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1999年9月 1日 (水)

Vol.5 『"モノ"より"人"への投資の方が効果が大きい。』

 お金の使い方ということが、企業経営においても私生活においても、ここ数年のテーマになっている気がします。なにせ調達が難しい訳ですから、「なるべく使わないように」という発 想になります。しかし、なんでもかんでも「使わない」訳にはいきません。例えば、小売店がチラ シ代を渋れば広告宣伝費が抑えられますが、それ以上に売上が落ちる恐れがあります。メーカーが 研究開発費をケチっていたら、近い将来存在価値が低くなると予想されます。サービス業が人件費 を削ろうと、首切りばかりやっていたら、そのうち雰囲気が悪くなり、お客様にそれが伝わり、や はり売上が下がるのではないでしょうか。

 一般的には、「形が見えないもの」への投資より、「形が見えるもの」への投資の方がしやすいと 思います。客観的に「金額」で価値がわかるモノは判断し易いのですが、難しいのは客観的な価値 が見えにくく、本人の「主観」で判断するしかないモノの場合です。その中でも「人」への投資は特 に難しくもあり、しかしうまくいけば期待以上の成果を生み出すこともあります。

 昔、あるレストランのアルバイト採用面接で、1人の学生が面接に来ました。彼はそれなりの経験があり、自分なりの接客ビジョンを持っていました。オーナーは「この人はデキそうだ!」と感じ、本来850円の時給を、「時給1,000円支払うから、この店のお客様に喜んで頂ける精一杯の接客をやって欲しい」と言いました。その当時、時給1,000円も払ってくれるレストランはそうはありませんでした。その学生はとても意気に感じ、オーナーの期待に応えようとあれこれ工夫しました。接客時にちょっとした一言を添えることでお客様に好かれ、高単価の商品の魅力をきちんと伝え、かならず食後のデザートを受注することで、客単価の上昇に貢献しました。

 時給が850円から1,000円に上がることは、大きなことのようですが、1日5時間働いた として、1日わずか750円の負担増です。しかし、それによって本人の意欲が掻き立てられて1 日で750円以上の利益を生み出すことができるなら、その方が会社にとってはプラスです。これ も1つの投資だと思います。人には「感情(信頼に応えたい、認められたいなどの)」があるので このような投資が可能ですが、機械などのモノには感情はありませんから当てはまりません。

 「人」への投資はできていますか?

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