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1999年11月

1999年11月 1日 (月)

Vol.7 『創造とは発散の中により多く出現する。』

"創造とは発散の中により多く出現する"というのが私の経験から得た実感である。良い議論というのは、最初に十分に発散したうえで収束(まとめ)に入っていく議論である。まとめは必要なのだが、初めからまとめることをノルマにしてしまうと、まとめることだけが先行して発散ができなくなってしまう。そこで、思い切って、「まとめはあえて必要ない」という設定にするわけだ。

(『なぜ会社は変われないのか』 著者:柴田昌治 氏 日本経済新聞社
p。151 より引用 )

 私が新入社員だった頃、新しい事業をはじめる時などに会議を行い、アイデア・意見を求めら れました。しかし、なかなか言いたいことが言えず、もどかしい思いをしていました。
 今、その理由を振り返ると「こんな低レベルなことを言ってはハズカシイのでは」という葛藤 があったり、その会議の場が自由に気軽にモノを言える雰囲気ではなかったり、といろいろな要 因があげられます。自分の思いつき的な意見について、経験豊富な先輩や上司が理詰めで質問や 反論をしてくると、頭の中が金縛りになりました。一旦萎縮してしまうと、その後いくら「意見 を出そう、考えよう」と努力しても、創造的なアイデアは出てきませんでした。

 会議というのは、一般的に「建設的な意見を出すべき」「周囲にわかりやすい、理論的な説明を すべき」「最後にきちんと結論をまとめるべき」という暗黙のルールがあります。この「~べき」 という制約が、発散の妨げになり、自由で創造的な発想の邪魔になるように思います。

 こういう私自身の過去の経験もあって、今、私がクライアント先で従業員をまじえての面談や 会議をさせて頂くときには、「まず聞いて受け入れるスタンス」に徹するようにしています。漠然 と聞くだけでは、聞かれた方も困ってしまうので、ヒントになる視点を挙げながら聞きます。た とえば、「売上アップのためにどうしたいか?」と聞くのではなく、より具体的に「衝動買いをし てもらうために、何ができるか?」という具合です。そして意見を出して頂いた後は、その内容 の良し悪しに関わらず一旦受け入れます。内容の検証(質の追求)は後で行えば良いので、「他に も良いアイデアはないか」と、まずは量を最大限に求めます。

 会議での話し合いよりも、お酒を交えたワイガヤでの雑談の方が、面白くて創造的なアイデア が出てくることがあります。これは、制約なしに、断片的な意見や思いつき的な意見を気軽に"発 散"できるからだと思います。たとえ断片的な意見でも他の人がそれを引き継いで話を膨らませ てくれます。そうこうしているうちに、魅力的なアイデアが生まれたりします。

 本当は、お酒を交えなくても、発散できる雰囲気づくりができると良いのですが・・・。

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Vol.7 『指導の際には、"対立"せずに"共有"する。』

 どんな職業でも、一定の経験を積んでいくと「人を指導・教育する」機会は増えていくものです。上司なら部下を、チェーン店本部のスーパーバイザーなら各店長に対して指導しますよ ね。このとき、教える側の方がストレスを抱えるケースが意外と多いと思います。大抵は「1つの 課題を解決するためには、それに関わる何倍もの課題を解決しなくてはならない」ため、はたから 見ているよりも本人にとっては大変だったりします。さらに「何度言っても、相手がわかってくれない」「こちら(指導者側)の意図を汲み取ってくれない」などと、お互いの意思疎通が図れていない場合は、その大変さは何倍にも増幅します。

 このストレスを軽減する方策の1つは、「"対立"せずに"共有"する」ことではないかと思いま す。"対立"とは、「あの人にどういう風に理解させようか、指導しようか」という発想で対応する ことです。"共有"とは、「あの人と自分の情報量を一致させた上で、一緒に解決策を考えよう」というスタンスです。つまり、指導者だけでなく、相手にも一緒に考えさせるということです。

 "対立"のスタンスでは、お互いが向かい合い、ベクトルがお互いに向かっています。この場合、そこになんらかの抵抗が働くため、課題の解決に全力を集中しにくくなります。お互いに「上の者が下の者に教える」的な発想になり、片方がひっぱろうとし、片方がぶらさがろうとします。

 "共有"のスタンスでは、お互いが横に寄り添い、ベクトルが同じ方向に向かっています。お互いがパートナーの位置付けで課題を共有化しているので、その解決に全力を集中しやすくなります。 つまり、指導者が情報量を共有するための情報提供は行うけども、そのあとは一緒に考えましょう、というスタンスです。

 いつもこの発想がベストとは限りませんが、自律的な組織づくりが重要である今、こういうスタンスも大切なのではないでしょうか?

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