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2000年5月

2000年5月 1日 (月)

Vol.13 『根拠は自分でつくる。』

「常識」とは何だろうか。大多数の人が、曖昧模糊とした概念に基づいて、"なんとなく"抱いている不確かな幻想にすぎないのではないか。私はきわめて慎重な人間だから、そのような不確かな概念を基盤として行動することには、むしろ大きなリスクを感じる。それよりも、目前の事象の「本質」を見抜き、そこから自分なりの論理を組み立てて事業を展開するほうがずっと安全だ。

(『折口雅博の50の逆説』 折口雅博 氏 東洋経済新報社 p.6 より引用 )

 私は、以前はいろいろなしがらみやルールや規制に発想がしばられていました。自分で勝手に「制約」をつくり、「既成概念」や「あるべき論(物事は~でアルベキ、~ナケレバナラナイ)」にとらわれていました。しかし、いつもそこには無理がありました。窮屈でこそあれ、楽しくないのです。特にサラリーマン時代はそれが強かったように思います。

  しかし、独立して何でも自分で考えて決めていく環境におかれると、物事を一から考えていくことを強いられます。「~だろう」の積み重ねではあまりに危険なので、原点に戻って考え、自分なりの根拠をつくり、判断していくようになりました。

 私の「自分なりの根拠づくり」のポイントは2つあります。「①基本理念による検証」と「②ゴールからの逆算による検証」です。

 「①基本理念による検証」とは、そもそも自分が何を重要視しているのか(利益アップなのか、信頼関係の構築なのか、シェア拡大なのか、etc)という原点に立ち返るということです。自分の根本的な価値観を冷静に振り返り、それと照らし合わせて納得がいく判断をしているかどうかを検証します。

  「②ゴールからの逆算による検証」とは、最終的にどういう成果(結果)を出したいのか、を先に明確にした上で、その手段(原因)を決めるということです。多くの人がこれをおろそかにしていると感じます。「とにかく"ガンバリズム"で(短視眼的に)突き進めば、そのうちなんとかなるさ」的な人がいますが、結局なんともならなかったりします。

  そうではなく、長期的視点で大局的に全体像を捉えた上で、ゴール達成に向けて今どういう手をうつべきか、を考えることが大切だと思います。これは例えるならば、入り口が3つある迷路を入り口からやるのではなく、ゴールから逆に入り口に向かって歩けば、どの入り口が正解かがすぐに分かるように、どの道が最短距離か、を知った上で進むということです。

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Vol.13 『感情で判断し、理性で納得する』

 『人間は感情の動物である』という言葉を聞いたことがあります。また、意思決定するときの80%以上は実は感情で決めている、といいます。昔は、その意味がよ く分かりませんでしたが、今はよく分かる気がします。

 営業のとき、以前は機能やメリットばかりを訴求していました。ある時期まではそれで良かったのです。しかし、今はそうでもないようです。特に高額で目に見えないサービスを提供する際には、もっと根本的な部分をきちんと訴えていかないと相手の心は動きません。独立して、とにかく動き回っている中でそれに気づきました。機能やメリットの話は、理性で聞いています。理性で聞いているうちは、「感情の揺さぶり=欲しいという感情」はあまりないと思います。なぜなら、モノ余りの今「必要なモノは、すでに持っている」からです。

 私の仕事(コンサルティング)は、目に見えませんので、それを提供しようとすれば、必然的に「こんな成果が期待できます」とメリットを訴求します。ただ、その前に「一言で言うと、どんなサービスなのか」「どういうスタンスでサービスを提供しているか」「他にはない特徴はどこか」などをきっちり伝えて、相手に「欲しい」と思って頂くようにしています。

 この「欲しい」と思って頂くことがスタートラインだと思います。つまり、「欲しい=買う」ではありません。欲しいと思っても、必ず理性が「買ってはいけない理由」を探し出します。防衛本能みたいなものです。仮に「ものすごく欲しい」と思っている人なら、「それが間違っていないと納得できる理由」を探し出します。つまり、背中を押して欲しいのでしょう。

 ここまで来てやっと、機能やメリットなどを要点のみ理論的にお話します。その人が「それを聞きたい」と要望しているからお話しします。要望していないときにお話ししても、単なる押し売りになるので、順番を間違えると大変です。(昔はその失敗をよくやりました)

 その人が意思決定権をもっていない場合は話が違いますが、当事者の場合は大抵はそんな感じだと思うのですが、いかがでしょうか?

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