた方が、次からの学習効果は高くなりますよね。だから、動く前に考えることは当然大切だと思います。問題は、考え過ぎて頭でっかちになり過ぎると、一歩も先に進めなくなることです。

 変化のスピードが加速度的に早い今、私は「何年も前の経験や実績は、今から行うことの根拠には、必ずしもならない」「だから今から根拠をつくるんだ」と割り切って、「初めは小さく、すばやく、とにかくやってみる」を心がけています。経験して、感じたことをベースに次の展開を考えていけば、実態に即したアイデアも湧いてくるような気がするのです。

 このような発想で動いていると、スピードアップせざるを得ません。過去の経験や実績を疑ってかかるのは、ある意味効率の悪いことですから、それを補うだけのスピードと機動力が必要です。また、膨大なエネルギーがいります。だからこそ、「好きなこと」や「良いと思ったこと」が起点になっていることが、そのエネルギーを持続させるための大きなポイントのように感じます。

 できることなら、このような機動力・瞬発力は、いつまでも持ちつづけていたいものです。

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